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イモータル・マインド  作者: んきゅ
第13話「オータムの決闘」
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その4

「それで……見つけたのが、この妙な玉ってわけかい」


 フローラは、自分の目の前にあるものを見やった。


 人ひとりくらいの大きさの、青い玉。質感はつやつやしており、さわると冷たく固かった。中を見ることはできない。

 シェリルは自分の掌の玉とそれを見比べる。どうやらこれがレーダーのような役割をしているようだ。


「あね様の“波動”は、この中から出ています。まず間違いなく、あね様はこの中にいます。しかし……」


 そこで、ロックが手下の忍から刀を借りて玉に斬りかかると、“魔力”の火花が散り、根本から折れてしまった。


「見ての通り、外からの攻撃を弾きます。忍術でも同じ結果でした」


 フローラは「ふむ」といって、玉に手をつけた。


「どうやら強力な結界のようだ。神器の力を使ったんだろうね」

「おんばあ、なんとか破壊できませんか」


 フローラは首をふる。


「神器がみっつ集まっちゃ、さすがにどうにもならんね……ただし」


 フローラは後ろのほうでそれをのぞいていたハヤトに目を向けた。


「ハヤトの蒼き“波動”なら、できるかもしれない。来なさい」


 ハヤトは頷いて、玉へと近づいてゆく。

 ロックはその姿を、訝しげに見ていた。


「ハヤト、蒼き“波動”を玉に流してごらん。やり方はもう教えたはずだ。これができたら、あんたを認め、秋の精霊との契約を許そう」

「わかりました」


 ハヤトは玉に手を付いて、“魔力”を解放する。じきに、彼の瞳が蒼く光り出す。仲間たちは、それを固唾を飲んで見守っている。


 彼の手が玉の中へ、ずんと入った。


「えっ!?」


 ハヤトの体が、みるみるうちに玉へと吸い込まれていく。


「ハ、ハヤト君!」


 思わずマヤが駆けて手をとる。その手をルー、ロバート、コリン、ミランダが順に取っていく。


「ちっ!」

「あに様!」


 ロックが飛び出し、ミランダの手を掴んだ。最後に、シェリルが彼の手を取り、全員が玉の中へと姿を消した。


 ディアナを始めとした忍たちが騒然とする中、フローラだけがそれを遠い目で見ていた。

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