表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イモータル・マインド  作者: んきゅ
第1話「裸の金髪少女と蒼きつるぎ」
8/212

その4

 右、左、後ろ。

 三匹の獣が、うなりながらこちらを見ている。


「ど、どうするんだよ」


 隼人が言うが、返答は返ってこない。マヤは少しふるえているようだった。


「オウルベアが、三体……これじゃ、勝ち目が……」

「さっきみたいな電撃で、なんとかならないのか?」

「見たばっかりでしょ。私の“魔力”じゃ通用しない。終わりだわ……」


 先刻まで見せていた気の強さはすっかりとしぼみ、マヤは震えた声で言った。

 オウルベア三体は、それを楽しむかのように、ぐるぐると周囲をまわって二人を囲む。

 マヤはおびえて言葉も出ない。

 だが、隼人は足下に落ちていた木の棒を拾った。


「くそっ、こんなわけのわからないまま終わりだなんてたまるかよ……!」

「あんた、この状況わかってるの……? 無茶よ……!」

「だからって、何もせずにやられるのを待つのか。俺はそんなの、ゴメンだよ」


 そうは言っているが、隼人の足はがくがくとふるえている。マヤはそれを見て、うなづいた。


「そうね……。やってみましょう。私が電撃を撃つから、あんたは合図に合わせて突進して。うまくすれば逃げるくらいはできるかもしれないわ」

「そうこなくちゃ」


 オウルベアが少しずつ輪をせばめてくる。マヤは腕をクロスすると、その手に青白い“魔力”があふれた。


「左目に傷がある奴をねらうわ。三数えでいくわよ!」


 隼人がうなづく。


「いち、にの……」


 マヤは腕をオウルベアに向ける。隼人は足に力を込めた。


「さん!」


 マヤの腕から火花が散り、どんという音とともに電撃が走る。隼人は大声をあげて目に傷のあるオウルベアへ向かっていった。


 だが、現実は甘くなかった。

 マヤの動きを見ていたオウルベアは、立ち上がって電撃をかわした。

 マヤは目を見開いた。


「しまった!」


 隼人はストップしようとしたが、オウルベアが立ち上がったままその腕をあげた。

 攻撃が隼人に迫る。


「う、うわああああっ!!」

「危ないっ!」


 そのとき、光があふれた。

次で第1話終了です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ