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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第15話「再会」
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その2

「勇者ハヤト・スナップは、君の目にはどう映ったかな、シェリル?」


 中庭への通り道を歩く途中、ルドルフがふと言った。

 シェリルは先頭を歩く彼を見る。


「ぱっと見は少し頼りない感じもしますけれど、お強い方です。『蒼きつるぎ』ももちろんですけれど、それ以上に、心が強い方だと思います。彼をサポートする仲間の方々も、ミランダさんを始め、腕利きの方ばかりです」

「ほう、ずいぶんと肩を持つようになったね。最初はあれだけコリンと疑ってかかっていたというのに」

「はい。その考えは、間違いでした」


 ルドルフは目をぱちくりさせて振り返った。

 シェリルは、彼をまっすぐに見つめている。


 一体、なにがあったっていうんだ?


「意見を尊重しよう。ではコリン、君はどうだ」


 コリンは視線をはずした。


「……ハヤトに関しては、シェリルの言う通りだと思います」

「では他のメンバーは、どうなんだ?」


 コリンはひとテンポおいてから、言った。


「マヤは生真面目すぎるきらいがありますが、ハヤトのサポート役としてだけでなく、単独戦力としても魔王軍に対抗できます。ルーはガキですが、ま、魔法の……天才だと思います。ロバートは、ぜんぜんダメですが、チームのムードメーカーです。ミ、ミランダは……魔法を無効にできる力があり、あのパーティで最も重要な戦力です」


 ルドルフも、シェリルも立ち止まった。

 コリンも、自分で言っていながらちょっぴり意外そうにしていた。


「……ソルテス様と戦うに、値すると思うか?」

「は、はい。それにハヤトは、ソルテスの兄だと自称しています」

「聞いたことがない話だ。本当なのか?」


 コリンは、下を向いたまま、小さく言う。


「私は、本当だと思います。ハ、ハヤトは、うそをつくような人間じゃありません、から」


 ルドルフはその様子に、思わず笑ってしまった。


 どうやら、あの連中は本物のようだ。


「わかった。では私も、君たちを信頼しているように、彼らを心から信用することにしよう。改めて、聖域への案内を頼む。彼らを導いてくれ」

「はい」


 ルドルフは中庭の方へと歩いてゆく。


 シェリルが、コリンを呼び止める。


「コリン。みなさんの名前、きちんと覚えていたんですね」

「あ、あいつらには言わないで」

「どうしてですか?」

「だ、だって調子に乗るもの。とくに、ミランダが……」


 頭にハテナマークを浮かべたシェリルだったが、彼女はやがてほほえんだ。


「聖域も、みんなで行きましょうね」

「……ええ」


 コリンも、つられて少しだけ笑った。



 だがその時、遠くからルドルフの叫び声が聞こえた。

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