何にだってなってみせる(百合。片想い)
まず知ったのは、彼女の漫画。
可愛い猫とペンギンのデフォルメ漫画。
一目惚れして、個人誌をお迎えした。
一年前の、文化祭でのこと。
今でも疲れているときに読み返して、何度も癒されている。
それから、彼女自身を知った。
共通の友人から、それとなく情報を探った。
お人好しで。真面目で。
綺麗なノートを書くのだという。
誰かが困っていたら、つい手伝いの手を差し伸べる。
あの漫画から連想されるイメージそのままの作者。
ますます、作品が好きになった。
それから。
「あの子今、このイラストにベタ惚れなのよ」
恋をしていること。
「ガチ恋って感じ」
恋の相手は、この次元のひとではない。
──好都合だ。
「……へえ」
彼女の恋の『お相手』を見ながら、私は考える。
もうすぐ、文化祭。
うちのサークルは、毎年コスプレ喫茶を開く。
そしてもともと、趣味でもコスプレをする私。
やることは、一つだ。
「ロングの黒髪ウィッグ、あったかな? 伸ばすのも悪くないな」
衣装は、そんなに凝ったものではない。
これまたラッキーだ。
きっと彼女が喜ぶ『彼女』になってみせる。
私は、まずは許可を取るべく、絵師さんにメッセージを送ることにした。
戦闘、開始。
END.
こちら『これは恋か、はたまた(百合。片想い)』(https://ncode.syosetu.com/n9047lt/17/)のレイヤーさんサイド。




