結界
ベリルとアリスに激辛料理を食べさせた次の日。
朝起きて散歩がてら外を歩いていると、アリスが女神様が張った結界を見たり触ったりしていた。
「えーっと?何やってるんだ?」
「おお、君!おはよう。
いや~、昨日から気になってたんだけど、ここすごい結界で囲まれてるから気になってね…ちょっと解析してもいい?」
「解析?…まあ結界を壊さないなら別にいいけど…」
「了解!」
アリスはそう言うと再び女神様が張った結界を眺め始めた。
「ふむふむ…なるほど……この森で安全なところなんてないと思ってたけど、ほんとにこれはすごいね。」
「もう一回言っとくけど、壊すなよ?」
「わかったわかった。」
俺は独り言をしゃべり始めたアリスを置いて家に戻ることにした。
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家に入るとゴレさんとアリスの精霊『スイ』が一緒に朝食を作っていた。
いや、ゴレさんがスイに料理を教えてるのか?
まあ、昨日みたいなことをしない限り料理はこの二人?に任せとけばおいしいものが食べれなくなる…なんてことはなさそうだな。
…にしても、めっちゃ仲良しだな。
「ふわぁぁぁ…おはよう…実。」
「おはようベリル、寝ぐせ立ってるぞ。」
今起きたばっかりなのか、ベリルは髪の毛を爆発させたままリビングに入ってきた。
別に髪が長いわけじゃないのに何で寝ぐせがそんなに立つんだよ。
「ん~、わかった。」
ベリルはふらふらしながら洗面所に歩いて行った。
いや、子供かこいつ…まあいいや、俺は料理を作ってるゴレさんに変わって、ルナを起こしに行くとしますか。
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「おーー、おいしそうなご飯だね。」
ちょうど朝食が完成した頃、外で女神様が張った結界を見ていたアリスが戻ってきた。
「あれ?もう解析終わったん?」
「まあね~、ちょっと効果は落ちるけど同じような結界を張ることはできるようになったよ。」
いや、神様が張った結界が張れるのかよ。
「でも…あれを造った人、絶対人間じゃないね。私でも同等の結界を造るのなら世界樹の近くじゃないと無理だもん。」
「いや、世界樹の近くなら同等の結界を作れるのかよ。」
さっき自分でこの結界を造った奴は人間じゃないって言ったよね?
自己紹介かな?
「でさ、あの結界をここに張ったのって君なの?
夜に光ったり、敵意のある存在が入れないとか相当すごい結界だけど?」
「あ、それ私も気になってた。」
んー、答えに困る質問来たな…まあ、ここは無難に…
「いや、ここに来たら結界があったから使わせてもらってる。」
「あと数か月で消える結界を偶然見つけたってこと?」
やめろ!それ以上俺を詰めてくるな。
「まあ、とりあえずいいや。
ワタシさ、ごはん食べ終わったら世界樹に結界の試し張りに行こうかと思うけど、一緒に行く?
あのデカい家、一応あなたのものだし、見といたほうがいいんじゃない?」
「あ~あの家か、あんなバカみたいにでかい家どうでもいいんだけ……」
ん?ちょっと待て、昨日はいろいろあって考えなかったけど、あの家って住むのは嫌だけど、宝を入れておくにはめっちゃいいんじゃね?
「…なあ、あの家に人間がやってくる可能性ってどれくらいあるん?」
「?まあ、人がやってくる可能性はほぼないんじゃない。
そもそもこの森に好き好んで足を運ぶ人間なんて君たちみたいな人しかいないんだし。」
ねぇ、その言い方やめてもらえる?
俺たちがどうしようもない変人みたいじゃん。
「それで、実は何が言いたいの?」
「いや…ベリルの【宝】をあの世界樹の家に置いておくのが一番安全じゃないかな~って思っただけ。」
作者 結界パクられたけどどんな気持ち?
女神 やっぱアリスだな~って感じ。




