勘違い無自覚系令嬢が現われた話
※ローファンタジー作品です。
「頂きますですわ!」
僕は山之内悟、小五だ。我が家では夕飯の時間だ。
いつの間にか、まるで中性ラブロマンスに出てくる令嬢、白いドレスに金髪を肩まで下ろし、レディース用の麦わら帽子を被っている令嬢と言う者が目の前にいる。
一言で言えば、清楚系だ。
学校の帰りに気がついていたら自然とついて来ていた。家にまであがる。
そして、今、ご飯を食べている。
お母さん姉ちゃんも黙ってご飯を食べている。
「あの、外国人のお姉さん。・・・どうして家に入ったの?」
「あっ、申訳ございませんわ。『勘違いですわ』」
「「・・・・・・」」
やっぱり、母ちゃんと姉ちゃんは黙ったままだ。
「勘違いしてお風呂に入りますわ」
外国人のお姉さんは風呂に入った。
そしたら・・・
「悟!話したわね!」
「姉ちゃん。あれは何なの?」
「あれは、無自覚の『勘違いさん』よ・・・とても怖いのよ・・・」
気に入った男に付いていくのよ。知らないうちに住み着いて・・・後は伝わっていないわ。
何故なら消息不明なのよ!
「私も40歳になって初めて見たわ。半信半疑だったわ・・」
都市伝説のお姉さんみたいだ。
「とにかく、お父さんは海外に長期出張だから私達が守るわ!」
「早苗、今から百均に行って南京錠と金具かってきなさい」
「分かったわ。お母さん」
その後、姉ちゃんが僕の部屋に内側から鍵をつけてくれた。
「何があっても入れるのではないわ・・・私達は何があっても貴方に助けを求めないわ・・・」
「でも・・1人じゃ怖いよ。姉さん一緒に寝てよ」
「お母さんと私が、関わると、『ざまぁ』認定されて、病弱従姉妹、欲しがり妹、・・・イジワルマダムになってしまうわ・・」
「そう・・なの?」
「だから、これは貴方が1人で頑張るしかないのよ!」
夜、寝ると、ドアがやっぱりガチャガチャする。
ガチャ!ガチャ!
「サトル様、入れて下さいませ・・・」
その日はそれですんだ。
平然と朝食を一緒に食べる。
「あら、義母様、お代わりをお願いしますわ。あっ、普通でいいですわ」
母さんは黙って茶碗を差し出した。
普段通り過ごさないとどっかにつれて行かれるらしい。
夕方、青年団の方々が来た。
「任せな。どうせ迷惑系外国人だろ?」
「俺らが国へ返してやる!」
もう、噂が広まっているらしい。
母さんと姉さんは無言だ。
夜、部屋の前で番をしてくれた。
声が聞こえた。
「おう、ここは子供部屋だ。帰った。帰った」
「そうだ。お姉ちゃん何をする気だ?」
すると、低くくぐった声が聞こえた。
「クククク、『勘違い!』盗賊認定!無自覚討伐!」
ピカとドアの隙間から光が差し込んだら・・・
声は聞こえなくなった。
そして、ドア越しに僕に語りかけた。低い声だ。
「サトル様、いつまでダンマリなのですか?良いですわ。明日には貴方を『甘えっ子の義弟』認定にしますわ・・・『私が守らないとダメなんだか?」ってね』
その日はこれですんだ・・・
翌朝、青年団の方々は部屋の前で寝ていた。
「あら、仕事行かなきゃ」
「どうして、山之内さんの家で?」
全て忘れて家を出た。
「「お邪魔しました」」
もう、ダメだ。どうしよう。『甘えっ子の義弟、私が守らないとダメなんだか?』にされてしまう」
「サトル様、学校?」
「はい・・・」
「早く、帰って来て下さいませ・・寄り道したら分かりますわ」
名を聞いてもいけないみたいだ。向こうは名を聞くのを待っている。名を聞いたら負けだ。
最低限の会話、「はい・いいえ・分かりません」と答えるのが『勘違いさん』に出会った時の対処法だ。
学校が終わり帰宅する。
そうだ。帰り駄菓子屋さんに寄ろう・・・いや、寄り道をしたら分かる・・・
寄り道しないで帰ろう・・・
と思ったが・・・
ガバ!と背中から抱きつかれた。
「はあ、はあ、美ショタなり!」
女の人の声だ。
「や、やめてよ!」
だが、小声で話しかける。
「拙者は真のなろうソムリエ!赤木厚子なり!噂を聞いたなり!今から『勘違いさん』の攻略法を教えるなり!」
「ええ・・・そんな方法で?」
話が終わったら警察官が来た。
「コラ!また、お前か?」
「逮捕だ!」
「ヒィ、悟殿!頑張るでござる!」
僕はそのまま家に戻った。
「あら、悟様、大丈夫でしたか?」
どうやら、赤木さんとのことは知っているらしい。
「気をつけて下さいませ。今夜は記念日になりますから・・」
だが、攻略法は知らないみたいだ・・・
夜、ドンと音がしてドアが蹴破られた。
「姉ちゃん!お母さん!・・・青年団の方・・」
お母さんとお姉ちゃんも話してしまったらしい・・・皆、催眠状態のようだ。
「やっと、私を見てくれましたわね。大丈夫ですわ。私がついている。このクラア家に独り養子で来て寂しいですわね。お義姉様が添寝して差し上げますわ・・・ククククッ」
意味が分からない。目がおかしい。何か叫ぼうとしている。
「『勘違い・・!・・・』
ここで僕は叫んだ。赤木さんから教えてもらったフレーズだ。
【お前を愛する事はない!】
ピカッ!
すると、一瞬、外国人のお姉さんは呆然として・・
「あら、なら、行かなきゃ・・・」
部屋を出た。
「・・・あれ、私どうしたのかしら?」
「本当ね。まあ、青年団の方々・・・」
「「あれ?」」
あれで無事にすんだ。
赤木さんの話だと、僕は気難しい小公爵になって・・・・
「あら、お母さま、家計簿つけますわ」
「まあ、マーガレッタさん。有難う・・・」
「マーさん。悟の宿題、見てあげて」
「はい、分かりましたわ・・・・」
お姉さんはコスプレ外国人、日本で迷って家に厄介になったと認識されている。
そして、マーガレッタさんは有能になって、そのうち、いなくなって、いや、『追放」になるらしい。
ざまぁは軽い『ああ、マーガレッタさんがいなくて不便だな』ぐらいの感覚になるらしい・・・
ピンポ~ン!
「は~い」
「田舎警察署ですが・・・」
あ、しまった。赤木さん。そのままだった。
事情を話さなければいけないことに気がついたが。
勘違いで済むかと悩む。
最後までお読み頂き有難うございました。




