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ミケ、説教をする


『た……助けてくれっ!!』

 莫迦ネコの腰巾着が我らのところまで来よった。

 最近では餌も取れず、毒入りを食してしまった腰巾着も多いという。黒い鳥も狙ってくるしと散々らしいの。

 ……それにしても身勝手過ぎぬかの。我らを嫌ったのはそちらだし、勝手に張り合ったのも向こうじゃ。我らは関係ないの。

『ボスの怪我がひでぇんだよ!! 助けてくれよ!』

『断る』

 何故こちらを嫌うやつらを助けねばならぬ? 上に立つのなれば、下を守らねばならぬだろうて。下の諍いを減らす努力もせぬモノを助ける気などないわ。

『だ……旦那』

『猫が良すぎると思わぬのか? 我らを爪はじきにしておきながら、助けを求めに来るというその行動が』

 そんなことを言えば、腰権着どもは「ボスの決めたことは絶対だから」などとのたまう。


『戯けが!!』

 いかん、思わず妖力を少し(、、)出してしまったわ。

 この程度の妖力で慌てるほどこ奴らは腑抜けらしいの。また抑えるか。

『莫迦も休み休み言えというのだ。我があ奴に近づかぬ理由は、下につく気にならぬほど愚かだからじゃ。たった一猫の言うことだけを信じてここに住めなくなった猫たちがどれくらいいるか知っておるのか!?』

 まぁ、我は知らんがの。ただ、我が来てから追い出された猫は、匿っておるが。


 理由を聞けば「イエネコの美しさを称えなかっただけ(調べたら事実だった)」とか、「イエネコに恋したら邪険にされた(調べたら……以下略)」とか、「我らへの行いを戒めようとしただけ(調べ…・・以下略)」だの、我も若いのも呆れてしまったではないか。

 若いのが弾かれた理由も理由だったがの。死ぬ前にいた家がそのイエネコの近所だったからとか、何を考えておるのか。


 こんこんとそのようなことを説教しておるうちに、煩くなった。

『若いの。あ奴らを連れて逃げよ!!』

『ど……どうした!?』

『あの莫迦ネコがやらかしたわ! ここも狙われる!』

『え゛!?』

 腰巾着どもは一目散に逃げた。最初からそのつもりであったのだろうよ。

『さっさと行け!』

『わ……分かった!』

 若いのがいなくなったところで、黒い鳥と対峙じゃな。


 もうちっと年寄りを労わらんか!!


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