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とりあえず一件落着

場所はアリスとみのるが転移した集落に戻る。


しばらくアリスをボーッと見つめていたおじいちゃん…この集落の長老は現状を思い出したのか、とりあえず怪我のない住民に指示を出し始める。


「無事なものは怪我人を運ぶんじゃ。まだ何が起こるかわからん、油断するな。」


長老は遠くを見つめて動かないアリスを残して怪我人の治療に行く。




「………いない…。」


この騒動は人為的に起こされたものだとアリスは直観で分かっていた。


ただ、数キロ先まで見渡せるアリスの視力…そしてあたりを索敵できる魔法をもってしても黒幕が見つからないのだ。


『転移系の魔法が使えるやつでも居たのか?…いや、それにしては森が騒がしすぎる。』

「……気味が悪い。」


アリスはそう吐き捨てるように言うと、怪我人を治療するために長老のところへ歩き始めた。



————————————————————————————————————


長老のところについたアリスは長老の口利きもあり怪我人の治療を始めた。


「重ならないように寝かせたらそれでいいよ。あっ、木の触手が気持ち悪いとか言うのやめてね?普通に傷つくから。」


負傷者多数…ただ、今のところ死人はいない。



『うーん、あれだけの数に襲われて死人ゼロ…朗報だけど、そんなことあり得る?今回の件、改めて考えても不自然な点が多すぎる。拠点の襲撃…なんであんなことをした?あれがなければワタシはこの集落の騒動には気づかなかった。』


アリスは治癒を続けながらも頭を回す。


『いや、違う。そもそもこの集落の異変にだって本来気づけるはずない…ワザとだ。その気になればワタシに気づかれないように全滅だってできたはずだ。仮に黒幕がいらのなら、あのおじいちゃんを止めて『ケルベロス』で他を壊滅の状態にもできたはず………わからない…動機も目的もまったく。』


考えれば考えるほど、ドンドン沼にハマっていくような感覚。


もしかしたら、愉快犯で何も考えてないだけかもしれない。



「あーヤメヤメ…今は治癒に集中しよう。」



「…あの〜あなたは言い伝えにある勇者様…じゃよな?」


アリスが考え事をやめると、そのタイミングを待っていたのか長老が話しかけてきた。



「勇者?何のこと?」


「1万年前に世界を救った勇者様じゃよ…ワシのお爺さんから話を聞いただけじゃが間違いない。ワシの目は誤魔化せませんぞ?」


「……勇者…ねえ……」


アリスは何か思うところがあるのか再び考えごとをしているような態度をとる。



するとそこへ14歳くらいのオオカミ耳を持つ獣人の少年が何かを言いながら走ってくる。


「おじ…長老!リリアーナがいない!」


「あーその子ならワタシの仲間が回収に行ってるから大丈夫。」


「か…回収?」


回収という言葉を聞いて少年は顔が青ざめる。


死んでるとでも思ったのだろうか?



「おーい、アリス〜〜。この魔物トラップのせいでこの中に入れないんだけど!?」


「お…無事だったみたいよ?んじゃあおじいちゃん、ワタシはあの二人のところに行ってくるから。」


「ふぉふぉふぉ、了解ですじゃ。」


返事を聞くと、アリスはみのるの声がした方に飛んで行った。


「おじ…長老、あいつは何者なんだ?」


「さあ?誰なんじゃろうな?」


自分の孫の問いに、おじいちゃんはとりあえずしらばっくれた。

作者 アリスは長老のことをおじいちゃんと言っていますが、当然ながらアリスの方が年上です。

女神 年齢はアリスが大体1万歳で、長老のおじいさんが大体5千歳ですね。

作者 二人とも自分の年齢は大体で覚えているので、まあ…ほとんど一緒みたいなもんだけど。

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