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冒険者ランク

俺とベリルがひそひそ話している間にも長老は授業を続ける。


「この冒険者ランクというのはそれぞれに基準みたいなのがあるのじゃ。」


長老は冒険者ランクを書いたピラミッド図を小さくして端のほうに寄せると、今度は『7級冒険者』『6級冒険者』とそれぞれの大文字を書き、その下にそれぞれの説明分を書く。


「まずは7級と6級冒険者じゃが、これは冒険者登録した者が初めになるランクとその次のランクじゃ。もし、冒険者として仕事を始めるなら数回依頼をこなしたら6級になれるため、7・6級にずっといる者は身分証替わりに使っている者がほとんどじゃ。」


さっきから気になってたけど、冒険者になるだけど身分が保証されるってすごいな。


どんな内容が冒険者を運営してる組織に登録されるんだろ。



「次に5級冒険者じゃな。このランクは冒険者見習いと呼ばれることが多い。まだ力が足りず、修行中って感じじゃな。そして4級、このランクは他の者とパーティーを組み始めて集団で行動するようになり、少しずつ冒険者として成長したという感じじゃな。


…まあ、おぬしらが冒険者登録するときはおそらく3級からになるじゃろうから5・4級は冒険者見習いと覚えておけば大丈夫じゃよ。」



黙って長老の話を聞いていたが、気になることができたので俺は隣にいるベリルに話しかける。


「……なぁ、ルナたちが冒険者になったら3級からってどういうこと?」


「冒険者ランクって3級から昇格試験みたいなのが必要で、普通は上位の冒険者とか有力者みたいな冒険者協会にとって信用がある人からの推薦で受けれるのよね。」


「へー…なんかめんどくさそうだな。」


「でも、1年に一回だけ推薦なしで3級の昇格試験を受けるチャンスがあるわけよ…私もそれで3級になったし。嫌がらせで昇格できない人を救済するための制度なんだけど、その制度を使うつもりなんでしょ。」


「ん?嫌がらせで昇格妨害されてるんなら、3級だけじゃダメなんじゃね?」


それじゃあ、結局3級で止まっちまうじゃん。


「別にそんなはないわよ。1年に一回でしかも場所も限られてる…一般には解放されてないけど、会場には1級冒険者とか…たまにだけど特級冒険者も見に来るからね。そこから推薦とかもらえるのよ。私も数人からもらったからね…1級の推薦。」


うーん…外のことを何も知らないからこれがいい制度なのか悪い制度なのかわからんな。



俺たちが話しているのを見ながらも、長老は授業を続ける。


ただ、子供たちがマネしないように遮音の結界をみのるとベリルの周りに張っているが…。


「3級冒険者じゃが…ここからは昇格試験が必要になり、世間的にいわゆる一人前と呼ばれるレベルじゃな。4級と比べて受けることができる仕事の数・種類が跳ね上がり、信用も増す。冒険者と名乗るのも、大体3級からじゃな。」


長老が淡々と話す中、子供たちはここまで黙って話を聞いている。


ベリルと話し終わった俺が再び長老の話を聞くが正直難しい感じの話だ、子供たちはわかるのか?



「そして準2・2級は少しじゃが歴史がある。もともと準2級という冒険者ランクは存在しなかったんじゃが、年月が経つにつれ2級冒険者と3級冒険者の実力に差が生じ、2級では簡単だが3級では難しい依頼などが出てきた。そこでその間に新しいランクを作り、調整したのじゃ。準1級が出来たのも同じ理由じゃな。」


『へぇよくわからんけど、歴史があるんだな。』


割と内容に興味があり、俺は結構真剣に聞いている。


そして、長老はここまで説明すると7・6・5・4級の説明を冒険者ランクのピラミッド図のように小さくして端に寄せた。


そして、残った3・準2・2・準1・1そして特級冒険者の説明を大きくする。



「ここからは3級からの基準じゃが、ここからは対魔物で例えられることが多い。この前襲い掛かってきて、勇者様が倒した生き物と呼べるかわからない奴らのことじゃ。」


長老がそう言うと、子供たちの中に少しの動揺のようなものを感じる。


多分、魔物や魔獣の姿を思い出したんだろう。


「まずは3級じゃが…弱い魔物を単独で倒せ、数人の集団だとある程度の魔物を倒せるくらいの実力じゃ。スタンピードが起こったときは後方支援となることが多いのう。」


『あれ?3級冒険者って一人前なんだよな……いや、そんなもんなのか?比較対象がいないからわかんねー。』


俺は周りに3級…どころか、冒険者がいないせいでどのくらいの実力かよくわからない。


「そして、準2級冒険者。たいていの魔物は倒せる実力だが、魔獣と戦うのは厳しいという具合じゃ。2級冒険者も同じような感じじゃが、スタンピードのときに戦力になるのは2級が最低レベルじゃな。」


スタンピードか……あの時のやつか。


俺はアリスともに集落に転移した時のことを思い出す。


かなり衝撃的なものはあったが、アリスが一人でやっちまったせいでなんかイメージがわかないんだよな。



「続いて準1級じゃが、ここからは人数が一気に少なくなる…1級に届かないながらも優秀な者たちじゃ。たいていの魔獣には勝つことができるほどの実力じゃな。ワシの孫である『ジェット』がこのくらいの実力じゃ…まあ、冒険者登録はしてないがな…。」


登録してないのかよ……いや、ジェットの年齢は俺と同じくらいだし当たり前か。



「そして1級冒険者。基本的に冒険者の中で最高クラスの実力を持っており、人によっては『特級』を差し置いて『人類最高戦力』なんて呼ぶものもおるランクじゃ。」


長老の授業はあともうちょっとだけ続く。

作者 やばい…思った以上にまじめで変な内容になっちまってる。

女神 少なくとも子供たちがじっと聞けるような内容ではない気がします。

作者 まあでも、冒険者ランクって割と重要だから…許してくれ。多分次で終わるから。

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