休息の地 嵐
「やっと来たか。 ん? ミカ顔赤くないか? どうした?」
「レーン! そこは突っ込んじゃダメ!」
「あら、お先にお飲み物頼んでしまっているの。 お2人は何をご注文しますか?」
「おい」
ミカと一緒に先に行っていたレンとモモと合流するためにレストランへ向かったが、そこには前回会った2人が一緒に席に座っていた。
「私はオレンジジュース! ユウマは? アイスコーヒー?」
「うん。 ありがとう。 ってそうじゃなくて」
「そうね。 私たちの自己紹介がまだでしたね。 私はハヅキと申します。 主に魔法での戦闘を行っております」
「俺はアサヒ。 弓だ」
ハヅキと名乗った人は真っ白な髪でボブの女性だった。 前回もレストランでレオンを撫でていて、嵐のように去っていったからよく覚えている。 外見だけで言えば、おしとやかなお金持ちの娘のような顔立ちと雰囲気だ。
そして、一緒にいるアサヒと名乗った男はこの世界では意外といない黒髪で、右目を隠していた。 そして、男の僕がいうのもなんだが、物凄いイケメンだ。
「私たちは自己紹介終わってるよ~」
「なるほど! あたしはミカ! あたしもハヅキさんと同じで魔法使います!」
「僕はユウマ。 双剣です」
「それで、この子がモケ! 途中で見つけて一緒に連れて来てるんだ」
「あら? 前回お会いした時は・・・」
「あ、はい。 ミカはちょっと色々あってその時はいなかったんです」
ここでミカが生き返った。 などと言ってしまえば、このゲームの黒幕だと疑われるかもしれない。
「そうでしたのね。 この子も可愛いのね」
「おい。 お前本題忘れてるぞ」
「そうでした。 実は、これまで私とアサヒでこのゲームを進めていたのですが、どんどん敵も強くなり、どこかのパーティーに入れて頂ければと思い今回話しかけさせていただいたのです」
2人で進めてきたということは、このゲームと現実がリンクされていることを知らない?
「なるほどな。 ユウマどうする?」
「え? なんで僕に聞くの?」
「ユウマがリーダーみたいなところあるじゃん? あたしはユウマが良いなら全然いいと思うよ! それにこの2人が入ってくれれば遠距離攻撃が3人でしょ?」
「私は基本鞭だから中距離だし、遠距離がいるのは良いと思う!」
確かにこれからのボスのことを考えると、人数が増えることは良いことかもしれない。
「ハヅキさんは回復もできますか?」
「あら、ハヅキで良いのよ。 もちろん、回復もできるわ」
「こいつはこう見えて攻撃力も高いし、回復も1回で全回復する」
驚くほど優良物件。
「そんなことないわよ。 アサヒだって攻撃力かなりあるじゃない」
「お前が強力魔法かけるからだろ」
身体強化もできるのか・・・。
「あの、僕達で良ければぜひ、パーティーに入って下さい!」
「嬉しいわ~。 こんなに可愛い子達とプレイできるなんて」
「お待たせいたしました。 まずお飲み物こちら置かせて頂きます」
「あ、それと注文も一緒にお願いしても良いですか? あたしはオムライスで、デミグラスソース1つ!」
「あ、僕も同じもの下さい。 皆はもう頼んだ?」
「ああ。 ユウマが来る少し前に頼んだぜ」
それからというもの、女子は女子で盛り上がり、男子は男子で盛り上がり・・・と言いたいところだが、男子側は会話は無かった。
「次の場所にはいつ行くつもり?」
「え? あ、えっと、装備の強化も頼みたいし、それが終わり次第かな」
「ふーん」
「アサヒさん達は強化とかは・・・?」
「アサヒで良い。 俺もハヅキもいつでも行ける」
「分かったよ。 僕達も装備強化早めにやってもらえるようお願いするよ」
「別にそこまで気遣わなくていい」
「あ、うん」
「お前さっきからなんでそんな上から目線なわけ?」
「別に上から目線じゃないだろ」
「そういうところだよ」
レンとアサヒは馬が合わないのか一触即発。
「ごめんなさいね。 アサヒ、謝りなさい? いつもこんな感じで、現実でもこれだからお友達できないのよ?」
「は? ハヅキには関係ないだろ」
「関係あるわよ? 何回アサヒのことで私が謝ったと思っているのかしら」
「ハヅキが勝手に謝ってるだけだろ」
この2人はどんな関係なんだ・・・。
「私とアサヒは従妹同士なのよ。 家も近所でいつもこんな言い方をするから、お友達泣かせてばかりで・・・」
「それは向こうが悪いから俺は悪くないだろ」
「アサヒの言い方が悪いのよ?」
「はぁ。 俺はもう宿戻る」
「本当にごめんなさいね。 でも、戦闘になれば凄く心強いから・・・」
嵐のような人はハヅキではなくて、アサヒだったようだ。
「昔から人付き合いが苦手なのよね」
「レン、レンが大人になれば良いんじゃないの?」
「そういうミカだってガキっぽいだろ!」
「そんなこと言っちゃうんだ!? 良いの? 色んなこと、ここでバラしちゃうよ?」
「悪かったからそれだけは勘弁してくれ! はぁー。 まぁ、俺も大人気なかった」
「それは本人に言いなよ。 僕達に言っても・・・」
「次会う時に謝れば良いんだろ」
なんとか場を収め、女子は全員で買い物へ、 僕とレンはそのまま装備の強化へと向かった。




