第三章 color of sign
3話 color of sign
僕は、緑たちと一緒に美術室に来ていた。
美術部に入部するためである。
と、その時、部屋から色王先生が出てきた。
「おっ、君たちはA組の子じゃないか。美術部に入部希望かい?」
「いや、見学だけでもと思いましt「「はい!私たち三人とも入部希望です!」
「はっはっはっ!そうかい!ようこそ美術部へ!僕は用事があるから、あそこの先輩に挨拶しておきなさい!それじゃあね!」
先生はそう言って、颯爽と去って行った。
なんとゆうか、楽しそうな先生である。
そして緑。押しの強い子になったなぁ。
部室に入ると、絵の具特有の少し油の匂いがした。
僕が部長と思わしき先輩に挨拶すると
部長は低く小さな声でこう言った。
「美術部へようこそ、君達は何色?」
一瞬何を言ってるのかわからなかったが、おそらく好きな色を聞いているのだろう。
「ぼ、僕はオレンジが好きです。」
「わ、私は緑っ」
「僕もオレンジですよー!」
と、各々が好きな色を言うと、部長は怪訝そうな顔をして、
「違う。俺が聞いているのは好きな色じゃない。君たちの色を聞いているんだ。
もしかしてまだ計測してない?」
計測?君たちの色?意味がわからない。
とりあえず、計測なんてものはやってないから言っておこう。
「まだ、計測してないです....」
「そうかい。じゃあちょっとついてきてくれ。」
「は、はい」
部長についていくと、なんだか不思議な部屋に着いた。
四角だけど丸い。だけどひし形をしている。
そんなよくわからない部屋の中央に、ぽつんと、指輪が置いてある。
部長は、それを一つずつ僕達に渡すと、橙喜から順につけることを促した。
橙喜が指輪をつけると、驚いたことに、透明だった指輪の装飾が、炎のようなオレンジに染まっている。
「ふむ、君はオレンジか。しかもかなり綺麗なオレンジだ。君はーーー才能があるかもしれないな.....」
と、特に驚いた様子も無く言った。おそらくこれがさっき言っていた計測ってやつなんだろう。しかし、色が変わるって、すごいトリックだな。
次に緑が指輪を付けると、一瞬指輪が光って、美しいエメラルド色に染まった。
「なるほど。君は名前の通り緑色か。美しい色だ。君も才能があるかもしれないね。」
先ほどよりつまらなそうに部長が言った。
残るは僕だ。この色がどういう意味なのかはわからないが、おそらくここでの色は美術部に入るに当たって大事なものなんだろう。
そう思いながら、僕が指輪をはめた。すると、指輪は一瞬光り......白に染まった。
まるでウエディングドレスのような純白。透き通った白。
それを見て部長は驚いたように顔を引きつらせたが、すぐに顔を戻し、
「白か。君、名前はなんて言うんだったかな?」
「え、えと、明白 染....です。」
「明白....か。なるほどね。」
部長はしばらく黙り込んだ後、パッと顔をあげて
「その指輪は部活動中はずっとつけておくこと。さ、それじゃあ、“部活”を始めよう。」
そう言って美術室のドアを開けたのであった。