6口目「肉同士で戦うこと…」
ギュニクとの戦い、決着…
戦いが始まった。
ギュニク「肉で来たことを後悔させてやるぜ…!くらえ!バーニングファイヤー!」
司会「出たー!!ギュニクの十八番!!ブロックの肉を丸ごと焼くバーニングファイヤーだぁ!」
店主「ただの焼肉じゃねぇか。本物の肉料理見せてやるよ。」
司会「対する挑戦者は…!なんと肉を粉々にしている〜!!一体何をやっていると言うんだ!」
ギュニク「はっはっは!頭でもおかしくなったんじゃねぇか!?」
司会「その粉々にした肉を…?こ、こねた〜!!何と自分で粉々にした肉をこねている!?こんな料理は見たことない!」
ギュニク「おいおい!粘土遊びは他所でしろよ!誰かこのガキ幼稚園に連れてってやれ!アッハッハ!!」
…
嘲笑と嫌悪が会場を包み込んでいる…。
しかしその空気を一人楽しんでいる男がここにいた。
パチン!パチン!
店主「この空気を抜くのが肝心なんだよなぁ!」
観客「おい…あいつやばいって…」
観客「肉を投げてるの…?」
司会「さ、さぁ…!気を取り直してギュニクの方はどうなっているのか!」
ギュニク「俺の方はもうすぐ出来上がるぜ!ほらよっと!」
司会「肉が踊る!油と共に舞い踊る!その姿はまるで稲妻のごとく!」
ギュニク「はっはっは!どうだ俺の肉は!お前にこんな芸ができるかな?」
店主「よし、火をつけて…今だ!」
司会「こねた肉を焼いていく〜!…これは!肉汁が溢れる…!ハンバーグの方も稲妻のように…!いやそれ以上だぁ〜!!」
ギュニク「なんだと…!!負けてらんねぇぜ!これで仕上げだ!」
司会「天から降り注ぐスパイス!まるで流星のようだ!」
ギュニク「さぁ!完成だ!」
司会「ギュニクが先に完成した〜!!」
店主「よし!僕も完成っと!」
司会「ハンバーグの方も完成したぁ!」
5人の審査員の前に、2人の料理が並べられる。
両者の顔が自信に満ち溢れている。
審査員「いただきます。」
5人はギュニクの方から食べる。
審査員「おいしい!やはりディッシュタウンの肉の番人の名は伊達じゃないな!」
審査員「この野生味の溢れる味が食欲をそそるんだよ!」
ギュニク「よっしゃ!見たかクソガキ!これが俺の腕前だ!」
司会「で、では!続いてハンバーグの方をどうぞ!」
審査員は恐る恐る口へ運ぶ。
…5人の表情が変わった。
審査員「なんだこれは!美味すぎる!」
審査員「肉汁の量!質!全てが素晴らしい!」
ギュニク「な、なんだと!てめぇ一体何をしやがった!」
店主「僕はただハンバーグを作っただけですよ。」
司会「さあ両者の試食も終わったところで!いよいよお待ちかねのジャッジタイム!」
…緊張した空気感の中札が上げられた。
司会「5対0!!ハンバーグの勝ちだぁぁ!!」
店主「よしっ!!」
…店主は固く拳を握った。
喜びと肉を握りしめた手で…
審査員「とても素晴らしい戦いでした。大会が始まって以降最高の戦いだったと思います。こんな素敵な料理に出会えたこと心から感謝します。ありがとう。」
司会「次のステージに進むミスターハンバーグ!感想をどうぞ!」
店主「肉同士で戦うこと…。本当に楽しかったです!またいつかギュニクさんと戦いたいです!」
ギュニク「クソっ!!敵に情けかけんじゃねえよ!」
司会「さぁそれではミスターハンバーグには次のステージへ進んでいただきます!それでは皆さんseeyou ディッシュバトル!」
…勝てて本当によかった。
しかしグルメの街だけあってレベルが高かったなぁ。
同じ手じゃこの先勝つことは出来なそうだ。
そうだ…次は誰と誰なんだろう。
観客「おい!次マスターだって!」
観客「マジかよ!あのマスター生で見れるのかよ!」
…マスターか…どんな料理だろう。トイレ済ましたら僕も見に行ってみよう。
…数分後。
店主「ふう、だいぶ混んでたな。いっけねマスターの試合に遅れちまうよ。」
…階段を駆け上がり、異様な空気にすぐに気づいた。
観客「おい…!あいつ何やってんだよ…!」
観客「意味わかんねぇよ…!」
観客「あんなの見たことねぇ…!」
店主「どうしたんですか?」
観客「あ、お前さっきのハンバーグだな…見てみろよマスターと戦ってるあいつの料理…!」
店主「あれは…!!」
観客「あんな、あんなものを米の上に乗っけるなんて!」
…間違いない…!あの料理は…!
観客「生の魚を乗っけるなんて…!」
店主「寿司だ…!」
続く