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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第4話「ケモ耳少女は子作りしたいの」
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その6

 ハヤトの持っていた鋼鉄製の剣が、青い光を伴ってみるみるうちに姿を変えていく。

 ルーはぽかんと口をあけた。


『なっ! なんだっ!? 何が起こっている!』


 謎の声は動揺を隠せなかったようだった。


「この世界にも慣れてきたところだ、説明してやるよ。こいつは悪しきものを破壊する剣……『蒼きつるぎ』って言うらしいぜ」


 ハヤトは幅広の刀身を持つ、「蒼きつるぎ」をぶんと振った。


『「蒼きつるぎ」だと! 悪名高いあの剣が復活したというのか!?』

「そうだよ。マヤ。ルーちゃんを連れて外に出てくれ」

「こ、この子も連れて行くの?」


 困惑するマヤをよそに、ハヤトは笑顔で頷いた。


「ああ、頼むよ。ぜんぶ、ぶっこわすから」

『ぶっこわす!? 壊すと言ったのか!? 人間風情が笑わせてくれる。強大な“魔力”で囲われたこの館が、人間なんぞに……』

「笑ってろよ。剣よ! 俺に力を貸せ!」


 ハヤトが気合いを入れると、剣が呼応するかのように輝きを増す。マヤに抱えられたルーは、それをぼおっと眺めていた。


「すごい“魔力”なの」


 剣の刀身が巨大化し、ドラゴンを斬った時と同じ大剣へと姿を変えた。


「あんたが何者かは知らねえし、どこにいるかもわかんねえけど……確かなことがある。あんたが少女をこき使うひどい奴だってことと、この屋敷の柱を妙に大事にしているってことのふたつだ」

『き、きさまっ!』


 ハヤトは、周りに立っている柱をいくつか見やる。

 柱から“魔力”吹き出て輝き出し、障壁のようなものが作られた。

 かと思えば、皿やナイフ、ろうそく台など、家具と思われるものがハヤトへと向かって飛んできた。

 彼は剣を一薙ぎして、それらを破壊した。


「やっぱね。読めたぜ」

『わかったところでわしの魔法障壁が破れるはずがない! やれるものならやってみよ!』


 ハヤトは両手に抱えた剣を床に思い切り突き刺し、叫んだ。


「剣よ! 全部ぶった斬れ!」


 瞬間、「蒼きつるぎ」の刀身が次々に枝分かれし、四方八方へと向かった。

 刀身は障壁を軽々と突き破って柱に突き刺さる。

 男の悲鳴が響いた。


「まだ終わりじゃねえぞっ!」


 ハヤトの体が浮かぶ。ぐぐぐぐ、と、剣がねじれる。

 屋敷の中がきしみながら、だんだんゆがんでいく。


『や、やめろおっ!』

「吹き飛べっ!」


 「蒼きつるぎ」とハヤトは、そのまま猛烈な勢いでぐるりと一回転する。

 屋敷に無数の切れ目が入り、飛散した。

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