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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第5話「肉食系お姉さんと謎の障壁」
31/212

その6(終)

「でも、よかったわね。無事に『蒼きつるぎ』が出せて」

「う、うん……」


 ハヤトはどもりながら言った。御者席のマヤは首をひねった。


「おい、ハヤト!」


 ミランダが後ろから顔を出した。ハヤトは険しい表情で硬直した。


「ハハハ。さっきは悪かったね。つい、興奮しちまって」

「え、何? 興奮って?」

「なっ! なんでもないよっ? 何もなかったから!」


 マヤが聞こうとしたが、ハヤトは必死にまくしたてた。ミランダはにやりと笑う。


「どうやら嫌われたらしいね。だが見てろ」


 ミランダはハヤトに耳打ちした。


「お前は、アタシのもんだ。絶対にお前をアタシの虜にしてやる……『蒼きつるぎ』の勇者」


 ハヤトの背中に、ぞくりとするものが走った。

 ミランダは後ろの席に引っ込んでいった。

 マヤは、それを怪しげに見る。


「なに。いまの」

「な、なんでもないって」

「じゃあなんでそんなに歯切れが悪いの? も、もしかしてハヤト君、私たちが障壁を調べてる間にミランダさんに……やっぱり変態……?」

「違うっつーの!」

「ちがうっつーの!」


 なぜかルーが反芻した。

 

「おい、ミランダ」


 ロバートが腕をくむ。


「なんだよ」

「その……ハヤト君に、惚れたのか」

「まあね。だってカワイイだろ? それに『蒼きつるぎ』だよ」

「……構わんが、男女たるもの、まずは純潔な交際を経てだな……」

「けっ、お前さんは古いんだよ。欲しいものは腕づくで手に入れるのがアタシのやり方さ」

「全く、お前ときたら。でもファロウに戻ったら仕事があるんだからな。もう四日も空けてしまってるんだ、早く戻らないと」

「ああ、そうだったな……まったく、あのクソ魔導師……次は蹴り飛ばしてやるぜ」


 馬車は道を急ぐ。

【次回】

少年は、魔王の悪意に出会う。

深刻に、深刻に。運命は進んでいく。

次回「魔術師ビンスとファロウのほこら」

ご期待ください。

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