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第14話:有名税

ピピピピ!! ピピピピ!!


むくり……キョロキョロ……ガシ!!


携帯電話を確認。

昨日グランから朝一に登校したほうが良いと言われたので、早起きをした。


「あっれぇ? いつもと同じ時間じゃない……」


そういえば、早い時間にアラームなんてセットした覚えなかったな……


「まぁ、こういうこともあるよね? てへぺろ」


てへぺろ。

まぁとりあえず、準備しよう。


「ふふふ……今日の俺は朝からご機嫌なのだ……」


手に取るは生卵(日曜日にスーパーで買ってきた)、それに醤油を入れてかき混ぜて……白米に掛ける!

これこそ、俺の大好物のひとつ卵掛けご飯!! 略してTKGだ。

朝御飯を美味しく食べ終え、制服に着替え、足音を忍ばせドアまで進む。

そして……一気に開ける!!


「ぷげっ!!」


ぷげっって……もうちょっと何と言うか女の子らしい声出そうよ……


「いったーい!! わざとでしょ!! 足音消してたし!!」


鼻の頭を押さえながら美緒が出てくる。

そして俺は固まる。


「……………」


「何よ? 朝から鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して……」


そう言って美緒は後ろを振り返る。


「……………」


そこには、女子生徒が溢れかえっていた。


状況を確認。

場所は俺の部屋の前。

現在時刻は登校時間。

目の前は美緒。

廊下を埋め尽くしている人だかりは女子生徒。

俺の部屋3階。


「生きろ……美緒」


俺はドアを閉めた。


「ちょおおおおおおおお!!!」


俺は美緒の絶叫を聞きながら窓からダイブ!!

バビロンの重力操作を利用して難なく着地。

誰にも見つからないように全力疾走してカリバーンに向かった。


アレは……マズイ……!!

グランはアレを知っていたのか!?

畜生! アラームセットして置けばよかったぁ!!


第一陣はあそこで撒いた。

第二陣が構えている場所は恐らく校門だ。

必ず校門から登校しなければ行けないからな。

よし、ここは……


携帯電話を取り出し、電話を掛ける。


「もしもし、今学校の東の壁に居るんですが……」

「分りました。すぐに迎えに行くので見つからないようにしていてください」


流石だ。

あの人は全てを見ている。


「おはようございます。宮本君」

「おはようございます。エヴァンス先生」

「大人気ですね」

「寮のドアを開けたら、廊下が生徒で埋まってましたよ……何があったんですか?」


そのせいで尊い犠牲者が1人出たが気にしないで置こう。


「予想はしてると思いますが、ドラゴンを倒した事で話題の人になりました」

「噂広まるの早くないっすか?」

「トーナメント自体は全学年が見ることが出来ましたから、校門を通っていたら間違いなく遅刻でしたね」

「裏ルートください……」

「人の噂も……何日でしたっけ?」

「75日です……」


エヴァンス先生はなぜか日本のことわざを良く知っている。

勉強したんだろうか。


「授業が始まる前に教室に入れたら、遅刻は免除してあげますから」

「それでも、ハードル高くないですか……?」


とりあえず今日はエヴァンス先生のお陰で第一陣と第二陣は撒けた。

だが第三陣である教室までは無理だ……教室に入った瞬間に捕まる。


「おいおい! 双真!! 金曜日は凄かったじゃないか!!」


ブライト……お前はこういう話題でも一番の乗りか……


「話はマネージャーを通してくれ」

「なぬ…!? マネージャーが居るとは……誰だ?」


こちらを睨んでいる美緒に人差し指を出す。

よし、これでひとまず安心だ。

あっという間に人だかりが出来る。

俺の可愛い幼馴染は今日も大人気だな。

ちょっと妬けちゃうぜ。


(ちょっとぉ!! 皆に何を吹き込んだのよぉ!!!)


美緒から思念会話で文句が来ているが、俺は聞こえない振りをした。

そして人だかりは更に増え続ける一方……


(後で覚えてろおおおおお!!!!)


あ、マジギレした。

これはちょっとまずい。


(メイド服、写真)


(鬼いいいいいい!!!!)


交渉成立。

ふぅ、美緒が同じクラスで本当に助かったな。

そして追いついた所でエヴァンス先生に呼ばれる。


「宮本君」

「はい」

「本日の全校集会でスピーチをして貰うので、先に来てください、テレビ局も来てます」

「はいいぃ!?」


そして俺は連行された。

スピーチってなんだよ……





そして全校集会、校長先生の隣に並んで立つ俺とグラン。


(俺、こういうの初めてで何を言っていいか分らないんだが……)

(俺が先に言うから、似たような事を言えばいい。後はアドリブでやれ)


あぁ、いつでもクールなグランは本当に頼りになる……


「では、この度カリバーンを守り、ドラゴンを討伐した2人から話を聞きましょう」


グランが一歩前にでる。


「僕は、突然の出来事に戸惑いましたが、ここに居る友人の双真が協力してくれたので生き残る事ができました。何度も死を覚悟しましたが、自分の命よりも外に居る友人達の事を思う双真の気持ちに動かされました。以上です」


大歓声だ。

流石貴族、この人数を目の前にして、何の物怖じもしていない……


(気楽にやれ、そんな緊張しなくていい)


そう言われてもなぁ。

1ヶ月位前まで根暗やってたから、流石にこの人数は緊張する。


そして一歩前に出る。そして深呼吸……


「俺は、ドラゴンが現れたとき、初めて見るドラゴンに恐怖よりも先にカッコいいと言う印象を持ってました。結界を張られた時にやっと状況を理解して、焦っていた所をグランが冷静にしてくれて、本当に助かりました。あのまま焦り続けていたら間違いなく俺は死んでいたと思います。グランとは最近知り合ったばかりですが、長い付き合いになりたいと思っています。以上です」


グランに負けず劣らずの大歓声だ。

こんな感じで本当に良かったのだろうか?


(やれば出来るじゃないか)

(偶然だ、偶然)


こうして何とか俺達はスピーチを切り抜けた……そう、スピーチだけ………


「なぁ、双真!! あのドラゴンって新種なんだろ? 俺達にちょっと素材分けてくれよ~」


スピーチを終え教室に帰ってくると、案の定素材目的の奴らが俺の机を囲んできた。


「売る事ならかまわないが、今はそれも無理だな、まだ能力が分っただけだから、値段が出るまでまだ時間が掛かるし」

「鱗一枚くらいいいだろ? なぁ? 俺達友達だろ?」

「そうやって気軽にあげてるとどんどん無くなってくから、あげる人は厳選するさ」


寧ろ、同じクラスメイトと言うだけで特別に親しい奴と言うと、美緒とホーミィを除けばクラスだとブライト位だ。


「じゃあどういう人ならいいんだ?」

「そうだな、最低でもパートナーかそれ以上に親しい奴だろ」

「クラスで言えば?」

「美緒とホーミィならあげても良いかな? 色々世話になってるし」

「良い男ぶりやがってぇ!!」

「そりゃあ、普段一緒にいる奴を優遇するだろ……お前ら授業後に俺と一緒に練習とかした事あったか?」

「そりゃ……無いけど……」

「あの2人は毎日の様に俺の練習に付き合ってくれてたんだ。俺が2人より弱い頃からな、その恩は返したいと思ってる」


周りにいる生徒は悔しがっていたが正に日頃の行いが何とやらと言う奴だ。

まぁスカウト組ってだけでちょっかいはかけられてないが、好き好んで俺の付近には居なかったからな。

ブライトを除いて……


「ねぇ宮本君。私のパートナーにならない…?」

「ちょっとぉ、宮本君のパートナーは私よ?」

「ねぇねぇ、宮本君はどういう女の子が好きなの? 可愛い系? セクシー系? おしとやか系?」


そして女子生徒からは質問攻めである。


「あ、ごめん俺パートナー居るから」

「「「え…?」」」

「パートナーシステムの説明された日に美緒に言われたからOKした」


女子生徒が一斉に美緒を見る。


「だって私、双君の幼馴染だし……」

「幼馴染!? 初耳!!」

「そんな……卑怯よ!」


なんか酷い言われようをしているが、これしきの事で怯む美緒ではない。


「初耳とか卑怯とか言ってるけど、最初の頃なんてスカウト組って言うだけで近寄らなかったじゃない。そんな人達からとやかく言われてもね。私はそうなると思って双君をフォローしてただけ、ホーミィと一緒にね」


まぁ言い過ぎて孤立しなければいいか。


「ねぇ美緒? もうすぐ一ヶ月じゃん? パートナー変わってよ?」

「知ってるでしょ? 私がなんで双君のパートナーやってるのか、双君からパートナー解消されない限り、私はパートナーで居続けるよ」


クラスの女子の殆どは美緒が俺の事を好きだという事を公表している。

なので美緒からパートナーを解消する事がないのは他の女子生徒も理解しただろう。


「じゃあ……奪い取っちゃえばいいんだ♪」

「宮本君争奪戦……!!」


おい、なんか不穏な空気になってきたぞ……


「別に私は構わないよ? 私も好きっていうだけでまだ彼女と認めてもらったわけじゃないし」


あああああぁぁぁ!!! 

美緒の奴ぅぅ!!! 

面倒な事を増やしやがった!!! 

事実だから何も返せない……


「ねぇ、宮本君! 今日の授業私と一緒に受けない? 2人でペアになってやる奴なんだけど…」

「ごめん、それ先約が居る」

「誰?」

「ホーミィ」


ホーミィの名前を出すと固まった。

トーナメントでクラスの大半の実力は分かったと言えど、ホーミィは上位をキープしている。

敵に回したくは無いらしい。


「後、面倒だから言っておくけど、有名になった途端いきなりアプローチ掛けてきても、下心見え見えだからそんな人とパートナー組む気ないよ」


周りに居る女子がピクっと反応する。

ここで対応を間違えると一学年の女子全員を敵に回すことになるな……


「だったら、パートナーになりたい理由を1人ずつ言って見て? それで判断するよ。何も聞かずに下心なんて言うのも失礼な話だし」


そう言うと、1人が俺に前に出る。


「グラン様と互角戦っている姿を見た時に、ビックリしました。その時の姿が格好良くて、憧れを抱きました……」


うん、こういう子にはキュンって来るね。


「そっか、ありがとう、でもそれだけじゃ俺が君をパートナーにする理由が無いんだ。下心が見え見えって言って悪かった。ごめんよ」

「い、いえ、タイミングがタイミングだったので仕方ないと思ってます。幻滅しましたか…?」

「いや? こういう事になるのは登校中に考えてたから、そんなに気にしてないよ、これからもよろしく」


そしてその女子生徒は自分の席へ帰っていった。

他の女子の大半は下心があったらしく、大人しく帰っていった。

残りの女子生徒も、さっきの女子生徒と殆ど同じ様な理由だった。

中には理由だけ適当に並べた奴もいたが、そんな奴は論外に決まっている。


「疲れた…」


だが、クラスの中だけでも、こうしておかないと、俺の休まる時間が全く無い。

さっきの休み時間は上級生までパートナー要請が来た位だ。

本当に75日で何とかなるんだろうか。

それよりも何とかしないといけない問題があったな。

今日は授業よりこっちの方が大事だ。


「先生、ちょっと相談があります」

「何ですか? 宮本君」

「引き抜きが来ました」

「分りました。授業後に話を聞きます」


授業中も今までと違い、チヤホヤされることが多かった。

少し上手く行くとすぐに歓声が上がるようになったのだ。

美緒とホーミィはそれが面白くないらしく何度も睨まれた。

まぁ俺も慣れていない為、少し鬱陶しく思っている。

こんなのが毎日続くのか。

勘弁して欲しい。

有名になるのも、程々が一番だと思った。





そして授業が終り、応接室でエヴァンス先生と相談が始まった。


「それで? 相手の条件は?」

「相手は誰か聞かないんですか?」

「聞く必要がありません。手放す気が無いのですから」


俺はとりあえず、相手の出してきた条件を教えた。


「成程、現金じゃなくて物の方で来ましたか……宮本君はどう思っています?」

「鉱石云々はドラゴンの素材で武具を作ると予想したからだと思います。鉱石関係を全く持ってない俺としては結構魅力的なものでした」

「そうですね、こうなるとは思っていなかったので、宮本君から見れば、現金も欲しいけど、今必要な鉱石を契約と同時に渡してくれるというのなら、悪い条件ではないですね……宮本君はどの鉱石で武具を作るって決めてますか?」


ここからが本当の勝負だ。

俺はこの駆け引きに勝たなければいけない。この完璧超人のエヴァンス先生との……


「あります。一応ですが……」

「言ってみて? 買える金額なら買ってあげるわ。今すぐにでも」

「予算は…?」

「そうね……500万って所かしら? 大サービスして」

「1000万は無理ですかね…?」

「1000万!? 流石にそれはちょっと……何が欲しいの? そんな大金で」

「どうしても欲しい鉱石があります。長い目で見れば俺でも買える様になりますが、俺は「今」欲しいんです」


力強くエヴァンス先生の瞳を見る。


「理由は? それと鉱石の名前を」

「鉱石の名前は言えません。でも理由は説明できます。俺はその鉱石で武器を作りたいと思っています。それが今じゃないと作れないんです。鉱石自体は後でも入手する機会はありますが、肝心な武器職人の方が今しか居ないんです。俺はどうしてもその武器が欲しい!!」

「それが、1000万の鉱石が欲しい理由ですか……」

「そうです。俺はその為に今バイトをしています。ですがとても間に合いません。もう先生だけが頼りなんです…!」


駆け引きとは言ったものの、俺はエヴァンス先生に頼み込むしかないのだ。


「宮本君の話をまとめると、その鉱石が売りに出される日は分かってるという事ね? 何時かしら?」

「来月の1日です。どの場所で売られるかも分っています。後はお金だけなんです」

「後2週間ね……」

「俺はその鉱石が手に入るのなら、引き抜きを承諾します」

「そう……そこまで考えているのね」


エヴァンス先生は目を閉じて、考えているようだ。


「はい。この鉱石で作る武器は、俺が一生使い続ける武器だと確信しています。その為に必要な事ならば可能な限りやるつもりです」

「ドラゴンの素材を売る事も?」

「必要なら売ります」


迷いを見せてはいけない。

手に入れるためなら他の物を全て捨てるつもりで行かないと、本当に欲しい物は手に入らない。


「はぁ……困りましたね……ちょっと待っててください」


そう言ってエヴァンス先生は、また携帯電話を掛け始めた。


「もしもし? 私だけど、宮本君の持ってる素材がこのままだと売りに出されちゃうわ。300万ほど貸してもらえないかしら?」

「宮本君が素材を売ろうとしてる!? それは不味いわね……分ったわ。都合をつけるわ。OKして」


なんか、聞いたことある声だな……そしてエヴァンス先生が携帯を切る。


「一応お金は用意したわ。けれどどの鉱石を買うかだけ教えてください。誰にも言いませんから……」

「絶対言いませんか? 口外されるととても競争率が高くなってまずい内容ですよ?」

「これだけの金額を動かすのですよ? 流石に聞かないわけにはいきません」


流石に金額が大きすぎたか……しょうがない。

エヴァンス先生なら大丈夫だろう。

お金の都合も付けてくれたし……


「………オリハルコンです」

「え……? オリハルコン!?」


思ったより大きな声を出したので俺は思わず手で口を塞いだ。


「っちょ!! 大きいですって!!!」

「んー!! んー!! ……でも何でそんな事知ってるのですか? そんな情報は貴族階級の人間でも限られた人しか入手出来ませんよ?」

「日曜日にグランに貴族だけが入れるレストランに連れて行って貰った時に、鱗を見せたお礼に教えてもらいました」

「確かに、言えない訳ね。どんな鉱石かと思ったら希少錬金鉱石とは……」

「オリハルコンじゃないと適合鉱石を探すのがとても時間が掛かるんですよ……」


それに、作るのなら今出来る最高の物を作りたい。


「確かにそうですね、学生じゃ鉱石なんてそんなに入手する機会がありませんから、確実に適合するオリハルコンは喉から手が出るほど欲しいというのも分かります」

「錬金の成功率と流通の少なさ故に滅多に市場に出回る事の無いオリハルコン、今回武器の分だけでも入手しておきたかったんです……」

「でも、物凄い数が殺到しますよ? 私だって喉から手が出る位欲しいのですから」

「販売分のチケットがあって、買う分だけ記載するんです。上限は5kgまでですが……」

「前回売りに出された時は5年前で10kg以下と聞きました。今回は何kgなのですか?」

「これ以上は本当に勘弁して下さい……後月末の金曜日休みます……チケットに並ぶので……」

「何kg買うの?」

「必要最低限購入するのに1000万必要で、残りはバイトと貯金を全部使う予定です。それでも3kgに届かないですが……」


自分の持っている金額と慧ヴァンス先生から貰った1000万を足すと大体それ位になる。

バイトの効率を何処まで上げれるかによって変わってくるけど。


「分りました。一応3000万預けるので上限一杯買って来てください。差し引いた分を私に貰えますか? それが私がお金を出す条件です」


俺としてはこれ以上無い好条件だ。

後、本当はお金持ってるんじゃないですか先生。

電話の主から借りる必要性はあったのだろうか…


「分りました。何とか食い込んでみます。買えなかったら御免なさい。俺も諦めます」

「必要なものがあったらなんでも言ってください。私もオリハルコンで作りたいものがあったので……お願いしますね」


エヴァンス先生もが欲しがるのか。

これは頑張って入手しないとなぁ……


「後、宮本君。学校は休んでいいけど、準備も怠ってはダメよ?」

「準備って何ですか?」


初耳だぞ。

ギャルゲみたいに3日くらい前から店の前で並んでれば良いんじゃないの?


「良かった、普通に歩いて行く位のイメージだとしたら間違いなく手に入らない所でした。争奪戦なんですよ。オリハルコンは」


何それ。

言ってる事が良く分からない。


「争奪戦って……この情報を知っている人自体がとても少ないんですよ? 結構確実に入手出来ると思ってたのですが……」

「他の人は上限一杯まで買うと言っていいわ。となるともう買える人数が分るでしょう?」

「はい」


今回のオリハルコンは20kgだから買える人数は4人だ。


「オリハルコンは販売規約のある商品なので出品者は変わっても売られる所は決まっています。日にちを教えてもらった時点で私も買いにいくことが出来るすが、これは宮本君が話してくれた事だから今回は私は参加しません」


「はい……」


個人的に言えば、エヴァンス先生の方が入手確立が高いと思うんだけどなぁ……


「お店があるゲートが開くのが午前9時、そこから一斉に店に向かって全力疾走です。勿論妨害もあります。それを潜り抜けた先着数名がオリハルコンを買う事が出来ます。店の看板にタッチをした順番で買えます」


なんか運動会の競技になってきたな。


「障害物競走ですか……」

「死者や重症人を出すと逮捕されますが、それ以外はルール無用です。中にはアヴァロンの騎士団レベルの人も参加します」

「化け物揃いじゃないですか……」

「そうですね、戦闘面では……今の宮本君ではとても敵わないでしょう」


バビロンから魔力を引き出して、重力制御を最大限に使っても相手の方が速度は上かもしれない……


「でも、これは戦闘ではありません。以下に早く看板をタッチ出来るかだけです。それならば宮本君にも勝機があるんじゃないかしら?」

「どんな手段でも、どんな妨害でもいいんですよね…?」

「はい、でも貴族じゃないと入れないのでどうします? 私の従者としてなら参加できますが……」


エヴァンス先生も貴族だったんだ。

知らなかった。


「あー、貴族の件は最悪の場合使わせてもらいます。筋としてはグランを通そうと思っているので」

「分りました。では対策しつつ、バイトに励んでくださいね」





(なぁ、バビロン、どうやったらいいかな?)

(オリハルコンの争奪戦の事か、正攻法では今の双真に望みは薄いだろう)

(妨害OKって事だから、バビロンの能力で妨害をしないといけないけど……)


妨害と言われても俺には上手い事具体案が思い浮かばなかった。


(個人を妨害するか、全体を妨害するかだろう、妨害の方法によっては少ない魔力でかなり効果的なものもある。私の魔法の色は黒だ。その魔力そのものを全体に放出して、加重を乱せば、かなりの数の参加者は方向感覚を失うだろう。制御だけなら私だけでも出来る)


つまり俺は妨害する事は気にしなくて良いわけか。

これは助かる。


(連発は?)

(道の長さ次第だ。一回で店まで覆えるのであれば開始直後に使えばそれだけで勝てるかもしれん。数回に分けてやれば、相手はさらに混乱するだろう)

(地図貰った。ここがゲートでここが店、最短ルートを全員が通るとして曲がり角は3箇所。魔力はバビロンから使うから無制限だと思ってる)

(ふむ……最短ルートは危険だと考え、他のルートを使ってくる物も現れるだろうな)


場合によっては妨害に会わないルートの方が早い場合もあるな。


(そうだな……妨害されるのが分っているのなら、少し遠くても安全な道を使ったほうがいい)

(たまにはこういう遊びも面白い物だな。よし、妨害は私に任せろ。お前はバイトに励むがいい)


よし、妨害の事はバビロンに任せてよう。

俺は1gでも多くオリハルコンを買うためにバイトに励む。


そして日本刀は現地作製の許可が下りた。

シルウィさんは相当気に入ったらしく、案内したその場で観賞用に500万の日本刀を買っていった。


後は、争奪戦に勝つのみだ。

10/4現在


最初の方で上手くかけていない部分があるので、修正をしようと考えています、主に戦闘シーンが見返していても全く面白みが無いので…、その際多少設定を変更するかもしれません。変更が完了次第、報告させてもらいます。変えると言っても、あまり戦闘シーンを上手く書く技術が無いので、あまり変わらないかもしれません(;・ω・)

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