第一話:森での理屈
どうも、初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりとなるヨイヤサです。
ここ最近はずっと『ノクターン』での投稿とゲームを遊んでばかりだったので『なろう』での投稿は一年振りですが、今回は『なろう』でのギリギリまで百合にひた走ってみようと思っております。
作品のテーマに関しましては自身14作目の小説(2012年投稿)から5年ほど経過し、『ノクターン』での経験を活かしたら以前よりももっと百合百合出来るかと思ったからですね。
が! 『なろう』に合わせて直接的な描写を控えた結果、控えた部分にギャグ要素が入ってしまったので『ノクターン』作品のノリで読むと物足りないかもしれません。
一応、剣と魔法のファンタジー世界ですが、百合で! おねロリな! 全年齢向けの萌えろちっくラブコメディなのでバトルとかファンタジー要素は薄いですが、だからこそ百合好きな人には楽しんでもらえるように私自身も楽しんで書いております♪
では、百合がお好きでしたらお読みいただき、そうして楽しんでもらえればと思います。
「ん……んちゅ、んっ、んぷぅ……」
陽の光すらも遮るような大木が乱立した視界の悪い森の中。
人の暮らす領域とは大きく離れた大自然の真っただ中で、あたしは今、初対面の女の子にキスをしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……んむぅ!」
少女からは何の反応も返ってこない。だというのに、あたしは少女の小さな唇を貪るのをやめられずにいる。
何度も、何度も。魔物が襲ってくるかもしれないし、天候が荒れるかもしれない。周囲は木々で視界も悪く、不意打ちにも警戒しなければいけない危険な森で。
そんな場所に一人で立っていた女の子を自分の欲望のままに貪っていた。
女の子はうつろな瞳で立ち尽くすだけで、何の反応も返ってこない。体つきはやせ細って貧相で、幼く未熟な四肢は骨と皮ばかり。その身には襤褸を纏っているだけで、服としての機能は失われている。
だというのにあたしは、そんな薄汚れた少女がこれまでに見て来たどんな女性よりも美しく、心を惹かれてしまったのだ。
親元から離れて自立し百合に目覚め、性に奔放になって女遊びをして、自由を謳歌して。
一人前の冒険者と周りから認められるようになって今日までに感じたことのない興奮を目の前の少女に覚えた。
何でまた初めて会ったばかりの少女に欲情しちまっているんだろうか? 性的魅力に溢れた女性なら、これまでに何人も抱いてきた。
これが恋なのか?
だが、ふと我に返ると自分がやったことがあまりにも非現実的で、それも相手の了承も得ない獣のような野蛮な行為をしたことに血の気が引く思いがした。
「……すまん! あ、あたしってば君にいきなりこんなことッ!!」
慌てて話した唇からは唾液が糸を引いて零れた。
改めて少女の顔を見ると、あたしの顔をジッと見ていた。
その表情はあたしを咎めるでもなく、蔑むでもなくジッと。観察するように見つめている。
そうして言ったのだ。
「やっと……、見つけた」
少女は、そう一言呟くと笑ったのだ。
花が咲くように頬を朱に染め、嬉しそうに涙を浮かべてあたしを見ながら、確かに笑った。
その笑みに、あたしまで何だか嬉しくなって少女の細い身体を両腕で力強く抱きしめた。
決して傷つけないように、されど逃げないように。勢いで強姦まがいの行為に走ったあたしを少女は受け入れてくれたのだ。
この子が欲しい。そう思った。
少女もまた、あたしを欲してくれた。
言葉は少なくとも、お互いに瞳に感情を浮かべて理解し合ったのを感じ、お互いの背中に回された両腕で感じた。
そうしてあたしは分かったんだ。
この子こそが、あたしが生涯愛する伴侶となってくれることを。
~キャラ紹介:主人公インフィ~
世界有数のS級の女性冒険者。百合。実はまだ二十歳。けっこうバカ。
高身長にスラリと伸びた四肢、肉付きの良い豊満なバストと見事なくびれを持ち、性に開けっ広げな性格で遊んでいたが、生まれて初めての恋をしたのだった。
バトル要素がないのに主人公が無駄に強いのは毎度のことですが、人間とは思えぬ身体能力を有する。
投稿初日は二話同時更新なので詳しくは次話で。
ストレートにえっちな作品が書ける『ノクターン』とは別のえっちな作品にするならば、どんな要素を足すかで考えた結果ラブでコメディな展開になったんですよね♪