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でもやっぱり住みたくない

温泉から上がった俺はとりあえずアリスに謝った後、リビングでのんびりしていた。


ちなみにアリスはベリルとルナを連れて温泉に行った。



正直…ここに来る前はこんな危険なところに長居できるか!とか思ってたけど、広いし温泉あるし意外といいところだ。


…ホントにこれを貰っていいのか?



「あ~気持ちよかった。」


俺がいろいろ考えていると、温泉から上がったベリルがリビングに入ってきた。


そして俺を見ると、ベリルはニヤニヤし始める。


「そういえば聞いたわよ…あんた、アリスを覗いたらしいわね。」


「いやちげぇよ!あれはただの事故だろ!」


混浴だと思ってなかったんだから。



「まあでも、相手がアリスでよかったじゃん。

私だったら1週間は動けないようにしてたよ。」


いや怖いわ…


まあ、ベリルは無駄に乙女な感じがあるからな、男らしいくせに女らしいとかいうザ・ボーイッシュって感じだよ。


「あんた今変なこと考えてなかった?」

「いや何も?」


「…まあいいや。」


ベリルは釈然としない顔をしながらも、俺の前にある椅子に座った。


「それにしても、ここってホントにいいところよね。

豪華で広いし、ずっといてもいいくらいね。」


「…一応ここ俺の家だからな?」


「いや、ほとんどアリスの家みたいなもんじゃん。」


短剣を腰から取ったベリルはそれを布で拭きながら俺に正論を言う。



確かに俺もこの屋敷は自分のモノってより、アリスのものっていう印象のほうが強いけど…そのアリスが所有権を放棄してるんだからいいんだよ。


「そんなことよりみのる、あんたこれからどうするの?」


「と、言うと?」


「いや、ここに住むのかそれとも戻るのかって話よ。」


そう言いながら、ベリルは短剣の先を俺のほうに向ける。


俺はしばらく考えて結論を導き出す。



「まあしばらくこっちにいてもいいかな~って感じだな。」


「危ないから住みたくないって言ってたのになんで?」


「そんなに危険そうじゃないし、もうちょっと温泉につかりたいから。」


さっきはほんの数分くらいしか温泉に入れなかったからな。


日本人としてもうちょっと堪能したい。



「みのる!髪ふいて!」


「こらルナ、そんなに走ったらコケるぞ?」


温泉を上がったルナが髪をちゃんと拭かないままリビングに走ってやってきた。


そして俺のところまで来ると、膝の上に座って、タオルを渡してきた。


俺は受け取ったタオルでルナの頭をガシガシし始める。



「あれ?ルナちゃん、アリスはまだ温泉に入ってるの?」


「あともうちょっとだけ入るって言ってたよ!」


いやあいつどんだけ温泉に入ってるんだよ…おばあちゃんか?

「イッタ!」


俺がそんなことを考えていると、後頭部に衝撃が走り、振り返るとそこには風呂上がりのアリスが立っていた。


「誰がおばあちゃんか教えてほしいなぁ?」


「…もしかして声に出てました?」


「出してなくてもなんとなく考えてることはわかるわ…。」

『ドカァァァン』


アリスがもう一度俺の頭をチョップしようとした時、外から爆音が聞こえる。


「なになにナニ!?」

「ビックリしたー。」

「すごいおおきな音だったね。」


「ああ、またやってる。」


俺とベリル、ルナが驚いていると、アリスがあきれたような顔で外を見ている。


俺もアリスが見ているほうを見るが特に何も見えない。


「は?何?何が起こってるんだ?」


「いや最近ね…群れのリーダーが死んだのか縄張り争いしてるのか知らないけど、夜になると暴れだすの。」


アリスが説明してる間にももう一度外から爆音が鳴り響く。



安全?この音が聞こえるところのどこが安全なんだよ!


「よし…ベリル帰るぞ。」

「賛成。」


「え~~~~ー…。」



確かにここは素晴らしい場所だ。


豪華な屋敷に家具、広い部屋に大自然、あげく温泉まであるんだからとても魅力的だ。


ただそれでも、俺はここに住みたくない。



俺たちは〈転移門〉を通ってもともといた拠点に戻った。

作者 気分は殺人事件が起こった雪山の旅館にいるみたいな感じだな。

女神 さすがにそこまで物騒じゃないですよ…多分。

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