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帰宅宣言

「私、一回帰ろうと思うんだ。」


朝飯を食っていると、ベリルがいきなりそんなことを言い出した。



「なんだお前、昨日のこと気にしてんのか?」

「別に⁉︎」



…絶対気にしてるじゃねーか。


まあゴレさんが作った下着って俺たちの履いてるやつを見て、それを色だけ変えてマネしてるだけだからな。


自分がどんな下着履いてるか俺にバレたわけで…気にするのもわからなくは…「だから気にしてないって言ってるよね?」



ちょっと怒ったような声を出しながら、ベリルは机の上に1枚の白い紙を出す。


「コレに載ってる地図について調べようと思ったのよ。」


ルナが最後に見つけたあの白紙か。


そう言えば地図が載ってるとか言ってたな。


「また【たからのちず】だったりするのかな〜?」


「う〜ん、どうだろう。

反対側に厨二病っぽい嘘が書かれてたし、あんまり信用してないけど何かあるかもしれないしね。」



異世界うんぬんとか書いてあったんだっけ?


まあ、俺がその異世界出身だしありえない話じゃないよな。


「あと、今回見つけた宝の鑑定もしてみたいのよ。

やっぱり少なくとも私が知ってる年代のものじゃなかったし、気になるのよ。」


「でも…『宝は盗品』って紙に書かれてたんだろ?没収されるかもよ?」


「私がわからないってことは最低でも3000年は前の遺物か滅んだ国の物。

仮に盗品だったとして、それだけ前のものに所有権を主張する人なんていないよ。」


うーん、一理ある…か?


「というわけで、二人ともちょっとついてきてくれない?」

「絶対に断る!」


————————————————————————————————————



朝食を食べた俺は再び海のコテージに来ていた。


こっちにある畑の作物を収穫して、畑を森の方に移動させるためだ。


「ねぇ、付いてきてよ。」


「絶対に嫌だ。」



ベリルのやつがさっきからずっと『ついてこいついてこい』ってうるせぇ。


どうやら、ベリル一人じゃ運べる量が限られるのがいやらしい。


「はぁ…何がそんなに嫌なの?」

「人里に行きたくない。」


「あんたは修行僧か」



「…似たようなもんだろ。

ていうか、今はそんなことより野菜運ぶの手伝ってくれ、お前の【宝】のせいで〈アイテムボックス〉がパンパンなんだよ!」


「……早く宝物庫作ればいいじゃん」「今ゴレさんが作ってるだろうが!(ルナも手伝って)」



全くただ家を建てるだけならそんなに時間は掛からんのに、お前が地下室作れとかめんどくさいこと言うからこうなってるんだろ。


「盗難される可能性がある場所に【宝】を置けるわけないでしょ。」


……まあ、それはそうだけどさ。



「とりあえず野菜手伝え、そしたら森の中ぐらいは付いて行ってやる。」


「それじゃ意味な…あれ?この森を出たらやばい動物とか居ないし、結構な量運べるかも…よしそれで行こう。

私はどれを運べばいいの?」


「じゃあこの野菜を森の方の食料庫に持ってって。」


「任せて。」


————————————————————————————————————



「予想以上に早く終わったな。」


「つ…疲れた。」


畑の野菜を収穫して、運ぶ作業を昼前に終わらせた俺たちはコテージの椅子に座って休憩している。


相変わらず、ベリルは畑仕事が苦手…というかやりたくないらしい。



「それで、畑を移動させるってどうするの?」


「シンプルにこっちの畑は放置して、向こうの地面を耕すだけだぞ。」


「……それ、私も手伝わなきゃダメ?」


「いや別に。こっちは急ぎじゃないからな。

しばらくは休みだ。」


「…どうせなら私が居ないうちにいろいろやってくれたら良いのに」


「なんか言った?」「いや何も。」



まあ、本当はゴレさんの方を手伝いに行った方が良いんだろうけど、俺は今休みたい!


というわけで、日当たりのいいベットで寝ることにし……「みのる、リルおねぇちゃん!」


ルナが血相変えて部屋に飛び込んできた。


「ど…どうした?」


「えーっと、あのね…外に出れなくなちゃった。」

作者 恋人でもないのに実家に帰らせていただきますムーブはさすがだな。

女神 そういう理由で帰るわけじゃないですから。

作者 まあ、なんか帰れそうになくなってるがな。

女神 ルナちゃんが血相変えるぐらいの事態だからね。

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