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書架と梟  作者: 鳥ノ音
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07▶︎エンドロールへ

私がここに来てからどれ程の時間が経ったのだろうか?

時計もなければ、窓の外に太陽や月すらないせいで、時間の概念がかなりあやふやになっている。

きっと私が思っているよりも長い時を、私はここで過ごしているのだと思う。

そう思うようになったのは、ここの主であるあの梟頭の悪魔に変化が訪れたのが原因だった。

最近、アウルが殆どの時間を睡眠に費やしているのだ。

それがどう言った意味を持つのかと言えば、十中八九、彼が弱って来ていると言う事を意味する。

いつも偉そうに椅子に踏ん反り返っては、なんて事ないように私をバカにしてくるから忘れていたけれど、あの悪魔はここ最近何も食べていない飢餓状態なのだ。

それなのに私がいつまでたっても物語を完成させないから、ついに限界が来初めているのだろう。

悪い事をしてしまった…。

自分の事を悪魔だなんて言っているくせして何だかんだ優しい奴だから、私はそれに甘えてしまっていたようだ。

このままでは良くない。

だからそろそろ、この非日常を終わらせなければならない。

いつも通りの風景の、いつもの席に私は座る。

いつもいるはずのもう一人はいないため今日は一人きりの執筆作業だ。

白紙の紙にペンを走らせる。

一つ一つは意味を持たない文字達が、集まる事で世界を作る。

一文字一文字増える度に、梟頭の悪魔との別れが近付いて行く。

なんて事のない物語はいよいよエンドロールへ向かって行く。


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