【番外編】 案内役の葛藤
--私は案内役。
プレイヤーの恋が上手くいくように手助けをする。応援する。それが私のお仕事。
紘燈さんの恋は中々うまくいかない。でも話を聞いてると優李さんは紘燈さんに気がありそうなのよね。
いい所はあるんだけど。でも度胸は足りないわねぇ。あと無駄にエロい。それが問題かしら。
それでも最近はよくなってきたわね。これできっとうまくいくはず。
優李さんが泣いてる?今回もダメだった?なぜ?
え?私の事が好き?
嬉しい。でも素直に喜べない。
私はプレイヤーじゃない。第一優李さんと一緒にいた方が紘燈さんは幸せになるに決まっている。
紘燈さんの前から消えよう。
ここならきっと見つからない。陰から応援しよう。頑張って、紘燈さん。
ああ、とうとう優李さんが結婚してしまった。なぜ紘燈さんはもっと頑張らないの。どうしよう。もう1度<redo>すべきかしら……
ブーケだ。綺麗。
しまった。紘燈さんに気づかれた。こっちに向かってくる。でも足が動かない。逃げられない。
仕方ない。<redo>の準備をしよう。
きちんと顔を見るのは久しぶりだ。懐かしい。心が痛い。
「5年間、陰から見てたんですよぉ」