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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第1話「裸の金髪少女と蒼きつるぎ」
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その3

「な……」


 隼人は言葉を失った。熊? 似ているが、違う。何よりも熊よりも大きく、腕が鳥の翼のようになっている。化け物は敵意をむき出しにして、真っ赤に輝く瞳をこちらに向けている。


「オウルベア……どうしてこんなところに!?」


 マヤが驚いた様子で言った。


「な、なんなんだよ、こいつ。ちょっとふつうじゃないぞ!」

「確かに変ね。こんなところにモンスターが出るなんて」

「モンスター? な、なんだよモンスターって」

「気をつけて、来るわよ!」


 オウルベアは大きなうなり声をあげて、こちらに突進してくる。

 隼人は恐怖とパニックで身動きすら取れない。

 眼前まで迫ったところで、オウルベアの顔面に火花が走った。

 マヤがまた電撃を放ったのだ。


「なにやってるのよ、逃げるわよ! 二人で勝てる相手じゃないっ!」


 オウルベアがひるんでいるすきに、マヤは隼人の手を取り、駆けだした。



「なあ、おい、説明してくれ! 一体ここはどこなんだ! 一体なにが起こってるんだ!?」


 走りながら隼人が叫ぶ。すぐ横を走るマヤは不思議そうに彼を見る。


「あんたこそなんなの? さっきからちょっとおかしいわよ」

「おかしくもなるよ! 真矢が金髪で、電気を撃って、剣で襲いかかってきて、果てにはモンスターだって!? どうしちまったんだよ俺の頭!?」


 マヤの頭にハテナマークが浮かぶ。しかし彼女はすぐにかぶりをふった。


「落ち着きなさい。とにかく、こうなったからには協力しましょう。剣もなくなっちゃったし、逃げることしかできないけど……オウルベアの足は遅いから、なんとかなるはずよ」

「ほんとかよ?」

「大丈夫よ」


 その時、すぐ先の草むらが揺れた。

 オウルベアだ。

 マヤの表情が変わった。


「……囲まれたりしなきゃ、の話だけど。右に曲がって!」


 二人はオウルベアを左手に見ながら右に曲がる。

 がさ。また草むらがゆれる。嫌な予感がした。

 またしてもオウルベアだ。


「嘘でしょ!?」


 マヤが足を止めて叫ぶ。

 二人はオウルベア三匹に囲まれてしまった。

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