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【番外編】  そして1つに

皆様待望のエロ回です。

 「イテテテテテっ」


 美香の親指と人差し指につままれたほっぺたがいびつな形になって外側へ引っ張られる。手を離された後もジンジンとしていた。


 「人の話を聞かないで綺麗なオネエサンを凝視してるからですよっ!」


 脚ですか? あの脚ですかっ? そうですよね、細くてとても綺麗ですもんねっっ!!


 いつもよりも低い声が紘燈の耳元で囁かれる。




 克輝と優李の結婚式の翌週、今日は美香の服を買いに来ていた。休日の楽しいデート……のはずだったが、つい近くで服を選んでいたスレンダー美人のおみあしに目を奪われてしまったのだ。


 「声でも掛けてみたらどうですか?失敗したら5分前に<redo>してあげますから」


 ああそういえば優李さんも細くて綺麗ですよね。やっぱりああいう人が好みなんじゃ……。


 ブツクサと止まらないご立腹の美香をなだめるのに苦労しそうだ。とりあえず服だけじゃなくアイスとケーキも付けておこう。



 美香は決して太っている訳ではない。傍から見れば誰もが羨むプロポーションだろう。ただ18歳のせいかまだ若さ特有のムチっとした感が少し残っている。よく細くなりたいと昔から言っていた。


 「これいいんじゃないかな?すごく似合うと思うよ」


 これ以上ご機嫌を損ねないように注意を払いつつ買い物を済ませた。次はアイスか。





 「あ、30分くらいどこかで暇を潰しててもらえます?」


 恐らく女の子用品でも何か買うのだろう。本屋で時間を潰す事にした。

 

 そして戻ってきた美香と合流すると、食材を買って家路についた。





 この1週間で部屋の雰囲気はだいぶ変わった。どこを見ても美香の私物が目に止まるし、キッチンに調味料類が一気に増えた。


 美香もコネクト社まで30分のこの部屋に来るのはもちろん初めてで最初は戸惑っていた。1週間たってようやく慣れてきたと言った所だろうか。





 2人の関係はというと5年間のブランクは感じなかった。逆にイチャイチャが増えて充実している。結婚式が終わったあの日の夜、初めてディープな長~いキスをした。あれはとっても心地が良かった。舌と舌が触れ合う度にフニャーっと力が抜けていくような感覚で、それでいて顔や下半身に血が集まっていくのがわかった。


 その先を求めようとしたが案の定怒られた。でも怒られたというよりは優しく拒否されたといった感じだろうか。誓約書も書かされなかった。





 美香は今、お風呂タイムだった。美香のお風呂タイムは言い換えると紘燈のお楽しみタイムでもある。昔からそうだった。一緒にずっと生活しているので部屋で1人になれる時間というのは夜はほぼない。いつも美香がお風呂に入っている間にエロサイトをクリックしてイヤホンを付けて処理をしていた。こればっかりはしょうがない。この行為に非難などさせるものか。




 「お先にー」


 いつものように窓を開けて軽く消臭スプレーを振りまいた部屋に美香がやってきた。今まで美香に何も言われた事はないのできっとバレてはいないはずだ。何食わぬ顔でお風呂場へと向かう。




 お風呂も済ませ冷凍庫からアイスを取り出して美香の隣へと腰掛ける。風呂上がりに抹茶アイスを食べる美香は、この世の幸せを満喫していた。紘燈のチョコチップクッキーがあとわずかになった所で声がした。



 「チョコぉ」


 そう言った美香の口は開きっ放しになっている。最後の1口を待っていたのだろう。スプーンで掬うと紘燈は自分の口へと運んだ。



 「あぁぁぁぁぁぁぁぁ、食べたぁぁぁぁぁっ!」


 「紘燈さんのケチンボっ、イジワルっ、バカっ!!!」




 プンスカしている美香にキスをした。キスじゃなくアイスが欲しいのよとでも言いたげに上下の唇が離れるのに少し時間がかかった。ようやく舌を絡ませた美香の体がわずかにピクッと動く。そしていつもよりも丁寧に、とても積極的に美香の舌が踊り出した。



 「……あまぃ」


 紘燈の舌の上に乗っていたチョコチップクッキーを堪能し終えた美香が少し照れながら満足気に口にした。


 「おいしかった?」


 してやった顔の紘燈が、美香のうんという返事にかぶせて再びキスをする。美香の舌使いは積極的なままだった。パブロフ効果だろうか。




 先程1人でシタにも関わらず興奮が襲ってきた紘燈は美香の胸に触れた。キスしながらでてきた美香の声は舌ったらずでより一層紘燈をたぎらせる。のだが。


 「なんでブラ?」


 普段の美香ならお風呂上がりにブラをする事はない。


 「今日、買ってきました」


 1人で買い物をしたのはこれだったのか。脱がせると黒のフリルをふんだんにあしらった可愛いデザインのブラがお目見えした。


 「どう……ですか?」


 綺麗なオネエサンを凝視したのを少し気にしたのだろうか、いつも着けない黒のブラを選んだのを見てそう思った。


 「綺麗だよ」


 流れるようにベッドへ向かうと下もそっと脱がせた。下着のみにさせられた美香が少しモジモジしている。


 「あんまり見ないで下さい」


 下着を両手で押さえながら俯く美香の仕草に理性が吹き飛んだ。止め処なくキスを交わしブラのホックを外す。少し胸が揺れ下乳が顔を出した。




 もう止まれなかった。ブラに手をかける。これを取れば念願の美香の裸が。87cmのナイスおっぱいが。早く見たい、触れたい、舌で転がしたい。欲望がピークに達した時、声がした。が興奮した紘燈の耳には入ってこなかった。


 「redo」






 ……あれ?


 目を覚ますと紘燈はベッドの上にいた。隣に美香はいるのだが寝巻きに身を包んでいる。



 「美香、今っていつ?」


 急に意識がなくなったのはわかる。恐らくredoされたんだろう。聞いてみた。


 「アイスを食べる前……ですかね」


 「なんでredoしたの?」


 「恥ずかしかったんで……」


 「それだけ?」


 「はい、それだけです」


 



 全く困ったちゃんもいたものだ。でも美香が消えた訳じゃない。頭を撫でながらキスをした。


 服を脱がせる。ホックを外す。手を伸ばす。


 「redo」






 「……美香?」


 再び隣にいる美香に少し怪訝な顔つきで声をかけた。


 「今日は、ここまでですっ」


 キッパリと美香が言い放つ。



 え? おあずけですか?????


 この悶々としたモノをどうすれば。せめてお風呂前に戻してくれ。



 

 美香はキッチンに向かいながら振り返って満面の笑みで語りかける。


 「ああ、そうだ。アイスでも食べましょうか」

 









 



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