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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第1話「裸の金髪少女と蒼きつるぎ」
9/212

その5(終)

 マヤはおそるおそる目を開く。


 オウルベアが、立っている。さっきの男は……。

 そのすぐ前にいた。位置は、直前までと何も変わっていない。

 だが、男が何かを握っている。さっきまでの木の棒ではない。

 マヤはそれを見て、はっとした。


「あれは……!」


 隼人が目を開く。自分の目の前にいた化け物が、胴からまっぷたつになってごろりと倒れた。

 その右手には、うっすらと青く輝く剣が握られていた。


「け、剣……?」


 残りニ体のオウルベアがそれを見て声をあげる。仲間を殺された怒りか、それとも隼人の持つ剣と、同色に輝く眼に反応したのか。オウルベアたちは隼人に向かって突進した。


 隼人には、なぜかそれがスローモーションで見えた。


 なんとなくわかる。この剣なら。


 隼人は輝く剣を正眼に構え、オウルベアの突進に合わせてそれを振るった。

 しゅん、という音とともにオウルベアの体がまっぷたつに斬れる。

 もう一体が同じようにして迫ってきたが、隼人が頭を突くと、顔が吹っ飛んで絶命した。


 隼人はモンスターたちが消滅していくのを見届けると、剣をじっくりと見た。

 特にそれらしい装飾はない。見た目はさっきマヤが振るっていた剣によく似た、西洋のつるぎだ。

 しかしその刀身を青白い輝きが、オーラのように包んでいる。刀身そのものも、太陽光を受けて青く反射していた。きのせいか、ところどころが少し傷んでいるように見える。


 隼人はマヤを見た。

 彼女は口をあんぐりとあけて呆然としていた。隼人はちょっぴり笑ってしまった。


「はは。か、勝てたな」


 マヤはそれに反応せず、信じられない、と言ったふうにつぶやいた。


「あ……『蒼きつるぎ』……!」

「へ?」

「ど、どうしてあなたがそれを……!? あなたは一体、何者なの……?」


 運命が、動きだした。

【次回】

少年は、魔王と出会う。

次回「俺が勇者で妹魔王」ご期待ください。

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