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巨大迷宮 後編

話し合いの結果、寝ていた罰として俺が水晶を取りにいくことになった。


正直…納得はしてないが、俺が行かなかったらルナが行きそうな感じだったので『流石にそれは~』ってなったためだ……まあ、寝てたのは事実だしな。


俺は『水晶』がある水晶に囲まれた部屋に入り、粉々に砕けた〈石像〉の横をぎって、『水晶』のあるところまでやってきた。


「何も起きない……そう、何も起きない。」


俺は念じるようにぶつぶつそうつぶやきながら『水晶』にちょっと触れて、位置をずらす。


…………


「…ホントに何も起きいないのかよ。

なんか拍子抜けだな。」


とりあえず、何も起きなさそうなので俺は『水晶』を持ってそそくさと2人のところに戻った。



————————————————————————————————————


「いやー、何も起きなかったね…ちょっと残念。」


帰ってきた俺にベリルがかけてきた第一声がこれである。


こいつ……一発殴っとくか?


「おお、なんかめっちゃ不穏なこと考えてる気がするから話変えるけど、取ってきた『水晶』見せてよ。」


ベリルが俺の手の中にある『水晶』を指さしながらそう言う。


『水晶』を改めてじっくり見てみる基礎の色は普通の水色ぽいが、表面…というか表面の内側が灰色っぽくて、どこか汚れているみたいだ。


「…これ、なんだと思う?俺には全く分からないんだが、骨董品こっとうひんってやつか?」


『水晶』を眺めながらそんなことを言っていると、ベリルが「ちょっと見せて。」と言ってきたので、俺は『水晶』を渡す。


すると、ベリルの手に『水晶』が乗った瞬間に『水晶』が光出して、しばらくすると収まった。


ただ、光がなくなった『水晶』はさっき気になった汚れが全くなく、占いの館とかでよく見るきれいな〈水晶〉になっていた。


「……へえ、なるほど……そういうこと。」


俺とルナは〈水晶〉の光に驚き、フリーズしていると、ベリルが何か分かったようにつぶやく。


まるで、〈水晶〉が光った時に何かを見たみたいだ。


「リルおねえちゃん、どうかしたの?」


「……えっとね、ここはどうやら私の祖先がつくった場所っぽい…。」


「え?どういうこと?」


「そうだね、簡単に説明……の前にお腹もヘッタしずっとここにいるのも辛いし、一回入り口に戻ってご飯にしない。」


「いや、ここで後回し?ていうか、ここから入り口近くないだろ、どうやって行くんだ?」


「私たちはこの迷宮を時計回りに回ってきたんだよね。

だからもうちょっと進めば入り口に戻れるよ。」


いや、なんでわかるんだ?

まるで、地図でも見たような口ぶりだが……もしそうならこの迷宮探索もしかして終わった?


「リルおねえちゃんすごい!」


「まあね!それじゃあ行こうよ。」



————————————————————————————————————



入口に戻って来た俺たちは迷宮の外に出て〈アイテムボックス〉から椅子や机、テントなどを出して簡易的なキャンプ地を建設した。


そして俺は料理するのはめんどくさかったし、ベリルの話を早く聞きたいのもあり、つくりおきしてい料理を〈アイテムボックス〉から出して机に並べて、みな各々がご飯を食べ始めた。



………………………



「…にしてもあんたってホントに便利よね。」


「……まあそれは誉め言葉として受けとっとく。

で、お前はさっきの光の中で何を見たんだ?」


「う~ん、説明するの難しいんだよね。

まあ簡単に言えば、この迷宮は私の祖先が造っていて、その過程をダイジェストのように流されたってだけなんだけどね。」


「なるほど、だから入口がどこにあるとかが分かったのか…」


「そういうこと。

ちなみに、迷宮の全体図とか見たからもうクリアしたも同然だよ。

宝のありかも全部わかってるからね……まあ、何があるかはわからないけど。」


とんだ欠陥構築じゃねーか…この迷宮。

…まあでも、簡単に終わるってんならそっちのほうがいいか。


「まあ、今日は休んで明日から爆速で宝を回収しようってことでいいよね?」


「俺はそれでいいぞ、まだ眠たいし。」


「ルナちゃんは………大丈夫そうね。」


ふと、ルナのほうを見てみると、ご飯を食べて眠くなったのか、オオカミの姿になって丸まって眠っている。


俺は立ち上がってルナの場所まで行き、テントの中に入れるためにルナを持って運んでからテントに寝かせてから毛布を掛けた。


「にしても、もう10時……んじゃあ、私もそろそろ寝るわね。」


「ああ、俺は皿とか洗ってから寝るわ。」


「おお、ありがと……おやすみね。」


「ああ、おやすみ。」


ベリルはそう言うと、ルナを寝かせたテントに消えていった。


ちなみにテントは男女、俺とルナ、ベリルで分けて使っている。

しょうがないとは言えちょっと寂しい。



…………


にしても、宝か………『魔法を消せる黒い剣』といい、『懐中時計』といい意外といいものだし期待しちまうな。


ベリルも宝が何かまでは知らないらしいし………前世の機械製品に近い道具とかあったらうれしいな。


俺は〈水魔法〉で皿を洗いながらそんなことを考える。


…まあ、俺もそろそろ寝るとするか。

明日は忙しくなりそうだしな。

作者 というわけで、迷宮探索ラストスパートです。

女神 そう、まだまだ続きそうだけど………

作者 あと5~7話くらいかな。

女神 まだまだ長いですね。

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