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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第12話「秋の忍び里」
94/212

その6

「な、なんだっ!?」


 ロバートが叫ぶ。同時に、部屋の襖を開けて一人の忍が現れた。


「おんばあ様! 奴が現れました!」

「そうかい、きたかい」

「場所はどこだ! すぐに案内しろ!」


 ロックが目の色を変えて走ってゆく。シェリルがあたふたしている。


「そんな……おんばあ様! あね様とあに様が、戦うというのですか!」

「シェリルや、さっきはおまえさんをかばったがね、これについては里の問題なんだよ」


 シェリルは大きく首をふった。


「私、いやです……いやです、そんなの!」

「シェリル!」


 シェリルは振り返って駆けだしていった。コリンがそれを追いかける。

 ハヤトは立ち上がってフローラに言った。


「フローラさん……。事情はよくわかりませんが、秋の精霊との契約には、障害があるということですね。だったら、俺もロックさんを手伝いに行きます」

「好きにしなさい。……もっともハヤトさん、あなたにできることはないと思うがね」


 それを聞いてパーティ一行が立ち上がる。

 口火を切ったのはミランダだった。


「っだーもう! 難しい話はいいんだよ! とにかくそいつをぶっちめりゃあいいんだろ! 行くよみんな!」


 全員が返事をし、走ってゆく。

 フローラはただ腕を組んで、その様子を見ていた。



 ロックは手下の忍者に連れられて、屋敷を駆ける。外に煙が見える。どうやら爆発したのは庭のようだ。


「奴はどっちに行った!」

「わかりません、ですがこの屋敷のなか」


 手下の言葉をそこまで聞いたところで、ロックは直刃の忍刀を抜き、手下を地面に叩きつけた。

 直後、ロックに向かって鉄の針が無数に飛んできた。彼は刀を素早く振り回し、それらをすべて弾く。


 ロックは天窓に足をかけ、針の飛んできた方向に鉄の板、手裏剣を投擲する。同時に足に力を込め、大きく跳躍して中庭へ飛んだ。


 松の木の陰に誰かがいる。ロックは手裏剣を投げ続けながら腰を低くし、そちらへ走る。

 ロックは大きく息を吸い込んだ。


「『火遁・猛炎弾もうえんだん』!」


 ロックの口から炎の弾が飛ぶ。それに気づいた相手は、二本の剣を抜いて叫んだ。


「『火遁・双炎牙そうえんが』」


 炎と炎がぶつかり合い、突風が起こった。

 それでもひるまず、ロックは刀を向けて相手に向けてふるった。


 金属がぶつかりあう音が、その場に響く。


「……なぜだ」


 距離を取り、ロックが言った。


「なぜお前が神器を狙うのだ。答えろ、アンバーッ!」


 双剣を構えるアンバー・メイリッジが、鋭いまなざしで彼を見据えていた。

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