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召喚魔法で造られた奴はたいがい苦労人?

空の旅をすること多分1時間くらい…まあ、気絶してたからわからんけど俺たちは今、女神様の結界が張ってある拠点の上まで来た。


「ちょいちょいチョイ!どうやって着陸するんだよ!

このスピードで激突したら俺死ぬぞ?」


「このスピードで着地したら、ワタシもちょっと痛いから…こうする!」


アリスは腰にある剣を抜いて、思いっきり地面に投げる。


そして、投げた剣が地面に刺さるとそこに葉っぱが『ふっさふさ』についてる木が生えてきた。



…多分あれをクション代わりにするってことなんだろうけど本当に大丈夫か?


まあ、空中で俺にできることなんてないし、あと数秒後に命があることを祈るしかない。


『ああもう!なんでこんな目に合うんだよ!」



————————————————————————————————————


俺たちが木に突っ込むと、生えている枝をバキバキ折りながら一応無事に着陸できた。


ちょうど畑に水やりをしていたゴレさんが『なにごと?』みたいな感じでこっちに向かってきている。


「いってぇぇ、これ骨とか折れてないよな…。」


「大丈夫大丈夫!ワタシ、回復魔法使えるから。」


そういう問題じゃないんだよ…そういう問題じゃ。



ん?ていうか、ベリルは?さっきからしゃべってないけど……


俺はキョロキョロとあたりを見渡してベリルを探すがいない。



「あらら、ベリルちゃんは引っかかっちゃったみたいね。」


アリスが木を見上げながらそんなことを言っている。


俺もアリスが見てるほうを見るとベリルが枝に突っかかっていた…しかも気絶してるし……。



「君、受け止めてあげてね。」


アリスは自分が投げて地面に刺さっている剣を握りながらそんなことを言う。


「は?どういうこと…」


俺が意味を聞こうとしていると、アリスが普通に剣を抜いた。


すると、木がゆっくりと消えて上で引っかかっていたベリルが落ちてくる。


「うお…重てぇ…」

「私は重たくない!」


俺は受け止めたベリルに顔面を殴られた……理不尽だ…本当に理不尽だ。


俺は薄れゆく意識の中でそう思っていた。



————————————————————————————————————


「あ…やっちゃった。」


ベリルは自分が殴ったせいで動けなくなったみのるを見てつぶやく。


ただ、すぐに『重てぇ』と言われたことを思い出して申し訳ない気持ちはすぐに消し飛んだ。


『胸がないのに体重が意外とある』という悩みを持ってるベリルにしてみれば殴るほど怒るのは雨が降ったら濡れるくらい当たり前のことだった。



「………」「………」


実が気絶してアリスとベリルが気まずそうにしてると、ゴレさんがやってきた。


「あっ、ゴレさん…ちょうどよかった。

みのるを家のベットに連れて行ってくれない。」


ゴレさんは若干いやそうに頷いて、実を引きずるように連れていく。


「ふわぁぁ、私もちょっと寝ようかな…」

「ねぇベリルちゃん、ワタシは何したらいいのかな?」


「…水やりでもしてたらいいんじゃない?

実が起きたら多分頼まれると思うし…まあ、私は寝るから自由にしてていいんじゃない?」


ベリルはそう言うと、ゴレさんの後を追って家に歩いて行った。



「う~ん、水やりねぇ…ワタシも久しぶりのシャバで疲れたんだよね。」


アリスはしばらく考えると、いい案を思いついたのか、実たちと【宝探し】の時に戦った『クリオネ』を召喚する。


「やっほ~『スイ』、今日からワタシはここに住むわけになったけどなんか働かなきゃいけないみたいなんだよね。

というわけで『スイ』、あそこの畑の水やりやっといてくれない?」



アリスが召喚主の精霊…名前は『スイ』


水を自由自在に操ることのできるこの精霊は普段、世界樹の周りに生えてた花のお世話なんかをしていた。


だからこそちょうどいいとばかりにアリスの仕事を押し付けられようとしている……もちろん水でいろいろなものを作って拒否はするが…。


「じゃ、任せたよ!」


アリスはこの場所の見学をするためにそそくさと歩いて行ってしまった。



残された『スイ』は内心では愚痴を言いながら水やりをし始める。


しばらくすると、実をベットに連れて行ったゴレさんが帰ってきて、『スイ』の隣で水やりを始める。



会話はできない二人だが、仲良くなるのに時間はかからなかった。

作者 水の精霊の『スイ』、この1万年アリスに便利屋としていろいろさせられてる割と苦労精霊。

女神 主人公たちと戦いに行けとか言ってたみたいだしね。

作者 ちなみにゴレさんはカテゴリーでは精霊で性別をつけるとしたらオス。スイはメスです。

女神 精霊に性別はありません。

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