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魂源魔法

〜大体2週間前くらいの夕食の時間〜



「そう言えば聞きたいんだけど、ベリルが畑泥棒に入った時、俺に攻撃してきたよな。

その時になんか蒼白く光ったあれ…なんだったんだ?」


俺がそれを聞くと、ベリルは一瞬キョトンとした後に思い出したように喋り出した。


「ああ〜そう言えばそんなことあったね、なんかもう結構前な気がして驚きだわ。

…で、私の『魂源こんげん魔法』についてだっけ?」


「こんげん?魔法?何それ?」


なんかいきなり聞いたことのない言葉が飛び出してきたんだが…ルナもキョトンとしてるし。


「えっ……知らないのあんた達……」


俺とルナはとりあえず頷く。


「…『魂源魔法』ってのは簡単に言えば〈自分オリジナルの魔法〉よ。」


「?俺たちが普段使ってる魔法とは違うのか?」


「全然違う…まあ、普通の魔法…よく『一般魔法』なんて呼ばれるけど、それは世界が作ってる魔法なのよ。」


…………やばい、もう何言ってるのかわからなくなってきた。


「私たちが魔法を使う時、魔力を放出するでしょ?例えるなら、それは世界に〈魔法の設計図〉を渡してるみたいなもんで、それを見た世界が魔法を作っている…みたいな感じなのよ。」


……ルナよ、さっきから頷いてるがわかるのか?俺はもう無理だぞ。


「これが〈一般魔法〉…いわゆる普通の魔法な訳だけど、あの時私が使った『魂源魔法』は〈一般魔法〉と違って世界が入らない……つまり自己完結してる魔法ってこと。


まあ、魔法を自己完結するっていうけど、それを実行するには魔力が特殊だったりとか、絶対的な自分の何かがあるとか言われてるけど実情は全くわかってないのよね。」


「…えーっと?つまりその『魂源魔法』ってのは〈自分のオリジナル魔法〉と思っとけばいいんだな!」


「それさっき私が言ったやつね。」


なんかめっちゃバカを見る目をされたんだが。


「それでリルおねえちゃんはどんな魔法を使ってるの?」


いや、こういうオリジナル魔法って切り札みたいなもんで教えてくれないだろ。


「私の魔法は簡単に言えば攻撃の威力をめちゃくちゃ上げることができるって魔法だね。」


「いやそれ言っていいのか?」


「確かに『魂源魔法』は秘密にしてる人が多いけど、私の魔法は知られても困らないし特に問題ないね。

だって、攻撃の威力を上げるって知ったところで何もできないでしょ?(それにまだ秘密もあるし…)」


「それは…確かにそうだな。」


聞いた感じシンプルに強いって感じに魔法だな。


「ねえねえ、わたしもその『魂源魔法』って使えるようになるの?」


「うーん…どうだろう、ルナちゃんの才能はすごいと思うけど、これに関してはそういうのじゃないからね。

まあ使えるようになるんじゃない?」


「やったー♪」


ルナはそう喜ぶと再び魚を食べ始めた。


「ちなみにあんたは多分無理だと思うよ。」


「やかましいわ!」



————————————————————————————————————


〜そして現在〜


腰にある短剣を抜いたベリルは俺が何かを言う前に〈巨石像ガーディアン〉に向けて走り出す。


そのスピードはオオカミ姿のルナが本気で走るよりも速く、おおよそ人間が出せるものとは思えなかった。


『……いや、確かにベリルが本気で走ったり、泳いだりしてるのを見たことなかったけど、ここまでやばかったのか…そう言えば一級冒険者どうのこうのって言ってた気がする…』


俺がそんな事を考えていると、ベリルは走りながら短剣に手を添えて魔法を唱える。


「エンチャント・テンペスト!」


するとベリルの短剣を纏うように風や水、雷などが出てきて、それはまるで嵐を凝縮したようだ。


ベリルはそのまま〈巨石像ガーディアン〉に向かって走り、〈巨石像〉の股を抜けながら短剣で足を斬りつけた。


普通、大きさから考えて短剣では大したダメージは与えられないが、魔法を纏った短剣は〈巨石像ガーディアン〉の人間で言うアキレス腱をバッサリ斬って…いや、エグっていた。


『いや怖えええええええええ…なんだよあれただ斬るよりずっとやばいんだが?』


俺はバランスを崩して倒れている〈巨石像ガーディアン〉を見ながらそんなことを思っていると、ベリルは元々狙いを付けてたのか〈巨石像〉の胸…心臓の場所に真っ直ぐ進んで行く。


「やっぱりリルおねえちゃんの魔法ってかっこいいよね…わたしも使いたいけどできなかった…」


「えっ、ルナはあの魔法見たことあるのか?」


「うん、おっきな魚に使ってたよ。その時はあおいひかりも出て魚をこなごなにしたの。」


「へ?粉々?」


俺は〈巨石像ガーディアン〉の胸の上に飛び上がり、短剣を振りかぶっているのを見ながらなんだか嫌な予感を感じる。


「エンチャント・テンペスト……エンチャント・ノバァ!」


ベリルが魔法を唱えると、再び短剣に嵐が纏い、そしてその中に〈蒼白い光〉が舞っていた。


「ちょ…ルナ、これはヤバい!速く壁、壁を作ろう。」


「う…うん、わかった。」


ルナもあれを見てヤバいと思ったのか急いで氷の壁を作る。


そして次の瞬間…凄まじい轟音が鳴り響き、当たりは砂埃に包まれた。





数秒とは思えないほどの長い静寂の時間が過ぎたあと、俺とルナは氷の壁からベリルの方を見ると、そこには〈巨石像ガーディアン〉の残骸と思われる石の粉末の山の上で佇んでいるベリルがいた。


「おっ、二人ともそんなところで何やってるの?」


ベリルはそう言いながら俺たちの方に歩いて来る。


「にしても、大きさの割に全然強くなかったわね。特に魔法も使ってこなかったし。」


「そ、そうですね。」


「あんたなんで敬語使ってんの?」


「いや…別になんでもない…」


「…まあいいや、そんなことより、あっち側になんか洞窟の入り口っぽいのがあったよ。」

女神 いやベリルちゃん強過ぎない?

作者 まあ一応人類の中でも精鋭の〈一級冒険者〉に15歳って言う若さでなってるのに弱いわけないでしょ。

女神 それはそうだけど…

作者 まあ、ルナちゃんの方が才能はやばかったりするんだけどね。

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