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雪合戦 開始

『ドッカン!』


俺の背後にある雪の壁が轟音ごうおんを鳴らして崩れる。


ここは危ないと思い急いで動こうとすると、上から雪玉が大量に落ちてきて、もうあたりは地獄絵図だ。


…あれ?俺たちが今やってるのって雪合戦だったよな?




……………さかのぼること数分前…。


少し遅めの朝食を食べた俺たちは再び外に出て遊び始めた。



「ん~こういうのするの久しぶりだけど、割と楽しい。」


そう言いながら俺のとなりでアリスは雪だるまを作っている。


まあ、サイズは俺の知ってるようなものじゃなくて何倍もでかいやつだけど。


……ていうかあの鼻に使ってるでかいにんじんはどうやって育てたんだろ…今度教えてもらおう。



「ねえ、いつまで外で遊ぶ気なの?私もう家の中に入りたいんだけど。」


さっきから腕を組んで震えているベリルがグチグチと文句を言っている。


ゴレさんの作った防寒着を何重にも重ねて着ているが、寒いのに弱いらしい。


「いや一人で戻れよ…ていうか寒いの苦手なのに何でここにいるんだよ。」


「外であんたらが楽しく遊んでるのを家の中で一人で見てるのは寂しいでしょ!」


まあ、言いたいことはわかるけど…。



「!それじゃあさ、体があったまるようなことをすればいいんじゃない?雪合戦とか!」


アリスはそう言いながら地面に雪を集めて作った雪玉を俺の顔面に当ててきた。


かる~く投げた感じの雪玉だったのに、その衝撃であれは背中からひっくりかえった。


「……いってぇ…なにすんだよッ!」


俺は上半身を起こしてアリスに向けて雪を巻き上げたが、簡単に避けられた。



「ハッハッハ、残念でした。」


……イラァ…。


めっちゃイラつく言い方してくるじゃん、このおばあちゃん。


「おーい、スイたち!ちょっとこっちに来て。」



————————————————————————————————————



「みんな、なにやってるの?」


アリスに呼ばれて、離れたところにいたルナと精霊コンビがこっちにやってきた。


「それじゃあ全員集まったしチーム分けしようか。」


「アリスVSその他でいいんじゃないか?」

「ねえ、もう雪合戦するのは確定なの?」

「このままじゃ終われないだろ!」

「いや、知らないわよ。」


……


それから俺とベリルが少し言い争いをしていると、気が付けばあたりに雪の壁がまばらにできていた。


「じゃあチーム分けは『精霊トリオ(ルナ、スイ、ゴレさん)』VS『お騒がせコンビ(みのる、ベリル)』VS『勇者アリス』ってことで………はじめ!」


「は?ちょ…まて『ドッカン!』………。」



そして話は冒頭に戻る。


現在俺たち『お騒がせコンビ』は防空壕のように掘った雪の中の空間にいた。


外に出たら流れ弾だけでハチの巣になるのは目に見えているからな…しょうがない。



「んで?こっからどうするんだ?」


「こっちが聞きたいわよ!ていうか、この雪合戦って私があったまるために始まったよね?」


「でもこの中意外とあったかいじゃん。」


「そういう問題じゃないでしょ!」


この空間は結構あったかいんだけど…なぜかベリルは気に入らなかったみたいだ。



「ああもう……なんかあんたの〈アイテムボックス〉の中に温まるものとかないの?」


「結構前に作ってたコーヒーなら入ってるけど……飲む?」

「飲む」


俺たちは外でいまだになっている轟音を聞きながらとりあえず一杯コーヒーを飲んだ。


「…にっが……。」


どうやら、ベリルの口には合わなかったみたいだ。

作者 防空壕でコーヒーとかめっちゃ優雅だなこいつら。

女神 私は外がどうなってるのかがすごい気になるんですけど。

作者 戦ってるんだよ。

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