4口目「変なことばっかじゃないか!」
託された物を手に店主は何を思う…
荒れ果てた街を背に店主は店に戻る。
店主「リゴラさん…皆…。」
一人悲しみに暮れる。
店主「こんなとこでウジウジしても仕方ない。今出来ることを考えよう。」
渡された石を眺める。
店主「どう見ても普通の石にしか見えない…でも命がけで渡したってことは何か大切なものに違いないはずだ。何かヒントは無いかな…あ!隣町にある仕入先の人だったら何か知ってるかもしれない。」
店主は隣町にある肉の仕入先に話を聞きに行くことにした。
店主「あとちょっと大きいけど、これも持っていこうか。」
赤い大剣と共に…
店主「お、重たいな…」
店主は歩き出した。
店主「隣町まで歩きは遠いなあ。この前まで配達してくれてたし…それと街をめちゃくちゃにしたあの黒い集団って一体何者なんだ…?」
「ギャオオ!」
店主「う、うわぁ!」
間一髪何かの攻撃を躱す。
店主「な、なんだこの化け物は!」
現れたのは見たことの無い異形の怪物だった。
店主「この世界変なことばっかじゃないか!」
…怪物はなりふり構わず襲ってくる。
店主「や、やばい!そうだこの剣で!」
大剣を振りかざし、攻撃を防ぐ。
店主「重てぇ…。こんなのずっと持てねぇ…!ただのハンバーグ屋だぞ…!」
ハンバーグを作ることに人生をかけていた店主に戦いの才能はない。
店主の体力が削られる中、怪物は飛びかかってきた。
店主「やばい!」
その瞬間、怪物は炎に包まれた。
店主「な、なんだ…!?」
空にリゴラのドラゴンがいた。
店に来た時彼が乗っていたドラゴン。
店主「もしかして守ってくれたのか…?」
ドラゴン「グルル…」
ドラゴンは大剣の方を見ている。
店主「リゴラさんのこと好きだったんだな…」
ドラゴンは大きく、少し寂しそうに鳴いた。
店主「よかったら一緒に行かないか?リゴラさんが託してくれたこの石の秘密を見つけたいんだ。」
ドラゴンは大きく翼を羽ばたかせた。
店主「行ってくれるのかい?」
ドラゴンは店主を背中に乗せ、空を飛んだ。
店主「ありがとう!そういえば名前はなんて言うの?って分からないか…」
リゴラの大剣が淡く光る。
店主が剣を見ると、鍔の部分に小さく「クローブ」と彫ってある。
店主「クローブって言うのか…?」
ドラゴンは大きく優しい声で鳴いた。
店主「よし、クローブ!あの方角にある隣町まで行こう!」
ドラゴンは天を駆けるように羽ばたく。
主の仇を討つために…。
続く