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閑話 少女の悲劇

「ハア…ハア…ハア…。」


世界樹の森のどこか…一人の少女は走っていた。


既に体力は限界…たまには露出している木の根に足を引っかけて転びそうにもなったが何とか踏ん張り、走り続ける……。


後ろにいる『ワーウルフ』のような見た目の化け物…〈魔獣〉から逃げるために。



……


この少女の名前はリリアーナ。


ここ世界樹の森で遊牧民のような生活をしている一族の一人。


彼女はこの日、雪が解けた森の中で幼いころからの趣味である花摘みに行っていた。



ただ、ここ数か月…この森には異変が起こっていた。


はじめはみのるがこの森に転移してきたこと。


そして、通常この森に入ってくることのないドラゴンの襲来。


さらには世界樹周辺で本来、顕現けんげんすることのない『黒い狼』…みのるが海で戦った魔物が表われ…。


挙句の果てに、世界樹の守り人であるアリス・S・ダシルバァを開放するために一時的ではあるが世界樹が消滅した。



そして何より…それらの変化をずっと待っていた者たちが現在この森にやってきている。


この『黒い狼』や『ワーウルフ』は自然に表れたものではなく、何者かの『魂源魔法』で〈創造・使役〉された集団だ。



そんなタイミングでこの少女は一人離れたところへ花を探しに行ったのだ。


そこを〈魔獣〉に見つかり襲われた。



『このまま集落のほうに逃げれば誰かが助けてくれる。』そう思いながら少女は走っているが、そんなことはあり得ない。


その集落も現在襲撃にあっているのだから…それもみのるやアリスのところにやってきた以上の数が。


…そして、そんなところに近づくということは……。


「え……。」


目の前にもう1匹『ワーウルフ』…〈魔獣〉が現れた。



前にも後ろにも逃げれなくなった少女は最後の抵抗をするために尻もちをつきながらも『杖』を構える。



…と、そこへ前方の集落がある側の『ワーウルフ』の上を飛んでくる人影が現れた。


その人影は片手に斧を持っていて、まるで強引に誰かから飛ばされたみたいだ。



そして、その人影は『ワーウルフ』を飛び越えて少女の前に落ちた。


わかっていると思うがその人影はみのるだ。


「………」「…………」


その場に数秒の静寂が訪れた後、みのるは突如立ち上がり自分と少女を囲むようにして水を発射する。


この行動が刺激になったのか『ワーウルフ』が2匹同時に突っ込んできたが、実が作った水たまりに触れた瞬間…そこから木の触手が出てきて、『ワーウルフ』の心臓を貫いた。



「あーーこっわ…いきなり転移して人間砲台にされて、挙句絶対に俺じゃ勝てないって自分が言ったやつがいる場所に飛ばすか?普通…。」


少女は今起こったことがよくわからずに唖然としているが、みのるはグチグチとアリスに対する文句を言っている。


「ああ、忘れてた…えーっと、名前とか知らないけどケガはないよな?動けないなら運ぶけど…。」


「だ…大丈夫です…。」


少女が立ち上がったのを見て実は歩き始めるが、少女は不審者を見るような目で見る。


ただ、実の足が止まる。


「……ごめん…多分君の集落に行きたいんだけど…道案内できる?」


「…………」


少女の実を見る目は鋭かった。

女神 ていうか私が張った結界が誰かに壊されたんだけど?

作者 不良品だったんじゃね?

女神 そんなわけないでしょ!

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