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お宝

さて、どうやって魔法を当てるかだが…どうする。


隣にいるベリルの方を見ると、ベリルが水人の足の方に視線を向けた後、俺の方を見る。



『なるほど……足を狙うってことね。』


俺が頷くと、俺とベリルは水人に向かって走り出す。


「エンチャント・テンペスト・ノバァ!」


短剣に魔法を付与したベリルと水人の剣が競り合う。


途中にいた〈巨石像〉を粉砕した攻撃なのによく受けられるよな…。


俺はそんなことを考えながら〈アイテムボックス〉をまさぐり、木片を出す。

「…特攻バグ……かぶとわり!」


ベリルと鍔迫り合いしてるので水人は避けれない!…と思ったら水人と俺を挟むように『超高速回転した水の盾』が現れて、斧の軌道を逸らされる。


「ッチ!マジかよ…。」


「エンチャント・ノバァ!…ねぇ、私が囮役になったんだからしっかり決めてくれない?」


水人をぶっ飛ばしたベリルが俺に文句を言ってくる。



そんなこと言われても仕方ないだろ、むしろなんであんな硬い木を切れる攻撃を『水の盾』で反らせるんだよ。


魔力だってさっきのでだいぶ持って行かれてもう半分くらいしか無いし……



みのる!避けろ!」


ふと、水人の方を見ると周りに『水の槍』が浮かんでいて、それは今にもこっちに飛んできていた。


ていうか、なんであいつだけ先に逃げてるんだよ!


「うおっ、あっぶねぇ…ッツ」


ギリギリのところで『水の槍』を避けた俺だが、次の瞬間に水人がものすごいスピードでふところに入ってきた。


「ヤバ…〈ハリケーン〉!」

「エンチャント・ノバァ✖️7!」


急な出来事にあせってスキルを使ったが、この判断は良かった。


後ろに倒れるような体制で放った俺の〈攻撃スキル〉はベリルの魔法を帯びて紅に染まりながら、船の床を削りうまい具合に水人の手足を削り取る。



そして俺の攻撃が終わったのと同時に、背後から何か白いものを纏った〈氷柱つらら〉のようなものがとんでもスピードで飛んできて、水人の心臓の場所に当たる…と同時にあたりが吹雪のように真っ白になる。



「ホワイト・ブリザード…!」



…これがルナの魔法か…


吹雪の方に薄らと目を凝らすと、水人は表面から凍り、そして砕けていた。



「こ…怖ぇぇぇぇぇ……」


多分ベリルのあのバカみたいな魔法が付与されてるとはいえ、こんなこともできるのか……魔法。




……いや、ルナがおかしいだけか。

ベリルじゃできそうにないもんな…これ。



それから1分ほど経つと吹雪がおさまり、船や大海原などのベリルが魔法で造った〈エリア〉、そして水人も消えていた。


「お…終わりか?」


俺は辺りを見渡してなにもいないのを確認すると、安堵のため息を吐く。


すると、後ろの方でベリルが倒れる音がする。



「おいベリル!大丈夫か?」


俺は倒れたベリルの方に走って行く。


「ま……魔力…が……い。」



なんだ…魔力切れか。


「あん…た、魔力を…せるん…で…しょ。」


多分『あんた、魔力を渡せるんでしょ?』って言ってるだな。


「できるけど…いやだぞ?俺だってもうほとんど魔力がないんだから。」


「わたしの魔力あげるよ?リルおねぇちゃん!」



俺の後ろにヒョコっと現れたルナがそう言うと、ベリルの手を握る。



スゥ〜…アレ、おかしいな…俺の〈スキル〉って神様から貰ったやつだよな?


なんでこの幼女、一回見ただけでマネできてるんだ?……そういえば、前も同じようなことやってた気がするな…。


まあ、気にしないようにしよう。



俺がそう考えて遠くの壁をぼーっと見てると、その壁が崩れて奥から何か光ったものが見える。


「ん?」


今度はボーッとではなくジーーっと見る……「あんた、なに見て……金だ!」


流石…自称〈海賊〉、一瞬で判断したな。



ルナからの魔力注入もまだちゃんと出来てないのに、ベリルは壁が崩れたところに走り出す。


ホントに…千鳥足でよく行くな。


俺とルナは一回顔を合わせて、ベリルの後ろを追った。



————————————————————————————————————



「ぐへへへへへへへ。」


俺とルナがベリルのところまで行くと、悪代官あくだいかんのような笑い声の奴が大量の【宝】の中にいた。


「なんちゅう笑い方してんだ…お前。」



「すごい量だね、みのる。」


「そうだな〜5世代は遊んで暮らせそうな量はあるな。」


もう何キロの領域じゃなくて、トンの領域な気がする。




「……ハッ!みのる、早く〈アイテムボックス〉に入れて!誰かに盗られるかも!」


だらしない顔から戻ったベリルが慌てたように俺に命令する。


「へいへい……これ、全部入るかな?」


こういう時のベリルに文句を言うのはダメな気はするから従順に金ピカ光っているいろんなものを〈アイテムボックス〉にしまう。



……これ…ちょっとくらいなら、別に盗られてもわからないんじゃね?

「一応言っとくけど、どのくらい有るかは暗記してるから中抜きとかしようとしないでね?」


「わ……わかってるって…そんなこと。」



エスパーかよコイツ。

目が猫みたいに細くなってて、めっちゃ怖いんだが…。



「ねぇみのる〜なんかまっしろな紙があるよ?」


おっ、ルナが何か見つけたみたいだ。

作者 はぁ、やっと森に帰れる。

女神 ずっとタイトル詐欺やってきてたからね。

作者 あとはもう一人のメインキャラをちょいだししたら序章は終わりか…

女神 まだこれ始まってすらなかったのね。

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