水の地 意識
「本当にくそだな」
「こんなの酷すぎるよ」
「これじゃあ僕達にこのミッションはクリアできない・・・」
まさか・・・。
「商人が殺されるなんてあり得ないよ! 初めからクリアさせるつもり・・・」
「ああ。 クリアさせるつもりなんてはなっから無かったんだろうな」
商人は身体は無傷だったか、頭が、主に脳を食べられたかのような状態でモモが見つけた。
こんなことをした人物が誰なのか、ボスなら全て食べることから、このエリアに他に何かがいることを僕達は一瞬で察知した。
ただ、どれだけ探しても生き物1匹いないのだ。
「とにかく、ミッションがもうクリアできないってことに変わりわない。 ボスであるベルゼブブを倒さないと・・・」
「残ってるこの食材に毒を混ぜて、料理は食べ終わったら出すって感じでどうにか騙して少しでも私達に優利に戦闘に進めないかな?」
「モモの考えは良いかもしれないな。 どちらにせよ戦闘になるなら、少しでも体力を削るべきだ」
「そうだね。 残ってる食材って言っても少ししかないからどうにかして・・・」
「任せて!」
モモはそれだけ言うと素早く料理を作る。
「でも、この感じでどうやって説明するの?」
「それも私に任せて。 皆覚悟決まったらボスのところに・・・」
「俺は覚悟できてるぜ」
「僕ももちろんできてるよ」
「うん。 それじゃあ、行こう」
モモを先頭に僕達はボスのいるエリアへと降りた。
「なんだ。 今日はそれだけか? それだけで満たされると思っているのか」
「いいえ。 こちらは前菜になります。 毎日同じような運び方だと飽きてしまうと思いましたので、フルコースを用意させていただきました。 次の料理はこちらを召し上がった後にお出し致します」
「そうか。 ならそれを」
モモの言葉を信じたのか、前菜を食べ始める。
全てを食べ終えた瞬間、ベルゼブブの顔色が変わる。
「お前ら・・・」
「レオン!!」
「僕達も行くよ!」
ボスが何かをしてくる前に攻撃を一斉に入れる。
隙を見せたら一気にやられることは、1番初めに見たときに分かっている。
「固い!」
「ユウマ! 攻撃を緩めるな!」
「くっ」
「ユウマ! キャッ!!」
「モモ!」
しまった。
僕がよろめいたところをボスは見逃さない。
僕のせいでモモまで。
「攻撃力がかなり高いな。 ユウマ! モモ! 回復薬使え! くっそ」
レンにも疲労が見えてきている。
全力で攻撃をしているからか、いつもより動きにキレが無くなる。
モモとすぐに回復薬を飲んでレンのフォローに入る。
「私に傷をつけるなんて・・・。 泣いて許しを乞っても許さないわ! レオン!」
どれだけ全員でダメージを与えてもHPが減らない。
こっちの体力ばかりがどんどん減らされていき、回復薬も残りわずかだ。
「回復薬残り何個!?」
「俺は後1個だ!」
「私は後2個よ!」
「僕は残りがない! 僕がやられてもボスに集中して!」
ここでは一瞬の判断が命取りになる。
冷酷なこのゲームでは冷酷な人間しかきっとクリアできない。
だいたい、回復薬の所持上限が5個なんて、ヒールを使える子がいなかったら詰みゲーじゃんか。
「ユウマ! 攻撃よりも避けることに集中しろ! 攻撃は隙ができたときだけでいい!」
「私は、もう誰も!」
「モモ!!」
「危ない!」
その瞬間僕は地面に強い力で叩きつけられる。
一瞬思考は全て停止し、激痛に体が動かなくなる。
「まずは1人。 次はそっちの男だ。 女は最後に嬲り殺してやる」
動かない僕はただただレン、モモ、レオンの戦っている姿を見ることしかできなかった。
ミカ・・・。
僕は約束を守れないのかな。
すぐに僕もそっちに行くよ。
もう1人じゃない。
ミカが寂しい想いしないように、少し早いけど・・・。
その次の瞬間、僕はレンとモモ、レオンが倒れる姿を見ながら意識を手放した。




