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海底遺跡

俺が狼の魔物?と戦ってから何事もなく3日が経ち、例の海底洞窟の出発日になった。


水平線から昇る幻想的な朝日を見ながら俺は………めちゃくちゃビビっていた。


「…なあ、ホントに俺がたどり着ける場所にあるんだよな?

途中で魔法が切れて溺れたりしないよな?」


「あんたそれ何回目よ……大丈夫、仮に途中で溺れたりしたとしても私とルナがいたら多分何とかなるから。」


「そこは確約させてほしいんだが…」


「ねえ、まだいかないの?」


俺は初めて陸から離れた場所に行くのと、水中で呼吸ができる魔法スイムが下手というダブルパンチにビビッて、出発前にグチグチ言ってると、ルナが横からあきれた声で聴いてくる。


「……いや、もうちょっと待って…覚悟を決めさせて。」


今まで陸近くの『シュノーケリング』しかしたことない人間がいきなり『深海ダイブ』に行くってなったらそりゃビビるだろ。


「……………ああもう、めんどくさい!

こう言うのは勢いで行けばいいんだよっ…オラ」


そういいながらベリルは俺の背中を思いっきり蹴り飛ばした。


当然、俺は水泳の飛び込みに失敗した選手ばりに情けない姿で海に突っ込む。


そんな俺を見ながら、ベリルは『悪い笑み』、ルナは『苦笑い』をそれぞれ浮かべながら海に飛び込んだ。




————————————————————————————————————



世の中には『ダイビング』と言う趣味がある。


水の中という普段とは全く違う場所でサンゴ礁やその地域にいる様々な種類の魚と触れ合うことができるもので、人によっては人生が変わるという人もいるほどだ。



前世では全く縁の無かったものだが、この光景を見てみると人生が変わるってのもあながち間違いじゃないように思える。


………もっとも、今の俺はそれ以上に言いたいことがあるわけだが。



「…おい、お前さっき何した?めっちゃ背中痛かったんだが。」


俺は背中をさすりながらさっき海に入ってきたベリルに詰め寄る。


「うるさいわね…ちょっと『カツ』いれただけでしょ。

ていうかそんなに悠長してたらほんとに魔力なくなって溺れるもよ?」


「みのる、大丈夫だよ。もしもの時はわたしが洞窟までぶっとばしてあげるから。」


「いやぶっ飛ばすって…もうちょっと優しくしてほしいんだが……って、こんなこと話してたらほんとに魔法切れるかもしれんやん。

…ほら、さっさと行くぞ。」


まだ慣れていない水中を早々と進もうとした時、俺の体が止まる。


「……いや、あんた場所知らないでしょ。」


そういえばそうだったわ……



————————————————————————————————————


水中を移動すること1時間ほど、目の前にそれなりの大きさがあると思われる洞窟の入り口についた。


「…ここが目的地か?」


「そう!はやく入ろう!」


「一応、中に何かいるかもしれないから注意して入ってよ…一応ね。」


ベリルが言った通り、何かがいる可能性はあるので警戒しながら俺たちは洞窟に入る。


そこは前が見えないほど真っ暗だったが、ルナが魔法で光る球を出してくれたので問題なく進めた。



しばらくの間、グネグネと洞窟を進んでいると、突き当りまでやってきた。


「え?行き止まり?」


「いや、上だよ上。」


ベリルが天井を指さしながらそう言うが、そこには道はなく、ただあたりと同じ岩の壁…じゃなくて天井があるだけだ。


『もしかしてダマされた?』なんて思っているとルナが天井に向かって進みだし、壁を通過して進んでいった。


ベリルもルナに続いて天井に消えていったので、俺も慌てて二人を追いかける。


おそらく幻惑魔法みたいなので作られていた天井を抜けて、2人を追いかけるように登って行った。


しばらく進んでいくと水面が現れ、壁や天井が『薄い青の水晶』で覆われている…いわゆる『水晶洞窟』といわれる場所に到着した。


水晶から反射している薄い青の光のせいで、まるで水中にいるかのような錯覚を起こす幻想的な場所だ。


「……いや、スゲーきれいだな。」


「確かにそうだよねー。

……ちょっと待って…この水晶持って帰ったら高く売れたりしない?」


「……仮に持って帰るとしても、発掘作業は絶対手伝わないからな。」


「ふたりともなにしてるの?はやく行こうよ。」


「おう、そうだな。

確か、この先に石の扉があったんだっけ?」


こんな神秘的な場所に石の扉…楽しみだ。


「まあ、もう扉は空いてるけどね。」


…………そういえばそうだったわ……いやでも、もしかしたら閉じてるかもしれない。


はるか昔には閉め忘れで滅びた国もあったぐらいだし、戸締りくらいしてるだろ。


「……何考えてるか知らないけど、多分空いたままと思うわよ。」


………信じてるからな…



————————————————————————————————————




「………普通に空いてたわね。」


「そうだな。」


しばらく歩いたところにあった石の扉は残念ながら開いたままだった。


なんていうか…こけとかがあって、かなり雰囲気がある扉だったからな……残念だ。


「まあ、そんなちょっと前に通り過ぎた扉よりも……今、目の前に広がってる光景のほうがとんでもないと私は思うけどね。」


ベリルは目の前にある馬鹿みたいに高い壁で出来ている『迷路』にしか見えないものを遠目に見ながらそうつぶやく。


……はは…これは大変そうだな……。



作者 トリック・オア・トリート!ブックマークと評価してくれなきゃ今使ってる電子機器のバッテリー消費スピードを上げちゃうぞ。

女神 いや、もうハロウィン終わってるんだけど……ていうか、バッテリー関係は無性にイラつくからやめてあげて。

作者 来年はハロウィンのストーリー書いてみたいな~。

女神 こっちの話、聞きなさいよ。

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