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勘違い無自覚系令嬢が現われた話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/09/03

※ローファンタジー作品です。

「頂きますですわ!」



 僕は山之内悟、小五だ。我が家では夕飯の時間だ。

 いつの間にか、まるで中性ラブロマンスに出てくる令嬢、白いドレスに金髪を肩まで下ろし、レディース用の麦わら帽子を被っている令嬢と言う者が目の前にいる。


 一言で言えば、清楚系だ。



 学校の帰りに気がついていたら自然とついて来ていた。家にまであがる。

 そして、今、ご飯を食べている。


 お母さん姉ちゃんも黙ってご飯を食べている。



「あの、外国人のお姉さん。・・・どうして家に入ったの?」



「あっ、申訳ございませんわ。『勘違いですわ』」


「「・・・・・・」」


 やっぱり、母ちゃんと姉ちゃんは黙ったままだ。



「勘違いしてお風呂に入りますわ」



 外国人のお姉さんは風呂に入った。


 そしたら・・・


「悟!話したわね!」


「姉ちゃん。あれは何なの?」


「あれは、無自覚の『勘違いさん』よ・・・とても怖いのよ・・・」



 気に入った男に付いていくのよ。知らないうちに住み着いて・・・後は伝わっていないわ。

 何故なら消息不明なのよ!



「私も40歳になって初めて見たわ。半信半疑だったわ・・」


 都市伝説のお姉さんみたいだ。




「とにかく、お父さんは海外に長期出張だから私達が守るわ!」

「早苗、今から百均に行って南京錠と金具かってきなさい」

「分かったわ。お母さん」



 その後、姉ちゃんが僕の部屋に内側から鍵をつけてくれた。



「何があっても入れるのではないわ・・・私達は何があっても貴方に助けを求めないわ・・・」


「でも・・1人じゃ怖いよ。姉さん一緒に寝てよ」


「お母さんと私が、関わると、『ざまぁ』認定されて、病弱従姉妹、欲しがり妹、・・・イジワルマダムになってしまうわ・・」


「そう・・なの?」

「だから、これは貴方が1人で頑張るしかないのよ!」




 夜、寝ると、ドアがやっぱりガチャガチャする。


 ガチャ!ガチャ!

「サトル様、入れて下さいませ・・・」



 その日はそれですんだ。

 平然と朝食を一緒に食べる。



「あら、義母様、お代わりをお願いしますわ。あっ、普通でいいですわ」


 母さんは黙って茶碗を差し出した。

 普段通り過ごさないとどっかにつれて行かれるらしい。





 夕方、青年団の方々が来た。



「任せな。どうせ迷惑系外国人だろ?」

「俺らが国へ返してやる!」



 もう、噂が広まっているらしい。


 母さんと姉さんは無言だ。



 夜、部屋の前で番をしてくれた。


 声が聞こえた。


「おう、ここは子供部屋だ。帰った。帰った」

「そうだ。お姉ちゃん何をする気だ?」



 すると、低くくぐった声が聞こえた。



「クククク、『勘違い!』盗賊認定!無自覚討伐!」


 ピカとドアの隙間から光が差し込んだら・・・


 声は聞こえなくなった。


 そして、ドア越しに僕に語りかけた。低い声だ。


「サトル様、いつまでダンマリなのですか?良いですわ。明日には貴方を『甘えっ子の義弟』認定にしますわ・・・『私が守らないとダメなんだか?」ってね』



 その日はこれですんだ・・・


 翌朝、青年団の方々は部屋の前で寝ていた。


「あら、仕事行かなきゃ」

「どうして、山之内さんの家で?」


 全て忘れて家を出た。


「「お邪魔しました」」




 もう、ダメだ。どうしよう。『甘えっ子の義弟、私が守らないとダメなんだか?』にされてしまう」

「サトル様、学校?」

「はい・・・」

「早く、帰って来て下さいませ・・寄り道したら分かりますわ」



 名を聞いてもいけないみたいだ。向こうは名を聞くのを待っている。名を聞いたら負けだ。


 最低限の会話、「はい・いいえ・分かりません」と答えるのが『勘違いさん』に出会った時の対処法だ。


 学校が終わり帰宅する。

 そうだ。帰り駄菓子屋さんに寄ろう・・・いや、寄り道をしたら分かる・・・

 寄り道しないで帰ろう・・・


 と思ったが・・・


 ガバ!と背中から抱きつかれた。


「はあ、はあ、美ショタなり!」


 女の人の声だ。



「や、やめてよ!」


 だが、小声で話しかける。


「拙者は真のなろうソムリエ!赤木厚子なり!噂を聞いたなり!今から『勘違いさん』の攻略法を教えるなり!」



「ええ・・・そんな方法で?」



 話が終わったら警察官が来た。



「コラ!また、お前か?」

「逮捕だ!」


「ヒィ、悟殿!頑張るでござる!」


 僕はそのまま家に戻った。



「あら、悟様、大丈夫でしたか?」


 どうやら、赤木さんとのことは知っているらしい。


「気をつけて下さいませ。今夜は記念日になりますから・・」


 だが、攻略法は知らないみたいだ・・・




 夜、ドンと音がしてドアが蹴破られた。


「姉ちゃん!お母さん!・・・青年団の方・・」


 お母さんとお姉ちゃんも話してしまったらしい・・・皆、催眠状態のようだ。



「やっと、私を見てくれましたわね。大丈夫ですわ。私がついている。このクラア家に独り養子で来て寂しいですわね。お義姉様が添寝して差し上げますわ・・・ククククッ」



 意味が分からない。目がおかしい。何か叫ぼうとしている。


「『勘違い・・!・・・』



 ここで僕は叫んだ。赤木さんから教えてもらったフレーズだ。



【お前を愛する事はない!】


 ピカッ!


 すると、一瞬、外国人のお姉さんは呆然として・・


「あら、なら、行かなきゃ・・・」


 部屋を出た。


「・・・あれ、私どうしたのかしら?」

「本当ね。まあ、青年団の方々・・・」


「「あれ?」」



 あれで無事にすんだ。



 赤木さんの話だと、僕は気難しい小公爵になって・・・・




「あら、お母さま、家計簿つけますわ」

「まあ、マーガレッタさん。有難う・・・」


「マーさん。悟の宿題、見てあげて」

「はい、分かりましたわ・・・・」



 お姉さんはコスプレ外国人、日本で迷って家に厄介になったと認識されている。



 そして、マーガレッタさんは有能になって、そのうち、いなくなって、いや、『追放」になるらしい。

 

ざまぁは軽い『ああ、マーガレッタさんがいなくて不便だな』ぐらいの感覚になるらしい・・・




 ピンポ~ン!


「は~い」


「田舎警察署ですが・・・」


 あ、しまった。赤木さん。そのままだった。

 事情を話さなければいけないことに気がついたが。


 勘違いで済むかと悩む。



最後までお読み頂き有難うございました。

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