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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第16話「ザイドの聖域」
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その6

 ミランダ、コリンの両者が出口から消えたことを確認したハヤトが、声を上げる。


「……もしかして、うまく行ったのか?」

「そうみたい、ですね。何が原因なのか、わかりませんけど」

「“魔力”の相性なの」


 ルーが言う。


「ミランダは“魔力”が薄いけど火、コリンは水なの。相性、最悪なの」

「要するに、相性の悪い二人だったらこの障壁を突破できるってことなのか?」


 ロバートの問いかけにルーは首をふった。


「そういうことじゃないの。今いる七人を相性別に分けると、そうなるの。ロバートとルーは、木と風で、相性はまあまあなの。でも最高ではないの。ロバートの場合はシェリルの土と相性抜群なの。だから次は二人なの」

「ルー、説明がよくわからねえぞ」

「相殺、ですね」


 シェリルが言うと、ルーは今度は頷いた。


「そうなの。ぶつけあうか、いっしょにして、しょーへきを元に戻すの」

「……つまり、それぞれの人間が持つ生まれつきの属性をかけ合わせて、障壁の歪みを矯正するわけですね。なるほど、それだったらつじつまが合いますね」

「シェリルはよくわかってるの!」


 二人は頷きあっていたが、ハヤトたちにはさっぱりだった。


「でも、それだと一人ここに残ることにならないか?」

「心配ないの。ルーは風と相性のいい火と相性の悪い土を両方出せるの。二人とも光のハヤトとマヤが行ったあとで、ルーは一人で行くの」

「……大丈夫か? もしかして魔王軍の罠じゃないのか?」

「その話は、さっきしたばっかりなの。『俺たちは、進むしかない』って、ハヤトがかっこよく言ったばっかりなの」


 ルーはにっこりと笑う。

 ロバートはそれを見て、頷く。


「お前、こういう時は頼りになるよな」

「今更気づいても遅いの。ルーにはハヤトがいるの」

「わかってるって。よっしゃシェリルさん、そうと決まったら行こう。ミランダたちが待ってるぜ」

「は、はい」


 シェリルは若干恥ずかしがりながらも、階段を登って消えていった。


 それを確認してから、ハヤトとマヤが並ぶ。


「マヤ、大丈夫か?」

「ええ……」


 マヤは力なく言った。ハヤトは、あえてそれ以上声をかけなかった。


「ルー、待ってるからな」

「うん、二人が行ったらすぐ行くの」

「ありがとよ。お前がこのパーティにいてくれて、助かった」


 ルーは、それを聞いて真顔になった。

 が、その後きゅうに顔を赤くした。


「は、はやく行くの」


 ハヤトとマヤが姿を消したことを確認してから、ルーは、はあと息をついて、階段に足をかけた。


「さて、ここからどう出るのか、お手並み拝見ってところかしらね」


 ルーは“魔力”を展開させながら、ドアへと入っていった。

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