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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第11話「砂上の遺跡」
86/212

その11

 雨の中、小さな少女が泣いていた。

 辺りには瓦礫の山が散乱している。


「お母さん……お父さん……」


 少女はうわごとのように、同じことを言い続けていた。

 目の前には、おそらく屋根だったであろう煉瓦が、ばらばらに積み重なっていた。


 羽のついた人型のモンスターがそれに気づき、彼女の背後へと歩いてゆく。顔を上げて振り返った少女は、悲鳴を上げた。


 だが、モンスターは次の瞬間、縦に割れるようにして消えた。


 すぐ背後で、鎧を着た黒髪の少女が、剣を地面に叩きつけるようにしていた。

 黒髪の少女は、悲しげに言う。


「ごめんねコリン、間に合わなかった。ごめんね……あなたたちに助けてもらった恩を、返せなかった」


 それまで泣いていたコリンは、彼女に向かって走り、抱きついた。


「お父さんが……お母さんも……」


 黒髪の少女は腰をおとし、彼女を抱きしめた。


「ごめん……! でも、私が全部、責任をとるから。この街とあなたは私が、絶対に守るから……!」


 さっきのモンスターが数体、彼女たちの元へと飛んできた。

 黒髪の少女は、コリンをぎゅっと抱いたあと、彼女を物陰に押しやった。

 少女は、剣を構える。

 その瞳が、少しずつ蒼い光を伴っていく。


「あなたたちだけは……絶対に!」


 少女の持つ剣が、変質していく。

 コリンが叫んだ。


「ソルテスっ!」


 「蒼きつるぎ」を手に取ったソルテスは、地面を飛び上がってモンスターに向かっていった。

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