白紙の地図
「ん!これ!」
ベリルが持ってきたのはちょっと引っ張った程度じゃ破れなさそうな丈夫な紙。
裏表どっちも白紙だが……なんかこれと同じようなやつ、見たことあるような…。
「ちょっと二人とも、なんでサボってるの?」
「いや、サボってるわけじゃなくて…ほらコレ。なんかあった。」
「何…紙?そんなものより、今目の前にある【宝の山】の方が大事!ほら早く作業して。」
ホントに現金なやつだな………あっ…コレ、ベリルが持ってた【宝の地図】となんかそっくりじゃね?
「おいベリル、コレなんか地図の紙とおんなじ気がするんだが。」
「……確かに、なんか書かれてるわね。」
ベリルが紙を受け取ると、またベリルにしか見えない文字で何か書かれてるみたいだ。
「ねぇ、なにがかいてあるの?」
「う〜ん、なんか『私の祖先がこの世界の人間じゃない』とか『ここにある宝は滅んだ国の宝物庫から盗んだ…じゃなくてもらってきたもの』とかそんな感じのことが書いてある。」
おい今なんか凄いこと言ってなかったか?
「あっ、裏にはなんか地図がある。」
「地図?」
「…でも、どこの地図かはわからないわね……まあ、とりあえず今はいいでしょ。
ほら二人とも、さっさと〈アイテムボックス〉にしまって、早く地上に行こう……お腹減った。」
「賛成」「うん!」
………この時、壁のヒビから『小さな水の塊』が染み込むように消えていったが、俺たちは気付いていなかった。
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時刻は夕陽が綺麗な時間帯。
俺たちは浜辺のキャンプ地に戻ってきた。
「おー〜、久しぶりの地上だ。」
「久しぶりって言っても4日しか経ってないけどね。」
いや、4日は十分久しぶりだろ。
「みのる、そんなことより早くこの魚焼いて食べようよ!」
帰り道の途中で仕留めたそこそこデカい魚を引きずっているルナが調理をせかしてくる。
「…もうめんどくさいから丸焼きでいいか?」
「いいよ!じゃあ串探してくる。」
そう言うとルナは森の方に走っていった。
「……元気だな。」
俺は魔力不足の状態で泳いできたし、もうめっちゃ眠い。
「ねぇちょっと【宝】出して、ちゃんと鑑定したいから。
さっきは見る時間あんまなかったし。」
「…お前鑑定なんてできるのか?」
「ちょっとくらいならね。」
「………ホラよ。」
正直、料理を手伝って欲しいんだが…なんか深夜テンションっぽいしいいか。
「みのる!取ってきたよ!」
「おう、じゃあ作るか。」
とりあえず、魚の頭から枝をぶっ刺して丸焼きにする。
にしても、ここからゴレさんのいるところまで帰らなきゃいけないのか。
…いや、ゴレさんの方もあともうちょっとでアレが完成しそうだし、森の家までは苦労せずに帰れそうだな。
作者 突然のキャラクター紹介 第一弾!
ベリル・セレスト(15)
魔力量(MP) 15,032 現在成長中
茶髪でバンダナを巻いている【自称海賊】の女冒険者。
海賊を名乗っているのは昔読んだ本の登場人物に憧れているからだが、実際に先祖が海賊をしていた……そして、その先祖は地球から来た異世界人だったりもする。
ただ、一級冒険者昇格の世界最年少記録を更新したり、かなり大規模な武術大会で優勝したりと巷では期待の新人冒険者である。
(ちなみにベリルが一級に昇格したのは12歳の時で、今までの最年少記録は14歳)
〈魂源魔法〉
・〈エンチャント・テンペスト〉
嵐を凝縮して剣や拳に付与する魔法。魔力効率が良くベリルが最も愛用してるオリジナル魔法。
・〈エンチャント・ノバァ〉
魔力に爆発の特性を付与して威力を何十倍にも高める魔法。
魔法の特性上ものすごく魔力効率が悪く、自分以外には通常付与できず、調子が悪いと3回で魔力切れすることもある。
ちなみに付与された時は薄く蒼い光が出て、すごく綺麗(小並感)。
・〈エリア2 彗星を追いかける破船〈コメット・レック〉〉
〈エンチャント・ノバァ〉の魔法概念拡張のためにベリルが造る結界。
頭からバンダナを取って手首に巻きつける動きをルーティンとしている。
大海原の上に遭難した船(破船)が浮かんでいて、船内部の構造はその時その時で変えられる。
この中では自分にバフ、相手にはデバフがかかり、〈エンチャント・ノバァ〉を他人にも付与できる。
ただ、この領域は作るのに全魔力を持っていかれ、自分の意思で解除しても魔力は戻ってこない。
作者 ざっとこんな感じかな?
女神 期待の新人?
作者 事実しか書いてないけど…何か?




