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世界樹

次の日…俺たちは太陽が出る前に目を覚ました。


走り過ぎて疲れたせいで、寝袋に入った途端に寝てしまったのだ。



「ふわぁ…おはよう。」


「おはよう」


ちなみにだが、ベリルは朝にかなり弱い。


今も空いてるか空いてないかの目で〈アイテムボックス〉に入れておいた朝食を食べている。



…海に関わる仕事の人は朝に強いイメージなんだが、まあ自称海賊だしこんなもんか。


「ベリル…別にまだ寝ててもいいんだぞ?」


「……早く出発したいし大丈夫。」


そう言うと、ベリルは魔法で水を出して顔を洗い始めた。


「よし…目覚めた。」


顔を洗っただけで目が覚めるのか…便利な体だな。



「それじゃあ、さっさとご飯食べて移動始めようよ。

一晩経ってルナちゃんが心配だし、早く戻ろう。」


「おう、そうだな。」


俺はここでキャンプするために出したものを〈アイテムボックス〉にしまって、出発の準備を始めた。



………一方その頃ルナとゴレさんは


「あみものって楽しいね!」


保護者のいない夜を満喫していた。



————————————————————————————————————



朝を通り越して昼…現在俺たちはこの森の中心にある世界樹に向けて走っている。


「ねぇもうちょっとスピード上げれないの?」


「昨日みたいにバテたら困るだろ?

これが適正スピードだ。」


「はぁ…もうちょっと身体強化が上手くできれば早くなるのに。

なんであんたそんなに魔法が下手くそなの?」



「……しょうがねーだろ…感覚がわかんないんだから。」


こちとら魔法の存在を知ってからまだ1年も経ってないんだよ。


逆に上手く出来る方がおかしいんだよ。


「……ホント、能力のバランスがおかしいよね…あんた。」


「褒め言葉と受け取っとく。」



俺たちがそんなことを話しながら走っていると、あたりに霧が立ち込めてくる。


初めは特になんの問題もなかったが、1時間もすると、隣にいるベリルが見えなくなるくらいに濃くなった。


そうなると、いくらまわりに結界があるとは言え、流石に走れなくなる。



みのる、手出して。」


「?いいけど…」


俺がベリルの方に手を出すと、ベリルがその手を握ってくる。


「!?」


「何ビクってしてるのよ…はぐれないようにしてるだけだから我慢してよ。

あと、武器は出しといてなんか嫌な感じがするんだよね…一回会ったことあるような…」


何を言ってるかはよくわからないが、一応〈斧〉を出して周りを警戒する。



そうして歩くこと数分……あるタイミングで足を踏み出した瞬間、『どこかにワープした』という感覚が俺を襲う。


そしてベリルもそれは感じたようで…

「実!警戒して!」


ベリルの声と同時に俺たちは歩みを止め、あたりを今まで以上に警戒する。



……………何もいない?


どういうことだ?なんで何もしてこない?


濃い霧の向こう側にはなんの気配もない……が、それを不気味に感じ、俺たちの警戒度を逆に高める。



『ここに来たのは失敗だったかも』と思いながらもジッと動かずに待っていると、あたりの霧が晴れていく。


…………


霧が晴れた時、そこから現れたのは街一つならゆうに飲み込んでしまいそうな程大きい木……一目でわかる…世界樹の木だ。



「……え?どういうことだ?

結界を作った奴が俺たちをここまでワープしたってことか?」


「…それはわからない…でも、さっきの霧を出したのはあいつみたいね。」



俺は世界樹を見上げるように見てたので下の方は見てなかった。


ただ、ベリルが正面を見てたので俺も正面に視線を動かすと、そこにはつい数日前に戦った『クリオネ』がちょっと可愛くなってそこにいた。



「は?あいつはベリルの魔法で粉々になったんじゃないのか?」


「生きてたってことでしょ。

逃げるよ実…はっきり言って戦う理由がないし。」


「おっおう、そうだ…」「あれ帰っちゃうの?戦ってるところ見たかったんだけど…」



「え?」

今後ろから知らない人の声が……


「エンチャント・ノバ……ツッ!」


謎の声が話しかけてきて俺がフリーズしてると、ベリルが振り返りながら相手の喉元を短剣で斬りつけようとする。


『なに…木の根?もしかして、こいつの魔法?』


しかし、相手の喉元ギリギリのところでベリルの体は木の根に縛られて動けなくなってしまう。



「は?」


「おっと、動かないで。

ワタシは別にあなた達の敵じゃないから、できれば武器を置いて欲しい…OK?」


後ろに振り向いて、後ろにいる奴の正体を確認しようとすると、俺のまわりにはいつの間にか6本程度の木の根が地面から出てきており、いつでも拘束できると言ってるみたいだ。



…………


ベリルはなんとかして拘束を外そうとしたが、うんともすんともいわない木の根に観念して、手に持っていた短剣を離す。


「うんうん、いいね。わかってくれた。

…で、そっちの少年は?」


ベリルが短剣を離したのを見て、俺も斧を離して手を上げる。


「わかってくれて嬉しいよ。」



それをしっかり確認したのか、ベリルの拘束は解かれ、俺のまわりにある木の根も消えた。


「おい、大丈夫か?」


「別に怪我とかはないかな…でも、こいつ化け物よ。」


ベリルは目の前にいる、肩の下まで伸びてる金髪の女の人を見ながらそう言う。



「ははは、ずいぶん嫌われちゃった。

まあでも、ちょっとワタシの話…聞いてくれるかな?」



こうして、俺たちはかつて世界を救った勇者と出会った。

作者 道のり長そうだったからカットしちゃった。

女神 まあでもこの勇者『瞬間移動』とかも一応できるから設定上は問題ないわよ。

作者 だったらそういう仕様ってことで。

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