表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イモータル・マインド  作者: んきゅ
第15話「再会」
139/212

その11

「ルー、大丈夫か!?」


 着地しながら、ハヤトが言う。

 彼に抱き抱えられたルーは、なんだか眠たげだった。


「……ハヤト?」

「『ブレイク』したからって無茶するな! 相手は魔王軍だぞ」

「ルー、なにかしたの? ルーは寝てたの」


 首をひねるハヤトだったが、着地をねらってモンスターたちが押し寄せて来た。


「ちいっ!」


 ハヤトは「蒼きつるぎ」をひと薙ぎして、それらを消し飛ばす。


「とにかく、ルーはマヤを頼む。この先の突き当たりを右に行った民家の中だ。残りのモンスターとビンスは俺がやる」

「ハヤト、ひとりで大丈夫なの?」


 その時、轟音と共に、大きな人型のモンスターが三体ほど現れた。


「だめだ、サイクロプスが三体集まっちゃ、何人いても止められねえ!」


 おそらくこれまで一つ目の大型モンスター・サイクロプスと戦っていたであろう兵士たちが、その後方で騒いでいる。


 ハヤトは身じろぎせず、ルーを立たせると、静かに言った。


「ひとりじゃないさ」


 次の瞬間、彼の前に一人の少女が現れ、目の前で着地した。

 少女……コリンは、両手をばっと開き、顔の前で腕をクロスさせた。


「通さない」


 コリンの指先が、一瞬輝いた。

 彼女はサイクロプスに向けて指をきりきりと動かす。


 すると、周りの地面が線上にはじけてゆき、サイクロプスたちの動きが突然止まった。

 三体のモンスターは、ずずずとコリンの正面に向かってひきずられてゆき、まるで何かで縛られたかのようにして、その体を押しつけあった。


「消えろ」


 コリンが、腕を開く。

 サイクロプスたちの体に、無数の筋が浮かんだかと思うと、一瞬にしてバラバラに散った。


 ルーが思わず騒ぐ。


「すっ、すごいの! コリンも、『ぶれいく』したの!」


 コリンは、少しだけ頷いた。


「魔法は嫌いだけど、これは気に入った。これがあれば、守れるから……」

「コリン、行こう。ビンスをその能力で捕まえられれば、情報が聞き出せるかもしれない。もうこれ以上、あいつらの好き勝手にはさせない!」


 二人は走っていった。

 ルーはそれを見送ったあと、首をひねった。


「ルー、どうして空を飛んでたんだろう?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ