肉食系女達と初めての嫁さん
昨日は体調が悪くて投稿できず、お詫びも込めて本日2本目。
ユークレース編です。新しいヒロイン追加されます。
久々のバカテンションからスタート。そしてハーレムっぽくしてみましたが強引過ぎかもしれません。
リーナの髪の長さが無かったので追加しました。誤字修正しました。
【ユークレース】に着くと俺はジャングルのど真ん中に居た。
―ズルッ――ドタンッ
「うわぁ!!」
ジャングルを彷徨い続けていたら、足元がコケでぬかるんでいたため、転んでしまった。もう30分ほどは迷い込んでいるだろう。何度か木精魔法を使おうとしたのだが、何故か発動しなかった。
「こりゃ、本格的にやばいな…」
木が生い茂っているため空をまともに見ることもできないが、だんだん暗くなりつつある。このまま夜になったらと思うとゾッとする。人型や力を持つものは女しか居ない世界だが、虫や動物などは普通に雌雄存在しているみたいで数が多い。
そして俺の背後にも。
―ガサッ
「ワニかぁ…ってワニィ!?しかも口を開けてるが欠伸じゃないよな!?」
俺の目の前にはワニがいて、しかも口をパックリと開けている。どう見てもこれは俺を食用としか見ていない。非常にまずい事態に陥っている。
「はっはっは!しかし俺には魔法がある!喰らいやがれ!!」
俺はあの時サイカが使ってた魔法を紡ぐ。きっと今なら使えるはずだ。
「(混沌なる月の光を浴びし、波立つ母胎に包まれる者よ。我の身を損じえず、うたかたの壁となれ!)――バブルプロテクション!!」
これで俺の手からは泡が吹き出し、ワニの攻撃を確実に受け止めるはずだ。
だが――
―ポヨン
俺の目の前には1つのシャボン玉のようなものが浮かんだ。つまりそう言うこと。
「うわぁぁぁぁーー!!魔法が使えねぇ!!」
俺は叫びながら必死に走って逃げた。しかし後ろからはワニが襲い掛かってくる。俺は魔法の使えないただのイケメン男に成り下がってしまったらしい。恐らく魔力が不足しているせいだろう。
足場の悪いジャングルをひたすらに走るが出口が見つからない。そして後ろにはカチンカチンと歯を鳴らしているワニがいる。俺は目の前にある自分と同じぐらいの高さの草の中へ飛び込んだ。
―ザザッ
目の前にはなんら変わらないジャングルの風景で、ワニがいた。
「あ、あはは、やあ?こんにちはー」
前にいるワニもあんぐりと口を大きく開いた。俺はワニに挟まれたと言うことだ。絶体絶命のピンチだった。
その時――
『はっ!うおりゃ!!』
女の声がしたと思ったら凄い勢いでワニが吹っ飛んでいった。ゴルフボールを見ているかのようだった。こんな密林でゴルフを嗜む人がいたらしい。
『大丈夫かー?こんなところに珍しい……』
俺は助けて頂いた人にお礼を言おうと思って振り向いたら、背も胸も色々とでかい原住民の女がいた。その大女は俺が珍しかったのか目を丸くしているが、ここはとりあえず礼を言わねばな。
「悪い、助かった。俺はトオヤだ。であんたはっ――ムグゥゥッ!」
―ガシッンチュゥゥー
驚きのあまりのことが今俺の目の前で起きている。いきなり肩を捕まれたら思いっきりキスをされた。そして先ほどから舌までも俺の口に入ろうとしている。この女はいったいなんなんだ。
「ぶはぁっな、何をするんだいきなり!」
『悪いねー、あまりにも素敵だったからさ』
俺の胸を何故かつつーとなぞる大女。俺はワニよりも厄介な奴に捕まってしまったらしい。
『女とは良くするもんでついな』
ヘラヘラと笑いながら言う大女。この女はアマゾネス族の村【インディコライト】の住民だそうだ。名前はミランダと言うらしい。苗字はアマゾネスにはないらしく名前だけ教わった。アマゾネスはよく女同士でああいうことをするらしい。見たいようで見たくないような。容姿は【俺よりも背が高く胸もでかい。若干褐色な肌に金髪だった。服装は派手なビキニアーマー】。今はそのミランダに案内をしてもらっている。
「ああ、うん…」と俺はどういう返事をすればいいか正直困っている。そもそもキスなんて生まれて初めてだったわけなんだが。俺の初めては密林で誰とも知らない大女に奪われてしまったわけだ。
「はは、トオヤは繊細だねぇ。あたしらは最後までしないから安心しなよ!」
俺の肩をバシバシとミランダが叩く。最後までしない代わりに、最後の一歩手前までは余裕でするって言う意味なんだよな。男が居ない世界だから男日照りが激しいのかもしれない。
「お?トオヤ信じてないね?」
「信じれる要素がないだろ……舌まで入れようとしやがって」
俺はぶつぶつと文句を言う。言わないと気が済まない。俺があの時振りほどかなかったらこいつと卒業式を迎えていたところだ。何せ振りほどいた時俺のズボンに手がかかってたからな。本当に冷や汗をかいたものだ。
「けちくさいねぇ、良かったらアマゾネス全員貰ってもいいんだぞ?今時男なんていないからさー」
「遠慮する!お前みたいのが集団で襲ってきたら俺が枯れるわ!!」
怒りながら俺は文句を言うのだが、ミランダは豪快に「はっはっは」と笑うだけで相手もしない。女付き合い経験値の乏しい俺では、相手にすることも出来ない。
―ガサガサッ
『おや、ミランダじゃないか。こんなところで』
新しいアマゾネスが現れた。俺は横を向いて直視しないことにした。危険すぎる。
「こっちのトオヤを村まで案内しててな」
ミランダは俺のことを紹介する。そして遭遇したアマゾネスが俺に注目する。
『へぇー、なかなかって男!?お、おお、おおおー!』
俺の周りをくるくると周って見定めている。正直目が怖い。そしてやっぱり、
―ガッ――チュウゥッ!
「ングーー!!ムムングーー!!」
思いっきりキスをされ、やはり舌を入れてくる。俺は必死に抵抗したがアマゾネスは力強くそう簡単にはがせない。
―モソモソッパサッ
何故か脱ぎだすアマゾネスに俺は驚く。そしてミランダも何故か脱ごうとしている。この先は恐らく……。
「ングゥゥゥーー!!」
俺は必死に抵抗して貞操はギリギリ守られた。
「ぜぇはぁぜぇはぁ!!」
今は俺は開放されており、襲われていることもない。
『いやー悪いね、ついこうムラッと』
「ついじゃねーだろ!ついで襲って来るんじゃない!」
『なにさ、ただの挨拶だろ?ははは』
「挨拶で人を逆レイプしようとすんな!!」
ガルルルと俺は猛犬のように咆えるものの全く効果がない。それどころか俺の態度を見て更に喜んでいるから性質が悪い。
『でも、あたしらの中にはもっとやばいのもいるから気をつけろよ』
はははと、笑いながら俺の腰を抱こうとするアマゾネスを華麗にかわし続ける。しかし俺はその言葉にゾッとした。これ以上の悪夢があるらしい。
俺はその後も何度も襲われ、何度も回避しようやく、アマゾネスの村である【インディコライト】に着いたのだった。
***
「おーい、トオヤ?着いたぞ」
「ああ、うん……そうか」
目の前には原住民の村と思われるアマゾネスの村についた。そして俺の背後には俺の横に立つ権利を争っているアマゾネスが20名以上いる。全員から同じように襲われた。そして全員から同じように逃げ出した俺は、もはや精魂尽きかけていた。
「長老様の所へだったか、ほらいくぞ」
『あたしが案内するよ!だからほらあたしについてきない』
『横取りするんじゃないよ!ほらあたしが色々と教えてあげるから』
ギャーギャーと騒がしい中もみくちゃにされて、俺は目標の長老の家の前までやっと来れた。
「長老様入るよー?お客さんだよ」
『ミランダか、入ってこい』
ミランダが家の中へ声を掛けると子供の声が帰ってきた。確かに子供の声だった。アマゾネスの特攻のおかげで俺の耳がおかしくなってなければ。
―ファサッ
アマゾネスの家は木と藁のようなもので出来ており、家の前には暖簾のようなものが扉になっていた。そして中は結構広く、囲炉裏や釜戸などもあるがどう見ても原住民の暮らしとしか表現が出来ない。
そして奥には何故か子供がいた。
「長老様、ほらお客さん。男だぞ」
『な、何!?男だと……』
長老の家の中に入った俺達は家の中ほどまで来ると長老へ声を掛けた。するとどう見ても小学生レベルのサイズの子が俺の周りをぐるぐると回り始めた。嫌な予感がしたけど先ほどみたく襲ったりはしてこなかった。小学生すら襲って来る世界だったらトラウマになっているところだった。
『本当に男だね…で、あたしらに何のようだい?』
「ああ、ウンディーネと連絡を取りたい」
俺はあいつらの事を思い浮かべながら答えた。恐らくエルフ達はウンディーネに保護されていると思われる。
『それは無理だ。そもそも陸地で繋がってないよ』
「まさかこっちにも世界の断崖【クンツァイト】があるのか!?」
『こっちにも?世界の大海【クンツァイト】ならあるね』
長老と思われる幼女はそう言いながら地図を取り出してきてくれた。【ユークレース】には断崖ではなく大海、つまり海になっているようだ。
「海なら渡ることも出来るんじゃないのか?」
『出来ないね。海はウンディーネの加護でも無い限り、浮くことも出来ないから渡るのは不可能だ。海底を歩きながらの横断になってしまうよ』
長老は地図をしまうと詳しく説明してくれた。この世界の海は普通の海ではないらしく浮力が無い。魚も主に川にしか生息していないとの事だった。
「そうか、あいつらと連絡は取れないか……」
俺はがっくりとうなだれた。イリアが生きているかもしれないから早く確認を取りたかったからなのと、ルウ達が無事にあそこから出られたのかも知りたかったからだ。
先ほど地図を見せて貰ったところ、ウンディーネの島は完全に島になっており近寄ることが出来ない上、ここからではエルフ達の大陸すらもかなり離れているためどちらにしても確認は出来ない。
『そうだ。あんたに頼みがある』
「ん?俺に頼み?」
長老が辛そうな顔をしながら俺の顔を見ている。かなり切実らしく、今にも泣きそうな子をいじめてる気分にもなった。
『うちの娘を嫁に貰って欲しい』
「いや、小学生に娘っておかしいだろ!?」
俺はついつい言ってしまったが、そもそもこの世界に小学生なんて言葉はない。
『しょうがくせい?よくわからんのだが、まあ嫌なら仕方がない……』
「ああ、さすがに犯罪過ぎるだろう。幼児レベルの嫁なんて欲しくない……」
俺は想像してゾッとした。まだ初体験もしていないで幼児の嫁を貰うってどんな男だよ。日本に帰ったら後ろ指どころじゃ済まされん。
『ならば、今日のところはアマゾネス全員であんたの歓迎会をしないとな』
長老がそう言うとミランダや後ろに控えていた者達が俺の腕を掴む。
「あ、あの?歓迎会ってどういう意味で?」
『なあに、子供100人か200人ぐらい作ってもらうだけだよ』
笑いながら長老は俺に言う。つまり嫁を受け取らん限り俺はこいつらのパーティーに強制参加させられると言うことだ。
『もし嫁に引き取ってもらえるなら、娘の旦那として今後アマゾネスがあんたに手を出すこともないだろうね』
えっ、俺この子供に嵌められた……?
俺は今離れにいる長老の娘に会いに行く最中だ。傍らには長老もいる。悩みに悩んだ結果俺は幼児の嫁を受け取ることにした。しょうがないだろう?初体験が総勢1人+250人の超逆輪姦パーティとか本気で泣ける。
俺と2人で歩いてた長老が突然、俺の方へ振り向いて口を開いた。
『すまない。実はどうしてもして欲しいことがあって強硬手段を取った』
長老がいきなり土下座を始めた。小学生をいじめてるようにしか見えないから本当にやめて欲しい。一応浪人生で立派とは言えないが俺も大人だからさ。
「ああ、良いから土下座はやめてくれ。良心が痛む」
長老は立ち上がると、ポツポツと事情を話してくれた。その話にはとても深い事情と愛情があった。
『実はあたしの娘がさ、ハーフなんだよ。アマゾネスとインキュバスのね』
「インキュバス?いやだって、男が居たのはずいぶんと昔なんだろ?」
インキュバスは夢魔ではあるが男だったはずだ。この世界には大昔から男が居なくなっていると聞く。そしてこの歳でどうやって子作りしたというのだろうか。謎が深まるばかりだ。
『サキュバスがインキュバスにも変身できるのさ。そしてサキュバスは男から性を受けないと死んでしまう体質で、女しか居ないこの世界で絶滅しかけたサキュバスは一番幼い1人の王族の者にサキュバス全員の命を代償にして使った魔法でインキュバスに変化させたんだ』
『サキュバスの里はここに近かったから、それであたしとインキュバスになった夫は偶然知り合ったんだ。ただその夫も強引に性別を変えたためか、物凄く体が弱くてね。私と子供を作ったらすぐに亡くなったんだよ』
「つまり、その娘さんがインキュバス・サキュバスの最後の生き残りってことか?」
『そういうことだ。そして娘はハーフながら男からの性を受けられず、今にも死にそうになってるんだ。どうか助けてやってくれ』
説明を終えるとまた土下座を始める長老。娘を思う気持ちが痛いほどに伝わってきた。俺を脅したのも、どうしても助けて欲しかっただろう。出来れば直接言って欲しかったものだ。
「わかったが、性ってつまりヤレってこと……だよな?」
幼児とヤル想像をして思わずゾッとする。救助活動とはいえいくらなんで無理だろ。
『いや、定期的にキスでも十分と夫が言っていた。だけどもあんたが良ければその先も構わないよ』
「いやいや、俺が構うから!!でも、キスでいいのか…」
いちいち突っ込ませる長老だな、と思わず苦笑いしてしまう。しかし、ここまで母娘の愛情を見せ付けられてもう嫌ですとは言えない。キスだけの間柄になってしまうかもしれないが責任を取って嫁として受け入れよう。
『ここだよ』と案内されたのは下手すると長老の家よりも豪華な佇まいであった。どれほど長老が夫であるインキュバスとその娘を愛しているのか分かるぐらいの差がある。
『起きてるかい?リーナシア』
『起きてるよ、お母さん』
俺も入ると、布団に入ったままこちらを向く娘が居た。しかしその容姿は幼児には見えない。イリアよりは若いがヤっちゃってもギリギリセーフってぐらいの年齢の子だ。
「ど、どういうことだってばよ!?母親の方が子供ってどう言う風習なんだ!?」
驚いてついつい口にすると、長老が「そういや、説明してなかったね」と言って、説明してくれた。
『理由はよく分からないんだけどね、この娘を産んだ時からこんなに若返ったんだ。それ以前のあたしは元々ミランダぐらいだったのよ』
長老はそう言ってセクシーポーズ取るが、どう見てもおませな小学生だった。
『お母さん、こちらの方は?』
長老の手を借りて起き上がったリーナシア。リーナと呼ぶことにしよう。リーナの容姿は【薄い褐色肌にとても綺麗な銀色の髪が腰ぐらいまであり、胸は《もう少し頑張りましょう》の判子を押したが、大人になりきっていない可愛さと大人の色気が入り混じっていて、見つめているだけでごくりと喉を鳴らしてしまう色気さがどことなくある子だった。頭には小さく角も生えており、隠れてよく見えないが黒い蝙蝠のような羽と悪魔らしい尻尾も生えていた。短いスカートも履いており黒をベースにしていて、胸が若干開いた服装だった】
『あんたの夫になる人だよ。挨拶しな』
「うん。初めまして、リーナシアと申します」
可愛くリーナがお辞儀をするので俺も慌ててお辞儀をする。とても礼儀正しくアマゾネスが半分含まれているとはとても思えないぐらいだ。
「俺はトオヤって呼んでくれ。でそっちはリーナって呼んでいいか。リーナはいきなり夫が出来て困らないのか?」
「恥ずかしいですけど、大切にしてくれそうな人だから大丈夫です」
リーナはニッコリと微笑んでくれる。その顔はなんとなくイリアを思い出す。リーナは天然ではないがイリアと同じぐらい純度が高いように見える。しかし先ほどからリーナを見ていると、とても惹きつけられるイメージがあるのはなんでだろうか。
『そうそう、ハーフってことは半分サキュバスだから。あんたにはチャームが掛かるだろうけど心配要らないね』
「このロリ婆がっそれを先に言えよ!先に!!」
思わず口を悪くして突っ掛かるがやはり豪快に笑うだけの長老。だがその顔もすぐに真剣になって俺に話しかけてきた。
『あんたに早速だけどお願いしたい。まずはリーナシアにあんたの血を飲ませてあげて』
「俺の血を?いったい何の意味があるんだ?」
俺が長老へ聞き返すものの『いいからはよし』とナイフを渡してきた上で強引に話を進められた。俺はそのナイフで指先を傷つけるとリーナの前に出す。しかしリーナの態度が変だった。
「あの…本当にいいのですか?トオヤ様」
上目遣いにそう聞いてくるリーナ。チャームのせいかとてつもなく可愛く見えるのは置いといて、何かこう嫌な予感がする。
そして俺は手を引こうとしたが――
『いいから、ほらはよしっ!』
長老が強引にと俺の指をリーナの口に咥えさせた。一度咥えてしまったらもう後に引けないらしく、そのまま俺の指を丁寧に舐めて血をすすり採った。
しかしこれの何の意味が……。
『これで契約は出来たね!これでリーナシアはあんたのものだよ!!それと女同士の経験も無いから優しく教えてあげるんだよ!』
バンバンッと俺の肩を叩く長老は笑いながらそのまま外に出て行った。
「け、契約って…?もしかしてまた俺嵌められた?」
うなだれる俺の頭を優しく撫でてくれるリーナの前でがっくりとする俺だった。
***
リーナから契約のことについて先ほど聞いた。
この世界のサキュバス・インキュバスには特殊な契約があり、対象の異性の血を飲むことによってその者だけを愛することを誓う契約らしい。結婚みたいなものではあるがもっと生々しいものであり、今後は俺からのみしか性を受けることも出来ない。そして更に俺にしかチャームをかけることが出来なくなるそうだ。それと性別も固定化されるらしいが、ハーフのリーナは性別を変更出来ないため直接な関係は無い。
つまり一生責任取れってことです。あのロリ婆にマジ嵌められた。
そしてチャームの効果はつまるところ魅了なのだが、先ほどの契約後から効果がとても酷くなった。一緒にいるだけでリーナを抱きかかえてしまいそうにレベルだ。とても恐ろしすぎる。今は鉄壁の精神で我慢しているが、我慢していないと手が勝手にリーナの胸を揉んでしまう始末。リーナがまだ未熟のため、チャームを自分で制御できないためしばらくはずっとこのままだろう。
「しかしこれは色々とまずいんじゃないのか?」
「ええと、お母さんから聞いていなかったんですか?」
「全く聞いておりません……」
ガクリとうなだれる俺にリーナは優しく頭を撫でてくれるが、とても良い匂いがするから近寄らないで欲しい。でも女の子に「近寄るな」なんて言えないよな。半ば強引と言え一応俺の嫁さんなんだし。
ふとチラリとリーナを見ると具合を悪そうにしていた。確か男の性を受けないと生きていけないんだったな。
「あーと、性を与えるってよく分からんが、キスすればいいのか?」
「えっ!?……は、ははははい!そうです!」
顔を真っ赤にしながら俯きながら言うリーナ。胸揉まれても恥ずかしくないのにキスは恥ずかしいなんて本当に複雑だよな乙女って。
「じゃ、じゃあするぞ?」
「ど、どうぞ……」
アマゾネスをノーカンにしたら本当に初めてのキスで俺の心臓はドキドキと煩く響く。リーナもプルプルと体を震わせている。俺はリーナの肩を優しく掴んで口を寄せてキスをした。
そこまでは良かった――
リーナの唇に触れた瞬間、俺は男という欲望が一気に爆発してしまってリーナを押し倒した。唇に触れたことによってチャームの影響が多大に受けてしまったのかは分からない。
だが俺は自分の欲望を抑えられなくなり、リーナの服を脱がし胸を露にしてその胸を思いっきり――
『おっと、ごめんねーお取り込み中だったか』
俺が振り向くと、長老がいた。
ちーん。
***
「あのー、私は気にしていませんから」
「しくしくしく、チャームのせいなんだ。全部そうなんだ」
メソメソと部屋の隅で泣く俺。長老はまだ部屋に残っている。ちなみに実際に行為中だったとしてもこの長老は出て行かなかっただろう。
『それで、調子はどうだい?ヤったんだろ?』
「あんたはあんたで一線越えたような言い方するな!!」
長老の態度に噛み付く俺。その脇で困り顔のリーナ。もしかしてこの中で一番年齢の低いはずのリーナが一番大人なのではないだろうか。悲しい事実に気が付いてしまった。
「少しは良くなったけど、動き回ったりは無理…かな」
リーナは落ち込みながら長老に答えた。今まで寝たきりだったらしいからそれだけ期待していたんだろうな。俺もこの娘にはチャーム無しで元気になって欲しいと思う。
『そうかい…やはり封印の力が強いんだね』
「封印?」俺は聞き覚えのある言葉が出たので気になったので声に出てしまった。長老は『あたしもあまり詳しくないんだけど』と封印について説明してくれた。
『サキュバスが絶滅しそうになったのは男が居なくなっただけでなく封印の影響もあるんだ。封印とはこの世界【ユークレース】に住む者全てにかかっている封印さ。サキュバスはそれとは別にもう1つの封印も掛かっているため、とても不安定な生き物になっちまったのさ』
「封印って、どう言う事だ?」
『【ユークレース】に住む者は体内魔力のほとんどが封印されているのさ。魔法で一時的に腕力を上げるのとかは出来るんだけど、サキュバスはその影響なのかは分からないんだけど、その環境下で生きることすら難しくなってるそうなんだよ。もう1つの封印についてはあたしはよく知らないから分からないんだ』
「体内魔力ともう1つの封印……。確か、体内魔力が不足すると身体能力が著しく下がるんだろ?」
『よく知ってるね。そうだよそれだよ。あたしらアマゾネスも昔は大層強かったんだけどねぇ』
ここへ来る前に一定の説明はザグラスから受けているので大体は知っている。だが、それとは別に何か引っかかることが。
「ん?そういやこちらの世界でイリアは身体能力が凄まじく上昇したとか言ってたな……」
俺は胸元にある赤い本を見る。赤い本を開いてからイリアの身体能力がかなり上がっていた。パンツまで見せてもらったのだから忘れるわけが無い。
『本当かい!?それでその方法はどうやるんだい!?』
小学生にしか見えない長老が興奮しながら俺に詰め寄る。離れて欲しいので肩を掴んで剥がしてから俺は話した。
「俺が持つこの本を開くと能力が活性化されるらしい。ただ開ける者と開けない者が居て、リーナがこの本を開けるかは分からない」
俺はそう言いながらリーナの近くに寄って赤い本を見せる。恐らくこの赤い本を開く条件は以前ケンタウロスの王がヒントを言ってくれていた。
『今は、運命を共にする者をお集めください』
多分そういうことなのだろう。ただ、リーナが俺と運命を共に出来るかは分からない。何せこの体だ。とても戦うなんて無理だろう。
リーナは不思議そうに赤い本をその手に取った。
そして赤い本をリーナが開く――
「本…開きそうですね。開いても良いのですか?」
リーナはどうやら俺と運命を共にする仲間のようだ。これも運命なのだろうか。
「その本を開けば俺は一ヶ月の間居なくなる。それでも大丈夫か?」
その言葉を聞くと、ビクッとリーナの体が震えた。
しかし既に開きかかっている本を止める事は出来ない。リーナは涙目になりつつ、こくんと頷いて本を再び開いた。
辺りが真っ白に輝いていき、俺――は光に包まれていった。
***
「うっ…ここは……」
起き上がろうとするものの何故か腹辺りに何か被さっていて上手く起き上がれない。
そのまま起き上がらずに周りを見るとサバンナのようだった。つまりここは【ペツォッタイト】だと言う事だ。
「しかしなんだ、なんで起き上が…れ……」
俺は腹を見たら驚いた。とても驚いてしまって声が出ない。
「ん、ここは…?トオヤ様は……?」
俺は確かに【ペツォッタイト】に飛んでいる。胸も出ているし体も女になっている。
その場には何故かリーナまでもが一緒に居たのだった。
俺の異世界の旅はまだまだ続く
次はペツォッタイト編に移ります。
この世界ではインキュバスとサキュバスは性別を自由に変更できた設定です。現在は純血種が存在すらしてないので無理です。
長老が若返った理由はインキュバスの性転換に原因があります。偶発的に起こったものなので詳細不明として扱っております。
ミランダさん?ただの噛ませ犬です。すみません。
リーナをもっと可愛く表現したかったのですが難しい。
リーナの衣装はビキニアーマーが嫌だったらしくサキュバスの衣装です。本来はスカートはありませんが恥ずかしいからと穿いてます。