表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/83

博物館計画

玄関から見て左の廊下をたまにある部屋を覗きながら歩いていると別館らしき屋敷に到着した。



……いや別館にしてはデカいな。


普通に本館がでかすぎて別館だけでも普通に立派な屋敷だ。


俺はとりあえず、無駄に装飾されているちょっと重い扉を開けて中に入る。



中は大きなホールになっており、本館とは違い部屋の数はそんなにない代わりに一つ一つが広い感じだ。


「ベリルの宝を置く場所を探してたけど…もう、ここでいいか。」


ホールの一室に入った俺はちょっとだけ見栄えを意識しながらベリルの宝を置いていく。


時には台座を使ったり、ジャングルを作って【隠された宝】感を出したりして割と楽しんでると、アリスとベリルがやってきた。



「お~これがベリルちゃんの見つけた【お宝】…結構きれいに飾ってるじゃない。」


「いいだろこれ、なんかちょっと楽しくなってな、結構いい感じだろ。」


「う~んそう?ガラスとかあったらもっとそれっぽくなりそうだけど。」


なんか両手に大きな袋を持っているベリルがそんなことを言う。


いやこいつは何をそんなに大事そうに持ってるんだ…。



でも、確かにそうだな…ガラスがあったらめっちゃそれっぽくなりそうではある。


ていうか、この世界にガラスってあるのね…どうやって作るんだっけ?


なんか砂を高温にすればできることは某ブロックゲームの知識で知ってるけど。



「そうね~…じゃあこんな感じでどう?」


アリスが指パッチンと鳴らすと、【宝】を覆うように透明な壁らしきものが出現した。


「おお?ナニコレ。」


「ただガラスみたいな結界を張っただけ。

どう?それっぽく見えるでしょ?」


「へえ、結界ってこんなこともできるのね。」


ベリルは袋を地面に置いて、アリスが張った結界をノックする。



「なんていうか…もう博物館みたいになってるな。(もともと、どっかの国宝らしいし)」


「………!いいこと思いついた!

みのる、博物館を造ろう。」



…なんか、ベリルが突拍子もないこと言い始めたな。


「どうした?大きな袋を抱えてる時から思ってたけど、頭おかしくなった?」


「いや、このままこの【宝】を売ったとしても、利益はそれだけになるわけじゃん?

それなら博物館でも立てて、永続的な収益を得ようと思ったのよ。」



ん~さすが守銭奴、いいアイディア…いや…

「…もしかしてだけど、ここまで客が来ると思ってる?」


「そこはあんたの〈転移門〉を使うか、でかい街にある館を買ったりすればいいのよ。」



〈転移門〉か…あれはあんまり他人に使わせたくないんだよな…まだアリスにも教えてないし。


「う~ん、まあとりあえずはいろいろ集めて飾ってみようぜ。

その出来栄えで客を入れるか考えよう。」


「……まあそれもそうね。」


「二人とも何話してるの?」


飾っているものの周りに結界を張っていたアリスが戻ってきた。


なんか結界に色が付いてたり、周りを広めに囲んで暗くしたりとだいぶ不思議な空間になっている。


マジで博物館みたいになってきたな。



「どう?」


「…結界ってこんなこともできるんだな。」


「いや、これはアリスがすごいだけよ。」



「そう言われると照れるね。

それで何話してたの?」


「いや、ベリルが博物館を作って不労所得を得たいらしい。」

「言い方!」


なんかベリルに叩かれた…事実しか言ってないのに…。



「でもいい考えなんじゃない?

ワタシ達ってベリルちゃん以外社会に出てないし、そのベリルちゃんも話を聞く感じ、金遣いが荒いせいでめっちゃ貧乏じゃん?」


「ちょっと!私を勝手に貧乏にしないでほしいんだけど。

それに!今はこれだけの【宝】を見つけたんだから貧乏じゃないでしょ!」


……………



「まあつまるところ、この森で何かあった時のためにもお金はあっても困らないって話。」


「…この森に何かある可能性とかあるのか?」


「0ってことはないでしょ。

例えばここが誰かの土地だったら追い出されることもあるかも。」


まあ何かあった時のために、ある程度のお金は欲しいよな。


……いや、それならこの【宝】を売りに行ったほうが早くないか?



「で、博物館をするとなった時に飾れそうなのはこの盗品の【金銀財宝】以外にないの?」


「あ~、一応あるっちゃあるな。」


俺は〈アイテムボックス〉から【ベリルの宝があった迷宮】の途中で見つけた魔道具や芸術品を出す。


一応、部屋の端っこでぶつぶつ言ってるベリルに許可は取ったから問題ないはずだ。


「お~絵とか像ってTHE Museumって感じでいいね。」


アリスは俺が作った額縁に入っている絵を持ち上げながら言う。



まあ確かに博物館を作るならこういう芸術品のほうがイメージはあるけど…さすがにピカピカしてるこの空間には合わないか。


「でも数が少ないね、他に何かないの?」


「いや、あとはもうこれだけだ。」


俺は〈魔法をかき消す黒い剣〉を出す。


すると、アリスが張った結界が一瞬にして粉々になった。

作者 某どうぶつの町づくりゲームみたいな博物館を作りたいと思ったから書きました。

女神 何か事件を解決したときに王様に報酬として芸術品を請求しそう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ