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第十話:喫茶店

 今回は割とえっちぃ気もしますが、『なろう』でも大丈夫なレベルでしょう。(たぶん)


 判断基準が自分なので実はよく分かっていませんが、『ノクターン』ほど濃くはないです。


 それにしても、“そういう描写”を入れると筆が乗って文字数が増えてしまいますね。短くあっさりを意識していたはずなのに。



 冒険者ギルドにて、名目だけのニーティの冒険者登録と食事をさっさと済ませたあたしは街の知り合いに挨拶回りを兼ねて観光案内をしていた。


 知り合い連中は皆ノリが良く、田舎暮らしで色々と過去にあったであろうニーティであっても、あっという間に馴染んでいく。

 流石は“百合”のサバナの街だけのことはある♪


 からかわれたり褒められたり、そうしてあたしが恋人宣言をしていくことで驚く住人へのニーティの反応は、何だか外見相応の子どもみたいで愛らしいものだ。



「まぁ、案内すると言ってもかなり広い街だからな。

 一日で回れるところなんて限りがあるし、主要で馴染みの店を何件か回ったら家に帰って部屋の模様替えなんかするか?」


「う~ん、田舎暮らしの私からすれば、この街は見るものすべてが珍しいので模様替えとかはわざわざしなくてもいいですよ。

 インフィさんのことですから、二人暮らしをするならラブラブっぽさを感じさせるものを飾りたいとかそんな理由ですよね?」


「ふふふ、流石はあたしの嫁だな。

 その通りの理由で家の模様替えを提案したのさ♪」


 気分屋なあたしは気分で物事を決める。それ故にカラーリングに統一感を持たせたいというものだ。



「とりあえず、端から見て行こう。

 ニーティに見せたい物は沢山あるんだ」


「はい、インフィさんのエスコートを楽しみにしています♪」


 彼女の手を取り、跪いて甲にキスをする。まるで姫と騎士のような絵になる姿。……だと思っている。


 実は前々から結婚したら相手の女性にしてあげたかった行為なのだが、やはりこういう目立つ行為は人前に限るな。

 見渡せばあちこちで歓声が上がり鼻血を吹いている奴も少なくない。



「インフィさん。その過剰な演出って、自分の魅力を理解した上での行動ですよね?」


「ふふふ、分かるか?

 だがここまでの騒ぎを巻き起こしたのは、ニーティが幼いながらもあたしと肩を並べるだけの百合力を持ってることに気づいた奴が多いからさ。

 百合の街はきちんと女性の中身で判断してくれる。これがいいんだ♪」


「なるほど、私も気に入ってきましたよ♪」



 お互いに笑い合い、喜ばれながら街並みを歩いて行く。


 こりゃ~、今度の百合のイベントでは『おねロリ』ジャンルの漫画や小説が流行るだろうな。


 毎回あたしを題材にした作品が何本も出ていたし、恋人が出来た今年はどれほどになることやら……ニーティが出るなら全巻買いだな♪



 ◆ ◆ ◆



 そんなことを考えながらも、きちんとエスコートを続けてあたしとニーティの散歩は続いた。


 商店街にて晩の食材を買って家まで届けてもらい、そうして馴染みの店の中でも変わり者が営む喫茶店へとやってきていた。


 喫茶・幼女記。紳士淑女に向けて世界各国で禁書扱いされている書物を読むことの出来る喫茶店だ。



「ここの店主はかなりの変わり者だし、今まではあまりその考えに理解を持てなかったんだが、今のあたしなら分かる気がする!」


「インフィさんが言うほどに変わり者なんですか?」


「ん~、まぁ会えばわかるから、とりあえず中に入ってみよう♪」


 実際のところ、今のあたしはワクワクしているが、申し訳ないような気さえしている。


 ニーティにじゃないぞ? この喫茶店のマスターは友人なんだが、そいつの趣味に関する長話をこれまでは流して聴いていたからな。


 そんなあたしがニーティのような愛らしく未成熟かつ、あたしと同等の百合を伴侶に迎えただなんて知られたら……いや、いつかは知られるし早い方がイイだろう。


 なんせあたしはニーティを自慢しに来たんだからな♪



「うーっす! 邪魔するぜ♪」


 ワクワクの理由は店主の反応が気になるから。だからあたしは勢いよく入り口の戸を開けると元気良く挨拶から入る。



「ふむ、君の元気は相変わらず……、うむ、今日来た理由は君が手を繋いでいる少女か。

 いや、幼女? ……どちらにしろ、悪くない」


 喫茶店と言いつつ昼間から酒も出す薄暗い店内の奥。店主の趣味でもある楽器の山の中から出て来たのは『喫茶・幼女記』の店主、エーウェスト。



「久しぶりだね、インフィ。

 ようやく僕の語る百合少女の魅力に気づいたようで、なかなか悪くないね」


「ふふふ、エーウェストも相変わらず少女が趣味なようだな。

 あたしも以前までは女性に敬意を持ってはいても恋人にするなら大人のねーちゃんだと思っていたさ。

 だがこの子、ニーティはあたしが惚れた世界一の伴侶さ!」


 ようは自慢だな、と付け加えるとエーウェストはまたも嬉しそうに、くつくつと笑う。


 こいつは気持ちを音楽で表現するんだが、今演奏しているピアノの音色も落ち着きなく歓喜の様子が耳で分かるほどだ。



「えっと、インフィさんの恋人となったニーティと言いますです!

 よろしくお願いします!!」


「あぁ……、一人で興奮して悪かったね。ニーティちゃん。

 僕の名前はエーウェスト。幼い女の子たちが健全に百合愛を育める環境を作るべく、社会の歯車をしている一人の紳士さ」


 勿論、変態という名の、と付け加えるのがコイツ。


 男でありながら高い百合力を持つエーウェストの迫力に気圧されたのか、緊張気味のニーティ。


 ニーティも自分の百合力に自信はあったのだろうし、ここまでに出会ったあたしの知り合い連中もかなり高い百合力を持っていた。



「ところで、どうだろうインフィ。

 良ければニーティちゃんとのラブラブ百合えっちをしている様子を僕の前で繰り広げてはくれないか?」


「おいおい、そういうのはニーティに聞けよ」


 百合紳士としたことが、などと言って大げさな動作でニーティに謝罪をするエーウェスト。


 こいつのよく使う手だが、とにかく腰を低くして自分の望むものを目に焼き付けるために動く。

 男で百合だからこそ、ニーティと自分がどうにかなりたいのではなく、あくまで見て聞いて、全身で記憶する。


 そうした記憶を創作活動に活かしていくのがこの喫茶店のスタンス。


 だからこそ、こうも堂々と丁寧に頼まれればニーティには断るすべは無いだろう。



「……少しだけですよ?」


「おぉ、少しでいいんだニーティちゃん!

 悪くない。それで良いのだ♪」


 と、こうなった。



「それじゃ……インフィさん。

 私にえっちなこと、してもらってもいいですか?」


 何がどうして「それじゃ」なのか、などと無粋なことは聞かない。そんなことは置いといて、まずはえっちしよう♪



「エーウェストに見せつけるのが目的でもあるしな。

 でも裸はダメだ。ニーティの裸はあたしだけのものさ」


 小さく軽いニーティの身体を抱き上げると、服の上から彼女の胸のぽっちを撫でる。


 ビクッと震えたのを感じて何度か撫でるのを繰り返す。


 くりくりと指先に当たる感触が段々とぷっくり楽しく膨らんできているのを感じる。



「ふふ、エーウェストじゃないが、こういう趣向も『悪くない』な♪」


「んぅ、インフィさん。意地悪ですよ……あんっ!」


 ぷっくりと膨らんできたサクランボを指先で摘まむとそれだけで反応は撫でた時よりも強くなる。



「ほら、あたしに身体を預けていいから、もう少し感じちまいな?」


 種に染まって来た頬に舌を這わすと腹の下から熱が湧いてくるのを感じる。


 それはニーティも同じなのだろう。キュンキュンと切なげな表情も相まって、目の端に浮かぶ涙に快楽が滲んできていた。



「ん、ちゅ、んぅ……」


「はぁ、んぅ、はぁ、はぁ……、インフィさぁん。愛してま、す……んっ♪」


 舌を絡めながら唇を重ね、そうして唾液が糸を引きながら離れ、その糸を舌に巻き取りながら再び距離を零にする。


 時々、ニーティのお尻に回した左手を動かすと可愛らしい反応が返ってくる。もうこのままここでヤっちまおうかと思ったのだが、



「ぐふぅ! ま、待つんだイ、インフィ。

 そ、それ以上は流石に恋人同士、二人きりでするべきだ……!」


 ……そういえばこいつが居たな。


 自分の意思で押さえきれないほどの鼻からの大量出血を、自分の音楽の力で抑え込んでいるエーウェスト。



「……ふぅ、すまない。落ち着いてきたよ。

 どうやら君たち二人の愛は本物のようだね。悪くない……いや、良い!

 実に創作意欲が湧いてくる熱情溢れる光景だったよ」


「あぁ、ニーティは最高だろ?」


「そうだな、まるで夢のような光景だったさ。

 だからこそ、その場面に僕がいるのは百合を愛する者としてダメだ!

 僕は百合を愛する男である自分に誇りを持っているからね!!」



 よく分からんが、自分ルールを守ることでエーウェストの百合愛は形成されているとのこと。


 黙っていればこれ以上の光景も見られたというのに、それでも止めてしまう。だからあたしは、こいつのことを友だと思っている。



「インフィさん。私はもう火がついてしまったので今日はもう帰って続きをしませんか?」


 見ればニーティももう限界のようだ。潤んだ瞳から漂う色気はまさしく淫魔のソレだ。



「良かったよインフィ。それにニーティちゃん。

 今回は顔合わせというか、たぶんインフィがニーティちゃんの自慢目的で来たんだろうが、

 次に来るときは、もっとゆっくりしていくと良い。

 ここは何時でも幼女と百合を歓迎している喫茶店だからね」


 鼻血をティッシュで拭いながらエーウェストは満足そうに笑っている。



「じゃあ、また来るから今日の出来事をしっかりと妄想して作品に活かしてくれよ♪」


「あぁ、また来てほしい。

 そうしてロリ百合の魅力について今度こそ本気で語り合おうじゃないか、インフィ!」


 結局、喫茶店に入って茶の一杯も飲まずに帰ることになったが、一杯の茶よりも満たされるものを得た気がする。


 帰りの道中は腰が抜けたのか下半身に力が入らないニーティを抱っこしながら帰路となった。



「流石はインフィさんの友人ですね……、何と言いますか、凄い人でした」


「だろ? あいつが女だったらあたしが惚れていたかもしれない奴だからな。

 漢にだって百合力は宿る。良い勉強になったろ?」


「はい♪ また行きましょう♪

 ……でも、インフィさんは私のモノですよ?」


「勿論だ! ニーティだってあたしのモンだぜ♪」



 お互いに笑い合い、下腹に擦りつけられるニーティの熱にあたしの身体は火照りつつある。


 でも今は、帰ってからの二人きりでの愛の営みをお互いに待ち遠しく思っているあたしとニーティなのであった。


 よし、明日の朝まで徹夜で獣のように交わろうかな♪




 ~『喫茶・幼女記』~


 サバナの街でも知る人ぞ知る喫茶店。


 立地が悪いことと店主が男性であること、さらにロリ百合を愛するという性癖から女性客は多くはないが、店主エーウェストの百合力の高さに惹かれる男性客は少なくない。男だけの百合談義がたびたび開催されている。


 あくまで百合の女の子が好きなだけで、自分が少女とどうかしたい訳ではなく、またTS願望がある訳でもない。純粋に百合が好きなだけの変態という名の紳士。


 店内にはエーウェストの趣味である楽器が多数おいてあり演奏会はリクエストがあれば行われる。

 幼女の百合本を小説・漫画問わず創作し、また蒐集しているために店の壁一面に備えつけた本棚には図書館もかくやという書籍が数多く並べられている。


 本の売買は行っていないが店主が認めた者には個室で読むことが出来る。


 それと別の国に、触手の生息域付近にて焼き鳥屋を営むロリコンの兄弟がいるとか。

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