あれ?…別に困らなくね?(フラグ)
俺たちの拠点が結界に覆われてから1日…俺はとんでもないことに気づいてしまった。
別にこのままでも困らなくね?ってことだ。
だって、ここには俺の耕した畑があって野菜や果物は取れるし、海の方も結界で覆われてるけど、なぜか魚は取れる。
そして水は魔法で出せるから最悪死ぬことはない。
ただ、一つだけ問題があるとしたら…
「ねぇ、今日こそ行こうよ世界樹…ね?」
一人うるさい奴がいることだ。
「あのな…この森は中心に行くほど強い奴がいるんだろ?
なんでそんなとこに好き好んで行かなきゃ行けないんだよ。」
「あの結界の中には現在進行形で動物とか入って来てないんだから大丈夫だって…多分。」
その多分で死にたくないんだよ、俺は。
「みのる…行ったらダメなの?」
ルナが悲しそうな顔をして俺に聞いてくる。
これはベリルがルナを味方につけるために世界樹のことを色々言ったせいでこうなった。
「…いや、ダメとかそういう話じゃなくてね。
ていうかそんなに行きたいならベリル、お前一人で行けばいいじゃねーか。」
「怖いから嫌だ!」
「そんな行動を俺たちに進めてるんだぞ…お前は!」
「うっ…」
……そんな顔するなよ…俺がいじめてるみたいじゃん。
「まあどちらにしろ、今困ったことはない。
強いて言うならお前が帰れなくなったくらいだ。」
「うっうっ…」
「しかもお前ここに戻ってくるつもりだったんだろ?あの地図の場所、多分この森だし。」
「それは…そうだけど。」
「だったらとりあえず今は休もう。
こんなに大規模な魔法は使ってる方もそんなに持たないだろ…そのうち無くなる…多分」
「多分?いま多分って言った?」
「わかんないことの方が多いんだからしょうがないだろ…そんなことよりこれ。」
俺はこの不毛な会話を終わらせるためにベリルに〈クワ〉を渡す。
「こういう時は単純作業をして忘れようぜ。」
「……はいはい、わかりましたよ。」
「わたしも手伝う!」
「おう、ありがとう。」
まあ正直畑の量は結構飽和気味だけど……あって困るものじゃないし大丈夫か。
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この日、俺たちは空が夕日に染まるまで畑を耕した。
昼飯も食べずにずっと耕してたわけだが…やっぱり、周りを誰かの魔法で囲まれたってのは心理的に良くないみたいだ。
忘れたいと思って作業してたらいつのまにか夕方になってた。
「ねぇ…こんなにずっと耕す必要あった?」
「別にない。てか、めっちゃ疲れた……」
俺とベリルは満身創痍…一方ルナはゴレさんと共に休みながら種まきをしてたので疲れはあるもののまだ元気そうだ。
俺が椅子に座ってそんなことを考えていると、ゴレさんが料理を持って来てくれた。
そう、この1ヶ月でゴレさんは料理ができるようになったのだ。
しかもこれが俺が作ったより美味しい…正直ちょっと複雑だが、美味いものが食べれることは素直に嬉しい。
「ありがとうなゴレさん。」
「おいしい!」
ゴレさんは頭の後ろに手をやって照れたような仕草をする。
「…まあ、確かにこんな美味しいもの食べてるうちはなんの問題もなさそうね。」
「そうだな、しばらく様子を見ようぜ…どうせ明日には結界は消えてるさ。」
「……それ、昨日も言ってたよね…」
それは言わないお約束。
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数日後…俺の畑に異変が起こる。
「………なんで…育たないんだ?」
畑の作物が育たない。
魔力を流してもうんともすんともせず、今までちゃんと育ってたやつも時間が止まったみたいに成長しなくなってる。
「…問題起きちゃったわね。」
「……るさん…」
「ん?」
「どこのどいつだ!俺の畑をこんな風にした奴は…絶対ぶっ殺してやる!」
作者 みんなは畑を荒らすのはやめよう。
女神 これ読んでるのイノシシと思ってる?




