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「マスクの輪:第5回」

広間の影は液体煙のように濃く、半円に座る五人の人影を包み込んでいた。それぞれが色の違う仮面をつけている:レイラは黒、ミリサは緑、さらに二人は金と銀。そして中央には、祭壇の炎のように紅の魔女が座り、血のように赤い仮面で顔を隠していた。


アドリアンが態勢を整える間もなく、見えざる力が彼を前方へぐいと引っ張り、よろめかせた。


「待て!」彼はもがきながら叫んだ。「俺に何をするつもりだ?!」


魔女たちの声が奇妙な合唱のように混ざり合った:


「釣り上げられた魚のように跳ねてるわ!」ミリサは軽やかに笑ったが、緑の瞳に一瞬の不安が走った。


「静かに…」レイラは氷のような囁き声で言い、周囲の空気が暗くなった。


「彼は知るべきね…」金色の仮面の女が囁くと、その声は硬貨の鳴る音のようだった。


紅が手を上げると――全員が静かになった。


「そんなに心配しなくてもいい…」その声は柔らかくも、鋼が潜んでいるようだった。


「心配しないで済むか?!怒りで息も詰まるほどだ!」アドリアンは息を呑んだ。「話は聞いた!俺は五人目だ。最後だと。生贄にするとでも言うのか?!」


沈黙。


すると紅の魔女はゆっくりと仮面に指を触れた。


「真実が知たい?それなら…見せてあげる」


仮面が落ちた。


アドリアンは凍りついた。


そこにいたのは少女だった。悪魔でも古代の魔女でもなく、ほとんど同い年と思える若い娘で、深紅ワインのような瞳と、ほんのりラズベリー色の唇をしていた。


「…美人だ」思わず口を滑らせた。


紅は怒りではなく、恥ずかしさで顔を赤らめた。


「私…十七歳」彼女は呟くように言った。


「待て」アドリアンは後ずさった。「どうして俺の年齢が分かる?」


「未来が見えるの。でも、いつも当たるわけじゃない」彼女は目を伏せて答えた。


すると他の者も仮面を外した。


レイラ――月光のように青白い肌に、星が瞬くような瞳。


ミリサ――鼻にそばかす、エメラルドのまつ毛、太陽の光のような笑顔。


金色の魔女――ドラゴンメタルを思わせる肌に、鈴のような声。


そして…白銀の仮面の女。


静かで、ほとんど透き通りそうな、銀色のまつ毛と計り知れない悲しみをたたえた眼差し。


「彼女も…仲間なのか?」アドリアンは思わず手を伸ばしたが、彼女は驚いた子鹿のように引っ込んだ。


「ええ」紅が答えた。「でもまずは説明を」


彼女が手を上げると、空気が紅い文字で輝いた。


「私はエリザルダ。そして私たちは…呪われている」


真実の告白


「世間は私たちを老婆だと思っている。醜く、恐ろしい…あなた方の『バーバ・ヤーガ』のように」と紅が続けた。


「“骨脚”の…」アドリアンが反射的に付け加えた。


「ええ」レイラは口を歪めた。「でもあなたには…私たちは違って見える。私たちの本当の姿が見える五人目よ」


「そして最後の人」白銀の女が囁いた。その声はかすかに、葉ずれの音のように届いた。


アドリアンは冷や汗が背中を伝うのを感じた。


「じゃあ…俺がその呪いを解くってのか?」彼はきょろきょろしながら尋ねた。


「レイラから始めましょう」エリザルダが言った。「彼女があなたに一番近い」


「はあ…」アドリアンは白目を向いた。「神様、どうして俺をからかうんだ?!」


どこか天上から笑い声が響いた。


「ええ、からかってるわ!」少女の声が聞こえた。「五人もの魔女のハーレムを手に入れたのに、それが贈り物じゃないって言うの?!」


「彼はそれを望んでいたかすら聞かれなかったのに!」二つ目の声が割り込んだ。


「だから何?感謝すべきでしょ!」


アドリアンはため息をついた。


「わかった…あの“練乳モンスター”は誰の仕業だ?」


みんな顔を見合わせた。


「缶を見てごらん」レイラが言った。


ブリキの缶のほこりの下には、はっきりと文字が刻まれていた:


“軍事開発品。緊急時のみ開封せよ”


「…待て」アドリアンは青ざめた。「つまりソ連は魔法のことを知ってたのか?!練乳を武器として提供してたってのか?!」


しかし答えは聞こえなかった。


周囲の世界が震えたからだ。


空気が雷雨前のように唸り、壁がゆがんだ。そして突然――


「おっと!」


彼は移動を感じることなく、柔らかいソファーに着地した。


「今の何だ?!」彼は跳び起きて周りを見回した。


「レオノーラの魔法よ」紅が説明した。


「あの…白銀の?」


「ええ」


「なぜ俺だけが君たちの素顔を見えるんだ?」


レイラはため息をついた。


「あなたは五人目。そして最後に可能な人よ」


「私たちが出会った時の話、聞きたい?」ミリサが突然提案し、傍に座った。


アドリアンはうなずいたが、ソファーの背もたれに寄りかかると、まぶたが重くなった。


魔法が彼を包み込む――シルクのように温かく。


最後に見えたのは、四人の魔女全員がレオノーラを彼の方に押しやる姿だった。


そして――暗黒。


そして夢。


闇の魔女の夢


彼は落ちていた。


深淵を通り、時間を通り、彼女の過去を通って。


そして一人の少女を見た。


小さく、漆黒の髪をした少女が、焼け落ちた神殿の廃墟に座っていた。


彼女の顔には仮面。


あの仮面だ。


黒い仮面。


「レイラ…」彼は囁いた。


彼女は顔を上げた。


そして泣いた。


そして暗黒がすべてを飲み込んだ。

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