表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イモータル・マインド  作者: んきゅ
第5話「肉食系お姉さんと謎の障壁」
32/212

幕間「ルー、マヤと子作りする!?」

「あぁん……うん……はん……」


 その夜、寝転がった状態のまま、ルー・アビントンは硬直していた。

 目の前では、自分を掴みながら悶えるマヤが眠っている。


 ルーはしばし口を三角にして絶句していたが、やがて体をよじって脱出を試みた。

 しかし、マヤは余計強く、ルーを抱きしめた。


 マヤの顔が接近する。表情は苦悶に満ちており、唇が濡れていた。

 ルーの頭部分についた耳は、大きく逆立った。


 ルーは、祖母の言葉を思い出していた。


 寝ころびながら抱きしめあう。

 それは子作りの第一歩だと。


「子、子作り……?」


 ルーは、思わずつぶやいた。

 そうとしか思えない。マヤが自分と子作りを始めようとしている。


 しかし、ルーの本来のターゲットは、たき火の横で馬車に寄りかかってうとうとしているハヤトであり、マヤではない。


「マ、マヤ! 違うの。早まっちゃいけないの! ルーはハヤトと……」


 しかし、マヤは彼女をより強く引き寄せた。


「ふおおおおっ!」


 マヤの胸がぎゅぎゅぎゅ、と顔面にぶち当たる。

 ハヤトを呼ぼうとしても、声すら出せない。

 たき火の向こうでは動物のうなり声のようないびきが聞こえる。

 きっとミランダだろう。ロバートも近くで眠っているはずだ。


 このままでは子作りが始まってしまう。

 なんとかしなければ。

 とりあえず、マヤの手から離れなければならない。


 ルーは、再び祖母の話を思い出した。

 望まぬ子作りに巻き込まれそうになった際には、相手の股間にある棒をつぶすつもりで強く握ればよい。


 ルーは手をのばして、マヤの股にあるはずの棒を探す。


 ない。


(ど、どうすればいいの……)


 ルーは恐怖した。そういえば自分にも棒はない。子作りの際に出てくるものだと思っていたが、違うようだ。


 だが、ルーは祖母の言葉を信じたかった。

 棒を必死に探し続け、マヤの体を手で探る。


(ぐぬぬ……どこ……? どこなの……?)

「うんっ……んんっ……そこはっ……!」


 マヤがぴくぴくと悶える。

 彼女の柔らかい胸がさらにルーの顔面を強く押すので、ルーはもう片方の手でそれを思い切り押し返す。


「あっ……ああっ……!」


 マヤがさらに強く反応して、少し手をゆるめた。

 ルーはこれだ! とばかりに胸を強く掴んだ。


「んぐっ……はあっ……」


 マヤの息が荒くなる。

 ルーは必死に胸を掴んでは離し、を繰り返す。


 だがその時、彼女の体が突如として宙に浮いた。


「……おチビ、さっきからごそごそとうるさいぞ。遊んでないで早く寝ろ。明日にはファロウに着くぞ……ふぁ」


 彼女のフードを掴んだのはロバートだった。目が半開きだ。


「違うの。マヤが……マヤがルーと子作りしようとしたの」

「寝ぼけてるのか? ほら、子どもはさっさと寝ろ」


 ロバートはルーをたき火の近くまで運び、布団をしいてやった。

 ルーは、そこではっと思い出した。


「そういえば……胸……胸が膨らんでたの。マヤはルーと同じメスだったの……心配して損したの」


 ロバートはすでに自分のふとんをかけて眠りこけていた。



 一方、悶えたままのマヤは、ごろごろと転がって、こくりこくりと頭を揺らしていたハヤトにのしかかった。


「う、うわっ!?」


 驚いて目覚めたハヤトは、すぐにルーと同じような表情で硬直した。

 マヤの服がはだけ、ほとんど全裸に近い状態だったからだ。


 ほどなく、マヤの目が開く。


 沈黙。

 ハヤトはおそるおそる言った。


「い、いやあ、何度見てもいいおっぱ」


 マヤの悲鳴と電撃魔法が夜空に轟いた。

第6話は次回からです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ