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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第7話「女教師と剣の道」
41/212

その1


「いやはや、助かった」


 青白い光に包まれた暗い空間の中で、ビンスは笑った。

 まだ頭部から流血しており、衣類もめちゃくちゃだ。

 すぐ目の前では、金髪を肩までおろし、真っ赤なローブを羽織った青年が見下したような視線を向けていた。


「ったくよ、てめーはトロいんだよ。本当は助けるつもりもなかったけど、情報を持ち帰ってもらわなきゃ困るからな」

「ぶはは! 相変わらずのツンデレキャラだねぇ。ファロウからここまで移動するの、ホントは疲れたでしょ」

「……マジでぶったたくぞ、てめえ」


 ビンスは大笑いしながら回復魔法で自分の傷を癒しだした。


 その時、先にある大きな座椅子が光り、ビンスの傷が一瞬にしてすべて治ったどころか、破れた衣服までが元通りになった。


 赤いローブの青年がそれを見て舌打ちする。

 ビンスは、にっこりと笑みを浮かべた。


「ありがとう、ソルテスちゃん」


 椅子には、赤い髪の少女……ソルテスが腰掛けていた。

 彼女は無表情のまま、頷いた。


「ソルテス、“魔力”の無駄だ」

「おうおう、妬いてるのかい?」

「いっぺん燃えるか……?」


 青年は“魔力”を練りだした。

 ビンスはあわてて手をふる。


「いやいやいや、僕が悪かった。やめておくれよ。ここら一帯を火の海にされちゃ困るからね」


 青年は咳払いして、ソルテスのほうへと歩いていった。


「……それで、どうだったビンス・マクブライト。やつの『ゼロ』は」


 ビンスはにやけながらも、目を鋭くさせた。


「まるで、でたらめな力だよ。正直殺されるかと思ったね。でも、まだ使い方をよくわかってない感じだ。“魔力”にもむらがあったけど……仲間を一人殺したら一気に変わったよ。レベル五の『ドール』が一瞬でやられたわけだから、第三段階くらいまで行ったんじゃないかな」

「早いな」

「いやいや、あれは一時的なものだと思うよ。……でも今後、彼の『ゼロ』はどんどん成長するだろう。宝玉は、無事に破壊したようだ。あの分だと、たぶん“魔力”を使い果たしてブラックアウトだろうけれどね」


 金髪の青年は少し心配げに、ソルテスを見る。


「ソルテス、それでいいんだな……?」


 ソルテスは、彼を見ずに頷いた。


「うん。ありがとう、グラン」

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