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歓迎会

窓の外から夕日が差し込む時間、俺はベットの上で目を覚ました。


「あれ?俺は何でここに…確か、逆バンジーして…木に不時着したあと……。」


「そうだ!ベリルのやつに顔面殴られたんだった。

助けてやったのにあんなことするか普通。」



俺はベットの上でこぶしを握りながらさっきの出来事を思い出す。


「フハハハ、今日の夕飯は存分に楽しんでもらわないと……ん?」


独り言を言いながら隣のベットを何気なく見ると、そこにはなぜかルナが寝ている。



おかしいな、今は夕方…ルナがいつも昼寝してる時間とは全然違う。


…まさかとは思うが……。


俺はとりあえずゴレさんを送還・召喚の順で呼び出し、事情を聴く。




………なるほど…ルナに裁縫を教えてたら予想以上にハマったから朝方までやってたと…。


俺がゴレさん事情を聴き終わるころ、ちょうどルナが目を覚ましたのでとりあえず叱った。


「夜更かしダメ!絶対!」


————————————————————————————————————



ルナとゴレさんを叱った俺は料理の準備をしていた。


本当はゴレさんが作る気満々だったが、とある事情により俺に変わってもらった。



「にしても、みのるも意外と固いよね。

たった1日くらい夜更かししてもいいじゃない。」

「それは確かにそう。」


リビングの椅子に座っているベリルとアリスが落ち込んでいるルナを慰めながら俺に突っかかってくる


「あのな、不真面目二人…ルナはまだ2歳なの。まだ子供なんだよ。

夜更かし癖なんてついて非行少女になったらどう責任取るんだ。」


「あんたはルナちゃんの何なのよ。」


「保護者だよ。一応言っとくけどルナに変なこと教えたら追い出すからな。」


「いや保護者って…あんた私と同じ15歳じゃない。」


「気にするな!」


なんかベリルからすごい視線が刺さっているが、『鷹の爪』を切るのに忙しいので無視する。



「そう言えばルナ…いやルーナリアちゃんだっけ…。

初めまして、ワタシはアリス・S・ダシルヴァ、今日からここにお世話になるからよろしくね!」


「うん?よろしく?アリスおねぇちゃん?」


急にお世話になるなんて言われても、戸惑いながら挨拶してくれるルナを見て、アリスはルナを抱き上げて膝に乗せる。


「ああ~ケモミミロリだけでめちゃくちゃかわいいのに、こんないい子とか…ほんとよくまあ叱れたよね彼。」



…やばいな、男女比がぶっ壊れ始めたせいで俺の肩身が狭くなってきた。


ていうか、ベリルは露骨にアリスのこと嫌ってたのに何でもう仲良くなってるんだよ!


…いや、たぶん買収されたのか。


ずっとこの森にいたなら人間社会でも貴重なやつとかたくさん持ってる…いや、知ってるだろうし。


てか、ベリルと一瞬で仲良くなるとかこれ以外に方法わかんねぇ。



「あっ、ご飯できた?」


「ああ、ご飯できたから取りに来てくれ。」


俺の料理が終わるのと同時に、ベリルが目ざとく気付く。


「じゃあ…これとそれがお前とアリスの分だから持って行っていいぞ。」


「…なんで私とアリスの分が決まってるの?

…まさかと思うけど何か入れたりしてないよね?」


ッチ…なんでこいつはこんなにカンがいいんだよ。



「…いやいや、今日はお前ら二人の歓迎だからな。

二人の料理はちょっと豪華にしてるんだよ。」


「ん~~ん?ならいいかな?」


まだ疑われてるみたいだが、まあ大丈夫だろ。



————————————————————————————————————


ご飯を机の上に運んだ俺は依然暇なときに作っておいたオレンジジュースを持ってきて全員のコップに注ぐ。


「ねぇ、お酒ないの?」

「あるわけねぇだろ…ていうかお前まだ15才だろ、飲むなよ。」

「え~~」


え~~じゃねぇよ、え~~じゃ。

未成年で酒飲もうとするな。


ちなみにアリスとルナは酒を知らないのか不思議そうな顔をしていた。


「それじゃあ、(一応)二人の歓迎会ってことで乾杯~」

「「乾杯」」「!?かんぱい!」


手に持ったコップをお互いのコップに当てて乾杯をする。


異世界にも乾杯文化があってよかったわ、知らなかったらめっちゃシラケてたところだ。


まあ、ルナは知らなかったみたいで俺たちに合わせて動いていたのは申し訳なかったが。



っと、俺がそんなことを考えていると、ベリルが『鷹の爪』をマシマシに入れた煮込み魚をフォークで口に運んでいた。



「…!んーー!ん~~![ゴク]辛あああああああああああああああ!」


「おーおー、ちゃんと喜んでくれてるようで。」


「…あんら、ないなってくれたお!」


「ハッハッハ、ちょっと何言ってるかわかんない……え?」


俺はベリルが激辛料理を食った反応を見て満足すると、今度はアリスのほうを見る。


そこには、ベリルが辛くてろれつが回らなくなるほどの料理を平気な顔をしてパクパク食べているアリスがいた。


「あ…アリスさん?」


「ん?どうかした?……ああ、料理おいしいよ。」


いや、そういう問題じゃなくて…まあもういいか。


俺は辛さで走りまわっているベリルを見ながらそう思った。

作者 この4人の辛さ耐性はこんな感じです。

実 まあまあいける。

ルナ カレーは甘口。

ベリル 人並には食べれるけど好き好んでは食べない。

アリス 人間の限界を突破しててもいける。ていうか味覚がそもそもぶっ壊れてる。

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