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ガーディアン

水晶が光り、ベリルがこの迷宮の大体の地図がわかった後は、いろいろあっという間だった。


この迷宮は全部で11階。


最上階である11階を除く全ての階には【宝】が3個あるらしく、俺たちはベリルの案内で特になんの問題もなく3日で残り27個の【宝】を全て回収した。


【宝】は魔法で隠されてたり、ゲームをすることで開いたりしたので絶妙に回収するのがめんどくさかった。


……『変顔要請』してきたのと『ツイスターゲーム』させられたのはわりと許せん。



それで、気になる【宝】の中身は、30個のうち半分の15個は『武器、防具』なんかの装備品。


ぶっちゃけ『武器』は俺には〈斧スキル〉があるため必要ないし、ベリルの【短剣】もオーダーメイドでこれを超えるものもなく……。


そして、何より酷かったのがルナで、今は一応俺が作った『杖』を持ってはいるが、どうやら雰囲気で待ってただけで特にに必要ないらしい。


まあ…つまるところ、いろいろ凄そうな武器があるが、これは俺たちには無用の長物ってことだ。


ちなみに『防具』の方は、叩くと硬いのに柔軟に動く『肘当て』とか、防水性のいい『ジャンパー』みたいなのもとかがあってかなり嬉しかった。



話を戻して、『武器・防具』以外の【宝】は最初に見つけた『水晶』や『懐中時計』のような魔道具が10個。


これに関しては誰も使い方がわからないものが結構あり、戻ってから調べてみようということになった。


ただ、中には俺の知っている『ガスコンロ』のようなものもあったので、他にも前世で言うところの『機械製品』みたいなのがあるかもしれない。


まあ、何個かは〈アイテムボックス〉でほこりを被ることになりそうだけど……。



そして最後に残っている【宝】5個は『絵やツボ』なんかの『骨とう品』だった。


これに関しては俺とルナは特になんとも思わなかったが、ベリルの喜びようがすごかった。


見た目どうりと言うか職業柄というか…どうもこういうのが好きらしい。


飯の時に早口で『これは〜で…あれは〜だからすごい!』みたいなことを永遠に言い続けて…正直ウザかった。


俺としてはなんか『楽器』があったら嬉しかったな〜って感じだ。


……今度ゴレさんと一緒に作ってみるか。



まあ、そんなこんなで、俺たちの【宝探し】もいよいよ今いる11階を残すだけとなったわけだが……その11階はちょっとした公園くらいの広さしかない。


しかもある物と言えば、俺たちが登ってきた階段と反対側にもある同じような階段があるだけ…。


ただ、俺たちはこの階段を降るのを躊躇していた。


理由は単純……


「…なに?あの階段……」


ベリルが反対側にある階段のことを知らなかったからだ。



「……どうする?下る?」


階段の前まできた俺たちはここを下りるかどうかの話し合いを始める。


「私としては行ってみたいけど…なんか嫌な予感がするのよね。」


「うん、それは俺もそう思う。」


「でもしたに行ったらなにかあるかも!」


ルナが階段の下の方を覗きながら俺とベリルが最も気になっている事を言う。


地図に載ってない場所とか何かあるって言ってるようなもんだからな…



「………どうする?とりあえず行ってみるか?」


「……まあ、何かあったら戻ればいいし………とりあえず行ってみよう。」


そう決めた俺たちは一応周りに注意しながら階段を降り始める。



そして俺たちが1階分くらいの階段を降りた時…異変が起きた。


〈ガチャ〉と大きな音がなったと思ったら、急に階段の段差がなくなり、超巨大な滑り台になった。


「ちょっちょちょ………まさかのトラップかよおおおおおおおお………」


こうして俺たちは実に10階ほどの高さの滑り台を強制的に滑り降りて行った。



————————————————————————————————————



階段を滑り降りた俺たちは最終的にクッションのように生えていた草に突っ込んで止まった。


「二人とも生きてるか?」


「…大丈夫!」「……多分生きてる。」


とりあえず全員怪我とかは無いみたいだ。


「にしても…これどうする?絶対に罠だっただろ。」


「戻りたいけど……戻れそうにないわね」


自分が滑ってきた階段(滑り台)を見ながらベリルがそう呟く。


「わたしの魔法でかいだんとか作ってのぼれないかな?」


「おお!確かにそれいいわね!」


「ただ結構時間がかかりそうだな……まあ食料は腐るほどあるし問題ないk〈ドオオオオオオオオ〉………へ?」


俺たちがこれからに話し合いをしてると後ろの方……正確には一枚壁を隔てた場所から凄まじい音がした。


「……なんだろう…すごい嫌な予感がするんだけど……」


「…奇遇ね…私もよ…」


ベリルがそう言った瞬間後ろの壁から凄まじい音がしたと思ったら、壁から馬鹿みたいにデカい手が出てきて壁を壊した。


「おいおいおいおいおい、なんだよこいつ!」


壊れた壁から見えたのは身長が10Mほどあり、全身が鎧のように覆われているデカい〈巨石像〉だった。


その大きさはまさに迷宮の守護者ガーディアンと言う感じだ。


「アイシクル・ヒュージ!」


壁が壊れて〈巨石像〉が現れた瞬間、ルナは即座に魔法を使い攻撃した。


ただ、ルナが出したデカい氷柱つららは〈巨石像ガーディアン〉に当たり、上半身が少し逸れたが、大したダメージにはなってないみたいだ。


「ちょちょ、ルナちゃんいきなり魔法使わないで危ないから。」


「でも、あの大きな人こっちに向かってきてるよ?」


「…それはそうなんだけど………まあ、とりあえず二人とも手を出さなくていいよ。

こいつが何してくるかわからないし、私一人で戦ってみる。」


ベリルはそう言うと腰にある短剣を抜き構えた。

作者 と言うわけでボス戦ですね。

女神 一人で戦おうとしてるけど大丈夫なの?

作者 それは次回のお楽しみにって事で。

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