魔力がなくならない体になった
ご飯を食べ終わった俺たちは各々やりたいことをし始める。
俺とゴレさんはアリスがいなくても帰れるように〈転移門〉を建て始め、ベリルは博物館(仮)に飾られた【宝】を見て『グヘグヘ』しに行って、アリスは話してた博物案の一つにあった庭園をスイと一緒に造り行った。
そしてルナは昼寝の時間である。
「いやー、初めはまわりに『ティラノ』みたいなやつがいる場所でのんびりできるかって感じだったけど、どうやら何も入ってこないみたいだし、そう考えるといいとこだな。」
俺がそんな独り言をつぶやくと、ゴレさんが『そうかな?』みたいなジェスチャーをする。
何かゴーレムにしか感じ取れない何かがあるのだろうか…。
危険なものを感じ取ってるのなら言ってほしいものだ。
「にしても、〈転移門〉ってめっちゃ簡単に建てれるよな…木とか石で門を造って魔力流したら完成だからな。
…まあ、本当は個数制限とかあったんだろうけど。」
いろいろなスキルが〈世界樹の盟主〉ってのに統合されてレベルが馬鹿みたいに上がったからな。
全体が大樹の形をしたスキルパネルを一個一個見てると、左上の枝の先あたりに〈転移門の製造上限解放〉ってのがあって速攻取ったよね。
ていうか、レベルが7301になったのも驚きだけど、パネルの数が増えすぎたせいで、いまだに全部見れてないんだよ。
とりあえず使えそうな〈斧〉と〈お手伝いゴーレム〉…つまり〈ゴレさん〉のパネルは全部解放したけど効果はまだちゃんと見てない。
ただ、ゴレさんの使用人能力がかなり高くなったのはこの数日で実感してる。
あと、〈斧〉スキルはなんか漢字で書かれたかっこよさそうな技とかも習得したから今度アリスにでもぶち込んでみたい。
っとそんなこと考えていると、ちょっとだけ装飾を施したまだ起動してない〈転移門〉の原型が完成した。
「それじゃあ、起動させるとしますか。」
俺は木でできた門に触れると『メタスタシス』と唱える。
すると、門が俺の体から掃除機のように魔力を吸引し始め、一気に魔力を消費したときに起きる頭痛にさいなまれる。
…ちなみに『メタスタシス』とはカタカナ英語で直訳すると『転移』になるが、これは『癌』の転移によく使われるものである。
つまり、暗に俺たちが『癌』とあの女神様は言ってるわけである。
1分ほどすると門の魔力吸引が終わる。
俺は手を離して頭の中で拠点を思い浮かべると、門の内側が〈拠点の転移門〉からの景色に変わり、成功したのがわかる。
「ふーー…成功か。」
俺は頭痛がするため頭を押さえながら腰を下ろす。
ただ、ここにきて一つの違和感を感じる。
魔力を過剰消費した時の頭痛はするのに俺の魔力残量が全く減っていない。
それはまるで底からずっとジュースが湧き出るコップを彷彿とさせた。
「そういえば〈世界樹の盟主〉のスキルに絶対に魔力切れを起こさない的なこと書かれてたな。
これがその効果ってことか。」
異世界に来た時に魔法を使ったときにも思ったが、ちょっとずつ自分の体が異世界使用に変わってきているのは気づいている…でもこれはもうその領域を超えてる気がする。
ただ、ベリルに『魔法の才能がない』と言われ続けている俺としてはこの能力は正直うれしい。
まあ、そんな魔力を使う魔法を使えるようになるとは思えないけどな!
女神 みのるの魔力がほぼ無限になったわけだけど、これ意味あるの?
作者 作中でもトップクラスの威力を持つ〈特攻バグ〉を好きなだけ打てるようになる。
女神 ……もしかしてめっちゃ強くなった?
作者 〈世界樹魔法〉で体から木が生やせるようになって、簡単に〈特攻バグ〉を使えるようになったし、戦闘力はかなり上がったと思う。
女神 ちなみにみのるの次の戦闘は?
作者 少なくとも2章後までないと思う。(2章先までしか話考えてない)