物好き
「あれ?ちょっとやりすぎちゃった?」
自分で吹っ飛ばしたジェットのところに行ったベリルは足でツンツンしている。
「まあ、生きてるみたいだし大丈夫よね。」
ベリルはジェットをそのままにして実のほうに歩きだした。
途中でジェットの仲間である自警団数人とすれ違ったが、ベリルは気にも留めない。
「おーお疲れ。」
「何も疲れるようなことしてないけどね。」
「いや、それはジェットがかわいそうじゃね?」
あれだけ激しい戦闘をしておきながら疲れてないって嘘だろ…。
俺がそんなことを考えていると、ベリルはふと周りを見る。
俺の周りにはもう長老を含めた子供たちはいなくなっていたのだ。
「あれ?ルナちゃんたちは?」
「もう別館に戻ったぞ。」
「ふーん…まあ、どうでもいいけど。」
ベリルはそう言いながらも少し不満げだ。
「ていうか、聞きたかったんだけどジェットは強かったのか?」
「んー、まあそうね……同年代と比べたら圧倒的に強いし、まだまだ伸びしろはあるって感じかな。お爺さんの言った通り準1級くらいの実力は確かにあるわね。」
「へえやっぱり強いんだな。」
「まあ、ジェットと一緒に訓練してた自警団の中には1級冒険者レベルの人が何人かいるしね。そもそも、こんな危険な森で生活している物好きたちを護衛しているような立場なわけだし…弱いはずないよね。」
「確かに…」
そう言えば前にこの森は危険が危ないって言ってたな。
1級冒険者しか入れないって言ってたし、そんなとこに今まで住んでたやつらが弱いわけ無いわな。
…あれ?1級しか入れないのにそれくらいの強さじゃない人もいるってどういうこ…
「あれ?もう帰ってきたの?」
俺が考え事をしていると、横にいるベリルがいきなりそんなことを言い出す。
そっちのほうに顔を向けると、この数日留守にしていたアリスが帰ってきていた。
「まあ調査は大体終わったからね。」
「…なんかわかったことあったか?」
「フフフ…これ見てよ。」
アリスがそう言った後、俺たちを覆うような大きな影が現れる。
見上げると何かが降ってきているのがわかる。
そして、空高く舞い上がっていた何かがアリスの後ろに落ちる。
それは『ティラノサウルス』みたいな見た目をした動物?恐竜?の死体だった。
「うお!なんだ?なんだ?」
「周りを調査してた時に見つけたんだけどさ…この動物の肉はおいしかった。これはもう最上級の調査報告じゃない?」
………
「えーっと、もしかしてバカ?」
お前は何の調査に行ってたんだよ。
作者 何の成果も得られませんでした!
女神 いやそんなことないですから…ただしゃべらないだけで。




