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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第15話「再会」
132/212

その4

 一人の男が、倒れるようにして酒場に入ってきた。


「おい、どうしたんだあんちゃん」


 店主が近づくと、男は息を荒くして叫んだ。


「に、逃げろ!!」

「なんだ、酒の飲み過ぎか? 水でも飲むか」

「違うんだ! みんな今すぐ逃げろ! じゃないと……!」


 男が言い終わる前に、ずしり、と地鳴りが起こった。酒場の人間たちがどよめく。

 ハヤトとマヤは、顔を見合わせた。

 二人にとって、覚えのある感覚だった。

 それも、悪い意味で。


「やばいんだ……。ドラゴンが……! ドラゴンが空を飛んでるんだよッ!」


 ハヤトたちは飛び出すようにして席を立ち、店の外へと出た。


「こ、これは……!?」


 街を歩く人間が、全員空を見上げていた。

 それに倣うと、夕焼け空にいくつかの輝きが見えた。


 ハヤトは思わず声を上げた。


 三体の飛龍が、円を描くようにして空を飛んでいたのだ。


「あ、ありゃあ、マジにドラゴンなのか……?」


 ロバートがつばをのみ、多少どもりながら言う。

 無理もないことだった。ドラゴンはかつて堅守を誇っていた城塞都市ベルスタでも、特A級の危険モンスターとして警戒されていた。彼自身も、ここまで近くで見るのは初めての経験であった。


 だが、ドラゴンたちは空を延々と飛び続けるだけで、何をするという訳でもない。

 驚いて状況を見守っていただけの人々がそれぞれ、何か行動を起こさなければと思い始めた頃、再びさっきと同じ地鳴りが街中に響いた。


「なんだっ!?」

「し、城の方だ!」


 人々の視線がザイド城へと映る。

 

 そして、彼らは見た。

 巨大な赤いドラゴンが、城の外壁を突き破って出てくるところを。

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